ポピュリズムとは何か の商品レビュー
全体、総体の代表感が漠としてあるようで、部分を有さぬゆえに焦点もなく、軸も曖昧模糊って感じだな。 ポピュリズムとは、鏡の中の統計であり、数量化には適さないという事かな。これはテレビっぽいな。権力を持つまでは、単に鏡で済むが、一旦、権力側に身を置くとバックミラーだけで暴走する車の...
全体、総体の代表感が漠としてあるようで、部分を有さぬゆえに焦点もなく、軸も曖昧模糊って感じだな。 ポピュリズムとは、鏡の中の統計であり、数量化には適さないという事かな。これはテレビっぽいな。権力を持つまでは、単に鏡で済むが、一旦、権力側に身を置くとバックミラーだけで暴走する車のようになりそうだ。 大日本帝国って、こんな感じだったのかな。そんで今は、象徴天皇制か。これからどこへ向かうんかね。あ、権力は、アメリカだな、うーん。とりあえず、資本っていう制約は機能しているが、基軸通貨って超便利だからな、これからどうなるかな。
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ポピュリズムについての本は複数読んだが、ポピュリズムの定義に正面から取り組んでいる貴重な本といえる。同名の中公新書は「何が起こっているか」の確認として有用だったが、本書は民主主義の歴史から広く例をとりながら解説してくれており、概念の整理に向く。トルコ含むヨーロッパ、北米、南米にお...
ポピュリズムについての本は複数読んだが、ポピュリズムの定義に正面から取り組んでいる貴重な本といえる。同名の中公新書は「何が起こっているか」の確認として有用だったが、本書は民主主義の歴史から広く例をとりながら解説してくれており、概念の整理に向く。トルコ含むヨーロッパ、北米、南米における新旧の例がふんだんに紹介されている。 アジア・アフリカの例は出てこないが類似のことが起こっているのは間違いないので、別の本を探したい。
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メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1743543055934959718?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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難しかった。 ポピュリストが出てくるその本当の問題を考えなければならない。動かないといけない。ポピュリズムを排斥するのではなく、様々な話を聞くことが現在の多様性(すべての人の自由と平等)に繋がるのではないか。 また、私も半多元的になっていないか。広い視野で見れているかを考えさせら...
難しかった。 ポピュリストが出てくるその本当の問題を考えなければならない。動かないといけない。ポピュリズムを排斥するのではなく、様々な話を聞くことが現在の多様性(すべての人の自由と平等)に繋がるのではないか。 また、私も半多元的になっていないか。広い視野で見れているかを考えさせられる本だったと思う。
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現代の政治を特徴づけているポピュリズムについて分析されている。 これまで明確な定義が与えられていなかったポピュリズムを著者は定義しようと試みる。 民主主義は「人民」を主権者として定める。しかし「人民」はひとりの人間のように単質ではなく、多元的である。したがって、民主主義の特徴は、...
現代の政治を特徴づけているポピュリズムについて分析されている。 これまで明確な定義が与えられていなかったポピュリズムを著者は定義しようと試みる。 民主主義は「人民」を主権者として定める。しかし「人民」はひとりの人間のように単質ではなく、多元的である。したがって、民主主義の特徴は、議会制民主主義による討議にある。そこでは意見の不一致が前提とされ、その不一致を討議することで誰もが納得できる妥協点に導いていくことが理想とされる。 これに対して、ポピュリズムは最初から「人民の同質性」を前提にし、「多元性(多様性)を排除」する。ポピュリストはエリートを攻撃しながら、「われわれこそは人民であり、われわれではない者はそうではない」と主張する。彼らは、「われわれ」に属さないものを潜在的な敵とみなす。その「敵」が、エリートであったり、外国人であったり、移民であったりする。それが嘘であってもかまわない。ポピュリストにとっては、陰謀論が嘘であることが自明でも、それが排斥のための論理として機能すればよいのだから。 ポピュリストは、抽象的人民の「一般意志」(ルソー)が議会制民主主義に阻害されることなく直接的に表現されることを望む。(著者は明言していないが、これはファシズムに近づくだろう。ポピュリズムはファシズムに至る前段階であると言える。) エリートを批判する大衆的な政治運動のすべてをポピュリズムと呼ぶことに著者は反対する。ポピュリズムであるための必要条件はその排他性にある。したがって左翼ポピュリズムは左翼にとっても有望な選択肢ではないことになる。 私見では、ポピュリズムが世界中で流行ったのはインターネットの普及の影響が大きい。SNSはポピュリズムにとって最適のツールとなった。ポピュリストは「マスメディアは嘘をついている」と述べ、SNS上でどのような嘘をつくことができるからだ。トランプの「ポスト・トゥルース」や日本の「ネトウヨ」もSNSの登場と関連させて考えなければならない。
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近頃のニュースで、「ポピュリズム」という言葉を頻繁に見かけるが、ポピュリズムの定義は論者の間で多種多様であり、「新自由主義」という言葉と同じくらい混乱したバズワードであろう。ポピュリズムの定義として、反エリート主義がよく挙げられるが、この定義だと、反移民、反グローバリズムを掲げる...
