ifの悲劇 の商品レビュー
初読の作家さんです。 先入観という快速列車に乗せられて、違和感と混乱の残像を視界の端に感じつつ疾走。終着駅でご丁寧なアナウンスを受けている感じでした。各駅停車で始発駅まで戻る必要性を感じます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
殺人を犯した直後の行動の違いで、二つの異なるストーリーが同時に描かれる。それぞれのストーリーで切羽詰まった展開が繰り広げられ、やがてそれぞれの終わりを向かえるが…。 些細な違和感も上手く回収してくれているが、構造がややこしいが故に、エピローグの説明してる感が強いのは少しいただけない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
全力で浦賀和宏でした。 帯に「絶対にだまされる!」の文字。騙されないはずがないだろ、この書き方。最初にパラレルワールドの話を持ち出してくるからさぁ! 途中で、「あー、これ、時間がずれてるな」って作者から分からされるところはあるんだけど、「それで、えっと、どう考えればいいんだ?」っていう。ひとりでぶつぶつ呟いて整理しようと思ったけど無理でした。や、この時点ではまだ、パラレルワールドって言葉が脳内に残ってたから、それも踏まえようとしてたんだよ。結局これ、パラレルワールド、まったく関係なかったね! ちくしょう。 面白かったです。昔の浦賀みたいだったね。新本格っぽかった。オチもすごく好き。銀ちゃんのおなか、大丈夫かな。 抜粋は、最後のあたりのリンさんの言葉を持ってきたいんだけど、止めておきます。でもあの言葉、すっごい好き。大好き。そこのためだけにこの話が展開されてるって言ってもいいくらいの価値はあると思う。
Posted by
ストーリーよりもトリックを重視する類のミステリである。帯に「絶対に騙される!」とあるように、一部のトリックに感づいても、人物の関係や殺人の動機等、大半の内容は推測できなかった。そのような意味で、本格ミステリとして見れば良作といえるのだろう。ただ、ストーリーやキャラクタをそれぞれ見...
ストーリーよりもトリックを重視する類のミステリである。帯に「絶対に騙される!」とあるように、一部のトリックに感づいても、人物の関係や殺人の動機等、大半の内容は推測できなかった。そのような意味で、本格ミステリとして見れば良作といえるのだろう。ただ、ストーリーやキャラクタをそれぞれ見た場合はどうか。 論理的で話の筋は通っているが、現実的とは感じなかった。もちろん、創作物、特に本格ミステリにおいては現実性どうのでの批判はお門違いの部類に入ることはわかっている。しかし、現実性度外視のミステリは少なくとも私の好みではない。また設定上、キャラクタを深く掘り下げることはできないため、登場人物の魅力は必然的に低いものになっている。純粋にトリックを楽しむ読者諸氏にはお勧めであるが、起伏のあるストーリーとキャラクタとを求めている層には紹介しないタイプの作品である。 私は読みやすく、起伏のある作品が好きなのだ。ストーリーあってのトリックなのだ。本作は"ifの世界"を交互に描く特殊なフォーマットであったことや、掘り下げられない複数のキャラクタの名前を覚えるのも困難であったことから、尋常でない混乱を伴う読書体験であった。一言でいえば、くたびれた。著者は私の苦手なパズルのような作品を執筆するタイプなのだろうという印象は抱いたが、一作で判断するのも早計である。今後、著者の通常のフォーマットで書かれた作品もチェックしてみようと思う。
Posted by
伏線自体は結構露骨で違和感を覚えながら読み進めていくので正直読みづらかった。ややこしい内容だったからか最後のエピローグで詳しく解説されすぎてて笑いました。 おかげで内容は把握できますが。 よくも悪くも久しぶりに浦賀っぽさを感じた作品だったので個人的には楽しめました。
Posted by