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太陽と月の大地 の商品レビュー

3.5

29件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2026/03/01

グラナダが舞台と知り、ギター曲「アルハンブラの思い出」の悲しい調べが今にも聴こえてきそうでした。 モリスコ(キリスト教に改宗したイスラム教徒)の農夫の息子エルナンドと、キリスト教徒の伯爵の娘マリアの悲恋が描かれています。私はスペインの宗教上の変遷に興味を持ちました。 800年続...

グラナダが舞台と知り、ギター曲「アルハンブラの思い出」の悲しい調べが今にも聴こえてきそうでした。 モリスコ(キリスト教に改宗したイスラム教徒)の農夫の息子エルナンドと、キリスト教徒の伯爵の娘マリアの悲恋が描かれています。私はスペインの宗教上の変遷に興味を持ちました。 800年続いた「レコンキスタ」 1492年にナスル朝の王都グラナダが陥落。最後の王が丘から町を振り返ったと言われる「ボアブディルの涙」の話も上手くストーリーに加えられていました。 「宗教や民族の対立で奪われたかけがえのないものは二度と戻ってこない」 「人々がたがいに違いを認め合い、相手と自分の共通点に目を向けること」が大切だと、著者の強い思いを感じることができました。  亡くなる間際、ディエゴは懐かしい友ドン・ゴンサロ少年と見たアフリカの海、そしてグラナダの海を思い出します。 銅版画で描かれた繊細な絵を眺めながら二人の強い絆と世界は広い海で繋がっているのだとあらためて気づかされました。 

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2026/02/25

16世紀スペインで、キリスト教徒から迫害され追放されたモリスコ(キリスト教への改宗を強制されたイスラム教徒)を描いた児童書。 その当時の状況が鮮明に描かれており、子どもにもわかりやすい。 ただ、ページ数が少なく、主人公たちの悲恋も事実の羅列のように描かれているため、感情移入できな...

16世紀スペインで、キリスト教徒から迫害され追放されたモリスコ(キリスト教への改宗を強制されたイスラム教徒)を描いた児童書。 その当時の状況が鮮明に描かれており、子どもにもわかりやすい。 ただ、ページ数が少なく、主人公たちの悲恋も事実の羅列のように描かれているため、感情移入できなかった。

Posted byブクログ

2026/02/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宗教が絡むと戦争は激しくなるような気がする。 スペインのグラナダを舞台にキリスト教とイスラム教の信者同士が激しく戦った時代があった。 グラナダに住むイスラム教徒たちは、1500年の反乱ののち、改宗か国を出ていくかの選択をせまられ、表面上だけの改宗をするものも多かった。彼らはモリスコと呼ばれた。名前も変えた。1611年に追放されるまで、どうにか共存していたが、結局はキリスト教徒たちが勝った。 その時代の悲恋の物語。主人公は大農家の息子エルナンドと領主の娘マリアは、戦いに巻き込まれていき、残酷な結末が待っていた。 同じ人間なのにどうしてお互いを認め合えないのか。誰も幸せにならないのに。 世界史で学んだレコンキスタとはこういう事だったのか、と今さらながらわかった。 宗教は人々の心を支え、素晴らしい芸術作品や建築物も作り上げる動機となるが、戦争の原因ともなる。難しいな。

Posted byブクログ

2025/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

◼️コンチャ・ロペス=ナルバエス 「太陽と月の大地」 スペイン南西の端、グラナダ。モリスコたち、キリスト教徒たちの歴史的摩擦。 かつて歴史の授業で、グラナダにはイスラム王朝があり、キリスト教勢力が1492年にレコンキスタ(国土回復運動)を成し遂げた、と習った。日本語訳は正確じゃないな、なんて思う。 レコンキスタによりモーロと呼ばれたイスラム教徒は去るかキリスト教徒に改宗するかの二者択一を迫られた。改宗した元イスラム教徒はモリスコ、と呼ばれ、キリスト教徒の支配に服した。多くのモーロはまた、対岸、数10キロを隔てて向かい合うアフリカ大陸へと渡った。この物語はレコンキスタ間もない頃の、哀しい物語ー。 グラナダでモリスコとして生活している老ディエゴ・ディアスは古くから親交のあったキリスト教徒の貴族、アルベーニャ伯爵とその一家が当地の城で夏を過ごす間、仕えている。伯爵はディエゴ・ディアスに敬意を払ってくれ、伯爵の娘で17歳のマリアは滞在中、老モリスコの孫であるフェルナンドといつも連れ立って出掛けていた。 しかし伯爵の息子やフェルナンドの父フランシスコ、兄のミゲルには互いへの憎悪がくすぶっていた。やがてミゲルは横暴な貴族と諍いとなって短剣で刺してしまい、山へと逃亡する。やがてモリスコたちの蜂起が起きるー。 やはり日本にいると、文化が混ざり合う場所にはちょっとした憧れと、根源的な畏怖がある。我々自身のアイデンティティにはおそらく入ってこない現実の摩擦や苦悩、悲劇がそこにはある。融合もあるだろう。そこには知りたいという意識も生まれる。 その中で、教科書で読んだ時から、宗教が接している場合の摩擦と成り行きを想像したグラナダ、その物語に出逢った。 やがてディエゴ・ディアス家は大切なものを全て失い、フランシスコとフェルナンドは奴隷となり、伯爵の好意で買い取られる。しかし傷つけられた心は癒えず、やがて迫害のない、対岸のアフリカ、いまのモロッコへと渡り、フェルナンドとマリアは相手の街を見やりながら手紙を送り合い、それぞれの運命を生きることとなる。 歴史に根ざした、スペインを代表する児童文学作家の初期作品。 先祖の土地に住むことを選び、現状を受け入れたディエゴ・ディアスは現伯爵の先代と深い絆で繋がっていた。過激な考え方に追い込まれたミゲル、その父フランシスコも煮え切らない感情を抱き、フェルナンドはマリアを想い、ミゲル以外の者は反乱軍に与しない。母アナはキリスト教徒で、モリスコたちに囲まれて不安な毎日を過ごしている。非常に複雑だ。 ディエゴ・ディアスがいまわのきわ、少年時代の先代伯爵と自分のことを思い出す。ラマダン明けのお祝いのお菓子を2人とも食べすぎたこと、グラナダからアフリカを望む海を眺めている光景ー。近そうで遠い、遠いその距離と喪失感。 興味ある題材。当のスペインの作品に触れられた。私はゴールデンウイークには例年のごとくイスラーム映画祭に行くつもりである。そこでまた文化と宗教と現代のはざまに触れるのが、楽しみでもある。