近頃のニュースで、「ポピュリズム」という言葉を頻繁に見かけるが、ポピュリズムの定義は論者の間で多種多様であり、「新自由主義」という言葉と同じくらい混乱したバズワードであろう。ポピュリズムの定義として、反エリート主義がよく挙げられるが、この定義だと、反移民、反グローバリズムを掲げるヨーロッパの右派政党、ドナルド・トランプからヨーロッパの反緊縮を掲げる左派政党、バーニー・サンダースやオカシオ・コルテスといったアメリカ民主党左派(プログレッシブ派)の政治家まで幅広く含まれてしまうが、筆者のミュラーによればそれは違うと主張している。 この本では、ポピュリズムは、反エリート主義かつ反多元主義であると、明確に定義されている。ポピュリストたちは、「自分たちが、それも自分たちこそが真に人民を代表している」と主張し、既存のエリートたちは腐敗・堕落しており、人民は堕落・腐敗したエリートと対置され、明白に道徳的に優れた存在であると規定する。本書の中盤では、ポピュリストの例として、ベネズエラのチャベス、ポーランドのカチンスキ、トルコのエルドアンといった政治指導者が挙げられている。ミュラーによれば、これらポピュリストたちの統治の特徴は、国家の占拠化、大衆恩顧主義および差別的法治主義、市民社会の体系的な抑圧であるという。 ミュラーは筋金入りの立憲主義的リベラリストである。それだけに、シャルタン・ムフやエルネスト・ラクラウといったポピュリズムを称揚する左派のラディカル・デモクラシー論者たちに手厳しい。彼らの「真の人民の意思」を何よりも第一と考える理論は、ナチスの桂冠法学者カール・シュミットと同じ考えに至るのではないかとミュラーは批判しているが、この点は同意である。 本書を読んで気になった点が一つ。後半において、アメリカ人民党を擁護することで、間接的にサンダースをポピュリストではないと断じているが、本書を読んだ限りは、人民党の中にはポピュリズムにつながりかねない主張が内包していたとしか思えないし、サンダースの経済顧問を務めるステファニーケルトンらが唱える現代貨幣理論(MMT)には、反エリート・反エスタブリッシュ主義、現状の主流派経済学を激烈に批判し、自分たちこそが真の経済理論であるとする反多元主義が内包されており、それらの影響を受けたサンダースも、ポピュリストではないかもしれないが、ポピュリスト的な傾向があると思われる。(なんたって、ケルトンによる著作、The Deficit Mythの副題は、Modern Monetary Theory and the Birth of the People s Economyと、人民ための経済学である)この点が、少々詰めが甘いと感じられた。 翻訳全体の出来は微妙。本文中に括弧付きで文章が挿入されまくっており、正直かなり読みづらかった。もう少しこなれた日本語訳にできたのでは?と思わなくもない。最後に批判めいたことを書いてしまったが、広く読まれた本書はポピュリズムに関する議論の出発点の一つであり、ポピュリズムに興味ある人は読んでおいた方が良いだろう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ポピュリズムという曖昧に用いられがちな言葉を民主主義、とりわけ多元主義の観点から定義した本。結論で簡潔にまとめられているので、途中やや読みづらいところがあっても問題ない。
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ポピュリストの条件は二つ。反エリート主義と反多元主義だ。ポピュリストは道徳的に純粋で完全に統一された人民を想定し、自分たちは彼らの唯一無二の代表であると主張する。ポピュリストにとっては自分たちに反対するいかなる主張も意味をなさず、時に陰謀論を持ち出して感情的に非難する。民主主義的...
ポピュリストの条件は二つ。反エリート主義と反多元主義だ。ポピュリストは道徳的に純粋で完全に統一された人民を想定し、自分たちは彼らの唯一無二の代表であると主張する。ポピュリストにとっては自分たちに反対するいかなる主張も意味をなさず、時に陰謀論を持ち出して感情的に非難する。民主主義的な代表が仮説の形式で代表を主張し、さらなる包摂を求めるための反証を受け入れるのに対し、ポピュリストは自身と人民との完全な同一化を主張し、さらなる包摂を一切認めない。 このようなある種の最終的欲求を主張するポピュリズムは、デリダの「来るべき民主主義」(絶対に完成しないが常に追い求めるべきものとしての民主主義)とも、ロールズの多元主義(p.102)とも反した代表制のガンであり、民主主義の危機である。
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自分だけが真の人民を代表している。 そういう言葉の使い方がポピュリストを特徴づけるという独特の定義により、反エリート主義・反多元主義のポピュリズムについて論じている。 ポピュリストは何を語り、何をするのか。
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ポピュリズムとは何か、ポピュリズムと呼ばれている政治現象のうち本当にポピュリズムと呼ぶに値する条件は何か、を考察した政治理論の書。 純粋なポピュリズムとは何かを規定すること、同時に(著者の考える)本来の民主主義とは区別することに重点があり、 ポピュリズム自体に向き合って探究を進...
ポピュリズムとは何か、ポピュリズムと呼ばれている政治現象のうち本当にポピュリズムと呼ぶに値する条件は何か、を考察した政治理論の書。 純粋なポピュリズムとは何かを規定すること、同時に(著者の考える)本来の民主主義とは区別することに重点があり、 ポピュリズム自体に向き合って探究を進めたというより、政治理論の枠組みの中でポピュリズムを位置付けたという印象を受けた。 たしかに啓発的な議論は興味深いが、それ以上に読みにくかった。 読みにくい理由としては、 各所で触れられる東欧や南米のポピュリズムについて多少の予備知識が要求されること、 他の論者のポピュリズムの捉え方を検討してそれが不十分であると示すことに紙幅を割いていることがあるが、 それ以上に、ポピュリズムを定義することが、著者の考える本来の民主主義を提示することと表裏一体になっているからだと思う。 《概要》 全員が満足するわけではない権威的な決定を行う必要がある政治システムと多元的な社会とを仲介するために、政党と議会は存在する。与党も野党の人民の一部であり、そこで訴えられる声は「我々も人民だ」という多元的な民主主義である。 ポピュリズムは、政治機構や形態以前にそれらを超越する人民を置き、「我々こそ人民だ」と人民の声の唯一の正統な解釈者として振る舞う。
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