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おもちゃ絵芳藤 の商品レビュー

3.8

14件のお客様レビュー

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2022/01/25

才能の話。 時代の変化に着いていける才能、 追随せずに変化しないのも才能。 芳藤、芳年、幾年、暁斎、それぞれに訪れる時代の評価。 文明開花で揺れる時代を生きた浮世絵絵師たちの振舞いや苦悩を通して、才能や評価はその人物が置かれた時代や環境でそれこそ簡単に表裏変わるものだと、創作...

才能の話。 時代の変化に着いていける才能、 追随せずに変化しないのも才能。 芳藤、芳年、幾年、暁斎、それぞれに訪れる時代の評価。 文明開花で揺れる時代を生きた浮世絵絵師たちの振舞いや苦悩を通して、才能や評価はその人物が置かれた時代や環境でそれこそ簡単に表裏変わるものだと、創作に関わる自分としては勇気をもらった一冊だった。

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2020/10/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文句なく五つ星を。 時代は、幕末。大絵師歌川国芳が亡くなった日から始まる。 売れる弟子を何人も輩出させた国芳に、影に日向に、ずっと寄り添うように、「国芳塾」をやってきたのは歌川芳藤。 筆は丁寧だし技術も申し分ないが、華がないという、生意気な弟弟子がいうように、なかなか売れない。 そんな芳藤が、幕末、明治を跨いで、浮世絵の運命を傍観者のように見つめる。 弟子達の人となりを克明に映し出し、丹念に物語を編み出してゆく作者の文才にも唸る。 この本はネタバレさせるには、あまりにつまらない。 ぜひぜひ読んで、この浮世絵の運命を一緒に堪能して欲しく、おすすめしたい。

Posted byブクログ

2019/09/29

時代小説に馴染みはないながら、縁があって読んでみた。図書館に何冊か並んでいたタイトルの中で、読みやすそうなものとしてひとつ、こちらを選択。 主人公もいつか大ブレイクするのではとドキドキしながら読んでいたのが間違いだったが、鬱々とした雰囲気がありながらこの物語自体は凄惨なものではな...

時代小説に馴染みはないながら、縁があって読んでみた。図書館に何冊か並んでいたタイトルの中で、読みやすそうなものとしてひとつ、こちらを選択。 主人公もいつか大ブレイクするのではとドキドキしながら読んでいたのが間違いだったが、鬱々とした雰囲気がありながらこの物語自体は凄惨なものではなく、これから読もうとしている「無惨絵」もちらりと登場したし、とりあえず良しとしたい。

Posted byブクログ

2018/01/19

江戸から明治へ激動の時代を 不器用だけれども一本筋をとをして生き抜いた芳藤 富や名声が欲しいのではなく ましてや誰かと比べるのでもなく ただ絵を描く事が好きなのだと 少し遠回りはしたけど気づく芳藤 あなたの絵はしっかり残っていますよ と教えてあげたいけど それは彼にとってはも...

江戸から明治へ激動の時代を 不器用だけれども一本筋をとをして生き抜いた芳藤 富や名声が欲しいのではなく ましてや誰かと比べるのでもなく ただ絵を描く事が好きなのだと 少し遠回りはしたけど気づく芳藤 あなたの絵はしっかり残っていますよ と教えてあげたいけど それは彼にとってはもはやどうでもいい事 試行錯誤はしたけど道は間違わなかった芳藤 なんだか羨ましい

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2017/10/24

先日国芳を描いた作品を読んだのだが、その流れで今回は弟子の芳藤の物語。 時代が江戸から明治に代わり、版画から活版へ、読売から新聞へ、そして絵は写真に取って変わられるのかという背景の中、芳藤始め芳年、河鍋暁斎など、様々な絵師たちのもがく姿が描かれる。 筆を折って別の生業を探す者、浮...

