ifの悲劇 の商品レビュー
「もしあの時こうしていたらどうなっていたのだろうか」 ――意味のないことだとはわかっていても、人は取らなかった選択の結末に想いを馳せてしまう。 そこから着想を得て、本書はなんと「Aの場合」「Bの場合」の2つの物語を交互に書こうというのだ。それも「犯人が事件後に目撃者を殺していた...
「もしあの時こうしていたらどうなっていたのだろうか」 ――意味のないことだとはわかっていても、人は取らなかった選択の結末に想いを馳せてしまう。 そこから着想を得て、本書はなんと「Aの場合」「Bの場合」の2つの物語を交互に書こうというのだ。それも「犯人が事件後に目撃者を殺していた場合」と「殺さなかった場合」だというのだから、物騒な話である。 主人公は私怨から人を殺してしまう。用意周到に偽装工作を考え、計画的に殺人を実行したにもかかわらず、帰路の道中で目撃者を「ひき殺してしまう or ひき殺しそうになる」。物語はここからスタートする。 犯人視点で物語が進み、最初の辺りは2つの世界で共通する部分も多いが、段々と違いが目立つようになり、気が付けばまさに「どうしてこんなことに」状態。しかも、そこに行くまでの流れが非常に自然。 何を書いても基本的にネタバレになりそうで怖いが、かなり手の込んだ仕掛けが用意されていることもあり、解答を見てもなかなかに頭が混乱してくる。最後に筆者の手によって時系列順にまとめられているのが唯一の救い。 ただ、描写や表現に若干「ずるいな」と感じるところはあった。
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試みとしては面白いけれど、解決編が分かりにくい。もう一度読み直せば、なるほどここの記述かと腑に落ちるという楽しみ方ががあるのだろうけどそこまでする気は起きないな。
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ん?実際にあった事件の話? 作家、花田欽也は実妹を愛し体の関係を続ける。 しかし妹は勤めている会社の屋上から落ちて死んだ。警察の検証は自殺との事だったが花田は自殺という事に疑問を持ち妹の婚約者奥津に疑いをかけ独自に調べる。 奥津に妹との関係がバレ花田は奥津を殺害する。 奥津の死...
ん?実際にあった事件の話? 作家、花田欽也は実妹を愛し体の関係を続ける。 しかし妹は勤めている会社の屋上から落ちて死んだ。警察の検証は自殺との事だったが花田は自殺という事に疑問を持ち妹の婚約者奥津に疑いをかけ独自に調べる。 奥津に妹との関係がバレ花田は奥津を殺害する。 奥津の死体を車に乗せてどこかに隠しに行こうとする途中、目撃者に出くわした。 その後話がAとBに別れる A目撃者を轢き殺した場合 B目撃者を轢き殺さなかった場合 AとBが順番に続いていく。 初めて読む作家さんでした。 タイトル「if」の通り、もしもこうだったらというAとB別々の話が続いて行きちょっと頭がこんがらがったけどなんとか人物関係を把握できながら読み進める事ができました。 しかし…… 最後は…… えっ? 誰?…… とちんぷんかんぷんで終わってしまった。 うーんと唸りながらあとがき?なるものを読んでいくと人物関係、時間錯誤があらわになり、なーるほどー!と頭のクエスチョンマークも解消され、なんや実際にあった事件の話だったんやと皆さんが書いたレビューを読むと ん? 銀次郎? 誰? 週刊標榜? 何? なんか浦賀さんの小説の中に出てくる人物、週刊誌らしくて、実際にあった話じゃないの?えっ?どっち?とさらにわけがわからなくなりました。おわり「まる」
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主人公すら正しい答えを導き出すことが出来ず、読者のみが真実を知ることになるのかと思いながら読んでいた。パラレルで頭の中が構成されてしまったので、リニアとわかった瞬間、パニックになってしまい自分が一番真実がわからなくなってしまった。
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あまり感心しない出来栄えと言いますか…特に最終章を読んでも驚くようなことはありませんでした…。 ヽ(・ω・)/ズコー なんかやたらと会話文が続いて、登場人物がしっちゃかめっちゃかに交錯するものですから、印象の薄い登場人物とか忘れちゃいますよ!? きちんと頭ん中で整理して読ん...
あまり感心しない出来栄えと言いますか…特に最終章を読んでも驚くようなことはありませんでした…。 ヽ(・ω・)/ズコー なんかやたらと会話文が続いて、登場人物がしっちゃかめっちゃかに交錯するものですから、印象の薄い登場人物とか忘れちゃいますよ!? きちんと頭ん中で整理して読んでいかないと混乱しますねぇ…社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー まあ、それにしてもパラレルワールド?的な構成も組み込みつつ、きちんとミステリ作品に仕上げるんですから浦賀氏も変わったというか…初期の、思春期特有の鬱屈したアレとかはもう無くなった感がありますねぇ…。 「記憶の果て」とか、自分は青春小説として読んでいたきらいがありますから…さようなら。 ヽ(・ω・)/ズコー
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あらすじを見て面白そうなので読んだのだが、、、。仮定AとBが交互にあり、非常に違和感を感じつつ読み進め、最後がっくり。私的にはかなりアンフェア。
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「パラレルワールドをテーマにした小説を書きたいんです」 (加納) 犯行直後に目撃者を殺してしまった場合と目撃者を殺さなかった場合の2パターンで交互に話が進んでいく。後半からどっちがどっちの話か少し難しくなった。最後のエピローグでまとめがあるが…読み返したらまたスッキリするのかも...
「パラレルワールドをテーマにした小説を書きたいんです」 (加納) 犯行直後に目撃者を殺してしまった場合と目撃者を殺さなかった場合の2パターンで交互に話が進んでいく。後半からどっちがどっちの話か少し難しくなった。最後のエピローグでまとめがあるが…読み返したらまたスッキリするのかも。
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「もしもあのとき...」で分岐する二つのマーダーケース。 復讐を計画した男がアリバイトリックの最中に (A.目撃者を殺してしまう) (B.目撃者を殺さずに済んだ)。 どんどん乖離が目立ってくる二つのシチュエーションが着地点を想像させ、ifの世界に連れていく。
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AB2つのIF話が交互に描かれる物語。 『彼女の倖せを祈れない』『彼女の血が溶けてゆく』で主役だったフリーライター・銀次郎が中盤以降登場する。 <あらすじ> 小説家の加納は、愛する妹・彩の自殺に疑惑を感じていた。 そして調査により、妹の婚約者で会社の同僚の奥津が、会社の同僚たちに加納と妹は肉体関係があると風潮したことが判明。 妹はそれを苦に自殺したと判断した加納は奥津を殺害。 その偽装工作を終えて家へ帰ろうとした時、加納の運転する車の目の前に突如男性が現れて、、、、、。 ここから物語は2つに分岐する。 A・・・男性をひき殺してしまった場合 B・・・男性を轢かずに済んだ場合 AB2つの話が交互に進む Aの場合 加納はひき殺した男性・猪澤の死体を隠し、奥津殺害事件を捜査する警察からも逃げ切ることに成功。 しかも猪澤は奥津を恐喝していたらしく、行方不明扱いとなった猪澤は奥津殺害の容疑者として指名手配される。 Bの場合 奥津殺害現場近くで猪澤に目撃されてしまった加納は、そのことをネタに猪澤から脅迫される日々が続く中、 フリーライター・銀次郎も現れ、彩の事件の真実が見えてくる。 <オチ> エピローグは銀次郎の記事として真相が語られる。 IFの世界のように語られたABの話。 実はAの話の30年後の話がBだった。
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