黄砂の籠城(下) の商品レビュー
柴五郎の言葉が心に突き刺さってくる。 個人の基礎能力の育て方により、人間性を形成してゆき、瞬時の行動を作り出す。 基礎能力の育成は育った生活環境であったり、指導であったりする。それは、基礎能力による読み書き、計算など当然に備わっている能力があり。親切で真面目で勤勉で信頼ができ気配...
柴五郎の言葉が心に突き刺さってくる。 個人の基礎能力の育て方により、人間性を形成してゆき、瞬時の行動を作り出す。 基礎能力の育成は育った生活環境であったり、指導であったりする。それは、基礎能力による読み書き、計算など当然に備わっている能力があり。親切で真面目で勤勉で信頼ができ気配りがきいていることにつながる。 ラブロフがつぶやいた。「お前らとは戦争したくない」 「俺もだよ」桜井は震える声でいった。「そんな馬鹿なことになるはずがない。そう信じている」 「お前をどう憎めばいいかわからん。親切で、真面目で、勤勉で、信頼できて、気配りができて、低姿勢だ。ロシア人はひとつもない」 「そんなことはない」 「いや。お前らは立派だよ。ほかの誰よりも」 君らは何が正しくて何が間違っているか、客観的に取捨選択ができる。なにごともきちんと取り決め実行に移す。君たちの本質は正道にあると思う。 きみに学ぶ素質あったからだ。学ぶ素質があったのは、日本人だからだ。
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読んでいて先が気になるがなかなか進めない。 籠城の場面の展開が遅く感じる。 ある意味籠城の辛さが伝わりもする。 徐々に陣地が狭くなり、物資や兵士も少なくなっていく展開は読んでいて何とも言えない暗い気持ちになる。 その影響か援軍が到着し状況が一気に反転してもスカッとした気持ちにはな...
読んでいて先が気になるがなかなか進めない。 籠城の場面の展開が遅く感じる。 ある意味籠城の辛さが伝わりもする。 徐々に陣地が狭くなり、物資や兵士も少なくなっていく展開は読んでいて何とも言えない暗い気持ちになる。 その影響か援軍が到着し状況が一気に反転してもスカッとした気持ちにはなれず、如何にか守れたんだという思いになる。 下巻は柴中佐の聡明さより、櫻井伍長の成長が伝わってくる感じがした。 少し欲を言えば物語の最初であった現在の北京の話に再度絡ませてもらうと面白みが増すような気がする。
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陸軍士官学校第3期の柴の同期には、秋山好古大将がいる。 1899年(明治32年)10月の陸軍中佐進級。1900年(明治33年)3月、清国公使館附を命ぜられる。同5月、義和団の乱。1907年(明治40年)11月、陸軍少将に進級。1912年(大正元年)9月、重砲兵第1旅団長。翌191...
陸軍士官学校第3期の柴の同期には、秋山好古大将がいる。 1899年(明治32年)10月の陸軍中佐進級。1900年(明治33年)3月、清国公使館附を命ぜられる。同5月、義和団の乱。1907年(明治40年)11月、陸軍少将に進級。1912年(大正元年)9月、重砲兵第1旅団長。翌1913年(大正2年)8月陸軍中将に進級。1914年(大正3年)5月、第12師団長に昇進。1919年(大正8年)8月、陸軍大将に進級する。同年11月、台湾軍司令官に進み、1921年(大正10年)5月の軍事参議官を経て1922年(大正11年)11月より待命、翌年3月に予備役被仰付となり、1930年(昭和5年)4月に退役。1945年(昭和20年)、太平洋戦争敗戦後に身辺の整理を始め9月15日に自決を図る。墓所は会津若松市・恵倫寺。
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下巻は一気読み。 スパイは誰なのか、さきごまで焦らされたり、この状況下の中でこそ芽生えた信頼に胸を熱くし、最後の杉山さんのご遺体の手の中にあったものに切なくなり。 こんな歴史的事件があったことも知らなかったので、それも踏まえていい勉強になりました。 2018.3.14
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上巻から少し時間が経っての下巻。 上巻のレビューにも書きましたが、無知な私はこんな歴史があった事も知らず、全て初めて知ることばかり。 確かにここで書かれている日本人は凛としていて賞賛されるのも頷ける、とは思うのですが 敵国から見たらどうなのでしょうか。 人を傷付けることを前提と...
上巻から少し時間が経っての下巻。 上巻のレビューにも書きましたが、無知な私はこんな歴史があった事も知らず、全て初めて知ることばかり。 確かにここで書かれている日本人は凛としていて賞賛されるのも頷ける、とは思うのですが 敵国から見たらどうなのでしょうか。 人を傷付けることを前提とした戦争で、善悪を問うことがそもそもナンセンスな気も。 松岡圭吾の新たな一面を見た一冊。
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義和団事件の中、国際舞台での日本の活躍を描いた作品。日本人の美徳というか、そういう精神を描きたかったのだとは思うけど…いかんせん文体が冗長的というか、淡々と描かれることに緊張感をあまり感じない文体。 内容は悪くないけど何とも読後スッキリはしない。
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迫りくる義和団の狂気に対抗して日本人が作った即席爆弾が痛快。医師の不審死が続き、内通者がだれかわからず援軍がなかなか見込めない中、徐々に狭められていく味方の陣地にはらはらしてしまった。柴中佐の冷静沈着、頭脳明晰なリーダーシップ。伍長櫻井がラヴロフを含めた仲間との秘密の作戦をやり遂げた勇気と闘志。読むことをやめることができず一気に読んでしまった。おもしろかった。
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紅巾族とか義和団とか、歴史の授業ではさらっと流されていく話が、具体的に誰がどんな思惑で?と教えて頂けて勉強になりました。 ただ、小説として面白いのか?と言えば疑問ですが。 アクションもの・戦争もので迫力は満点です。 読後に、んーだから・・・?という気分にはなります。 清が滅びる一...
紅巾族とか義和団とか、歴史の授業ではさらっと流されていく話が、具体的に誰がどんな思惑で?と教えて頂けて勉強になりました。 ただ、小説として面白いのか?と言えば疑問ですが。 アクションもの・戦争もので迫力は満点です。 読後に、んーだから・・・?という気分にはなります。 清が滅びる一歩手前の、関連はないともいえないけど部分的なことですね。
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※このレビューにはネタバレを含みます
上巻より厳しくなっていく戦況。籠城のタイトル通り、敵に囲まれた中で日本人としての誇りを胸に戦う人たちに心を打たれました。 義和団がどこまでも無機質な感じで、ゲームの中のゾンビのような扱いです。そこに感情など入れないことが、割り切っているというか怖いと感じました。
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どうやら、この小説あたりから、ずっと歴史モノ近代史?が続くみたい。 上巻でリタイアしたので、当然ながら下巻は読んでない。 どうしちゃったんだろう。松岡圭祐さん。。。 好きだった松岡圭祐の小説が変わっていく。。。
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