先日国芳を描いた作品を読んだのだが、その流れで今回は弟子の芳藤の物語。 時代が江戸から明治に代わり、版画から活版へ、読売から新聞へ、そして絵は写真に取って変わられるのかという背景の中、芳藤始め芳年、河鍋暁斎など、様々な絵師たちのもがく姿が描かれる。 筆を折って別の生業を探す者、浮世絵でない新しい絵を描く者、海外から浮世絵の評価を得て注目される者、そんな中、芳藤は愚直に低評価な玩具絵を描き続け、弟弟子たちを思いやる。 テーマは良いのだが、物語の展開や表現が地味で読み進めるのに時間がかかった。 芳藤は決して無名な絵師ではないのでもう少し盛り上げても良かったのでは?と思った。が、当時はこの程度の評価だったのかな。

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2017/10/22

江戸時代末期から激動の明治を生きた歌川国芳の弟子・芳藤の半生を描いた作品。作品は国芳の死後、浮世絵師として生きていくのが難しくなった新時代を、主人公を含め、月岡芳年・河鍋暁斎たち浮世絵師や版元が、どのように生き抜いていくかにスポットを当て描いている。軽いタッチで読むことができる本...

江戸時代末期から激動の明治を生きた歌川国芳の弟子・芳藤の半生を描いた作品。作品は国芳の死後、浮世絵師として生きていくのが難しくなった新時代を、主人公を含め、月岡芳年・河鍋暁斎たち浮世絵師や版元が、どのように生き抜いていくかにスポットを当て描いている。軽いタッチで読むことができる本だが、読み応えのあるいい作品だと思う。

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2017/09/10

他の本に出てくる芳藤のキャラが好きな上に、最近展覧会で芳藤のおもちゃ絵をたくさん見てきたところだったので、とっても楽しみにしていました!芳藤が生きたのは、江戸から明治にかけての激動の時代。浮世絵が流行らなくなり、多くの絵師が筆を折っていく。不器用で、時代に取り残され、それでも芳藤...

他の本に出てくる芳藤のキャラが好きな上に、最近展覧会で芳藤のおもちゃ絵をたくさん見てきたところだったので、とっても楽しみにしていました!芳藤が生きたのは、江戸から明治にかけての激動の時代。浮世絵が流行らなくなり、多くの絵師が筆を折っていく。不器用で、時代に取り残され、それでも芳藤は絵を描くしかない。絵筆を握ったまま死んだ芳艶。版元を裏切って新聞社を立ち上げた幾次郎。狩野派最後の絵師として、死ぬ気で博覧会の絵を描き上げた芳艶。皆が皆、必死で、絵師として生き抜こうとしていた。 とても良かったです。

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2017/09/02

人気絵師になれない葛藤を抱きながら,おもちゃ絵を丁寧に描いて一生を送った歌川芳藤.誠実な人柄で弟弟子や兄弟子の面倒を見,国芳塾を支え,幕末から明治へと変わる時代を不器用に生きた.しっかり名前は残っているよと伝えられるものなら伝えたいです.

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2017/08/09

芳年、芳幾、芳艶、暁斎、清親、、、 歌川芳藤を通した「最後の浮世絵師」たちの群像というべきか。 芳藤にはもう少し早く前向きになってほしかったな。 あんたの名は150年たっても残ってるよ,と言ってあげたくなる。

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2017/07/05

浮世絵師に興味がある 歌川芳藤といえば「子猫を集め大猫にする」の寄せ絵 の浮世絵師ですね。 時代が、幕末から明治にかけての激動期であることにも また興味深い。 歌川国芳、河鍋暁斎、月岡芳年、落合芳幾、小林清親、 実在の絵師たちが作者の想像のフィルターを通して物語を進めていく。その...

浮世絵師に興味がある 歌川芳藤といえば「子猫を集め大猫にする」の寄せ絵 の浮世絵師ですね。 時代が、幕末から明治にかけての激動期であることにも また興味深い。 歌川国芳、河鍋暁斎、月岡芳年、落合芳幾、小林清親、 実在の絵師たちが作者の想像のフィルターを通して物語を進めていく。その人物たちのキャラクター仕立てもまた楽しませてもらいました。

Posted byブクログ