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2022/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

15世紀のスペインではイスラム教を排斥する運動が始まっていた。グラナダを舞台とするイスラムの一族とキリスト教の一族は宗教こそ違え、仲睦まじく暮らしていた。登場人物は元イスラム教でキリスト教に改修したモリスコと呼ばれるディアス一族とキリスト教のペドロ一族の物語。キリスト教徒の暴行をディアスの若者が咎め、そのことで街をおわれ山賊になる。今度は山賊につかまったディアス一族の若者を山賊の一味となっていた若者が助けと、二つの家族が反目する状況下で密かに助け合う。  しかし、時代は明らかに反対イスラム、惹かれ合う、キリスト教の娘とモリスコの若者との恋は成就しないのであった。  時代はトルコでスレイマン皇帝がいたころの時代。スペインは約800年続いたイスラムが終焉する時代である。700年もイスラムがいたのによく押し返したなという感じだ。  松本里美さんの銅版画のイラストもよい。

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2021/09/10

史実に基づいた歴史小説とのこと。キリスト教やイスラム教のことがわかっていればもっときちんと読み解けるのだろうか。

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2021/03/19

15世紀スペインで、幼なじみのキリスト教徒のマリアとイスラム教徒のエルナンド、そして二人の家族のたどった悲しい歴史の物語。 親の代から親しくしていた両家だったが、宗教の違いとその争いのために命を落としたり、負けて奴隷として売られたりしてしまう。結局二人は別の国で違う生き方をしなけ...

15世紀スペインで、幼なじみのキリスト教徒のマリアとイスラム教徒のエルナンド、そして二人の家族のたどった悲しい歴史の物語。 親の代から親しくしていた両家だったが、宗教の違いとその争いのために命を落としたり、負けて奴隷として売られたりしてしまう。結局二人は別の国で違う生き方をしなければならなかった。 キリスト教とイスラム教という深い対立を描いているが、日本人にはなかなか理解でかない。きっかけになれば良いのか。

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2022/04/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・イベリア半島はかつてイスラム帝国の支配下にあったが、形勢逆転に伴いイスラム教徒からキリスト教に転向した「モリスコ」と呼ばれる人びとがいた。主人公であるモリスコの少年は、彼らに理解のある領主の元で比較的平穏な暮らしをしていたが、次第にキリスト教の優勢が確定的になると共存・融和的な空気から強制・差別・弾圧へと向かう。 ・主人公と領主の娘は深い親愛の情で結ばれていたが、立場の違いが生むギャップは埋めることができず、主人公は一族が育った土地を去る事になる ・語り口が素晴らしい。

Posted byブクログ

2020/12/11

スペインの歴史について興味があったので、それを知る上では興味深かったが、物語としては、面白みが物足りなかった。 宗教によって、人と人が争い、排斥が起こる。スペインでも、こういうことだったのだな、と思う。 高い山から見下ろせば、人間である、というだけだというのに。

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2020/05/20

16世紀スペインで起こったキリスト教とイスラム教の争いを舞台にした物語。 それまでイスラム教徒が支配していたスペインのグラナダを、キリスト教勢力が制圧した。はじめはそれぞれの文化や宗教を保ちながら共に暮らしていたが、次第にキリスト教側が権力に乗じてイスラム教側に無理解な態度を取る...

16世紀スペインで起こったキリスト教とイスラム教の争いを舞台にした物語。 それまでイスラム教徒が支配していたスペインのグラナダを、キリスト教勢力が制圧した。はじめはそれぞれの文化や宗教を保ちながら共に暮らしていたが、次第にキリスト教側が権力に乗じてイスラム教側に無理解な態度を取るようになる。それに対しイスラム教徒は反乱を起こすが、ついにキリスト教への改宗か国外退去の選択を迫られることになる。 史実を元にしながら、そこにキリスト教側の権力者の娘とイスラム教側の若者を投影させることで、現代人にも感情移入して読めるようになっています。 遠い国の遠い時代の物語。でも異なる文化を力で支配しようとすることで起こる悲劇は、時代も国も問わないものでしょう。 文化や宗教を越えた友情を築いた懐かしい過去、幼なじみであり恋仲となった二人の未来、それらを壊したのは何だったのか。 多様性が求められる今だからこそ必要なものを考えさせられる物語でした。

Posted byブクログ