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組織の不条理 の商品レビュー

3.8

35件のお客様レビュー

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2025/03/23

佐藤優さんと池上彰さんが絶賛していた本。日本軍の失敗を新制度派経済学の取引コスト理論とエージェンシー理論、所有権理論を用いて説明している。つまり、人間は合理的に不正を行い、非効率を追求する可能性があるという事を多くの事例を挙げて解説している。 ガダルカナル戦とインパール作戦は非合...

佐藤優さんと池上彰さんが絶賛していた本。日本軍の失敗を新制度派経済学の取引コスト理論とエージェンシー理論、所有権理論を用いて説明している。つまり、人間は合理的に不正を行い、非効率を追求する可能性があるという事を多くの事例を挙げて解説している。 ガダルカナル戦とインパール作戦は非合理の中に合理性があり、ジャワ軍政と硫黄島・沖縄戦は合理性と効率性が一致していると主張している。 この理論を現代の会社にあてはめて、シャープや東芝の失敗事例と、京セラや味の素の成功事例などを解説しているのが興味深かった。組織が不条理を回避するためには、人間は限定合理的であり、常に誤りうることを自覚することが大事で、絶えず非効率や不正を排除するような流れを作る批判的合理的構造を持つ事が重要である。

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2025/03/21

本書は、第二次世界大戦における日本軍の失敗事例を3つの経済学理論(取引コスト、エージェンシー、所有権)に基づいて「組織の不条理による失敗」であることを説明し、同様の現象が現代の企業活動の中でも発生して、事業の失敗や不祥事がもたらさらることを解説している。 ガダルカナル戦をはじめ...

本書は、第二次世界大戦における日本軍の失敗事例を3つの経済学理論(取引コスト、エージェンシー、所有権)に基づいて「組織の不条理による失敗」であることを説明し、同様の現象が現代の企業活動の中でも発生して、事業の失敗や不祥事がもたらさらることを解説している。 ガダルカナル戦をはじめ当時の戦略や作戦状況が解説されている軍事史の側面だけでなく、現代企業の失敗事例の紹介というビジネス書の側面も併せ持った書籍であり興味深かった。 自分の仕事経験からも、数値目標に繋がらなければ意味がないという「勝利主義」の考えや、社内調整の「取引コスト」を無意識で計算して、部分合理の意思決定に流されてしまう覚えがあり、耳が痛い部分もあった。 今後は以下の3つを仕事における行動として取り込む。 ①批判的議論を受け入れる姿勢を発信して自分への取引コストを下げる。 ②正しい行動、誠実さを評価軸とした判断をする。 ③不明確な無責任状態を作らない。

Posted byブクログ

2024/12/15

組織は合理的に失敗する。 非合理な精神主義がガダルカナル戦やインパール作戦の悲惨な結果を招いたとする従来の考え方を進めて、人間は限定的な情報や経験の中で合理的に判断する生き物で、その結果合理的に失敗するものであるという分析。 人の失敗(先の戦争であれ、現代の政治家であれ、自分の会...

組織は合理的に失敗する。 非合理な精神主義がガダルカナル戦やインパール作戦の悲惨な結果を招いたとする従来の考え方を進めて、人間は限定的な情報や経験の中で合理的に判断する生き物で、その結果合理的に失敗するものであるという分析。 人の失敗(先の戦争であれ、現代の政治家であれ、自分の会社であれ)に対し、まるで自分は過ちを犯さないといった態度で安易に批判する人に対して違和感を抱いてた理由がはっきりした。つまり自分を完全合理的と思ってる人であり、まさに合理的に失敗するタイプの人である。 また、文庫版のあとがきは示唆に富む。限定合理性の罠に陥らないために、カントもドラッカーも小林秀雄も同じことを言っており、客観的な損得勘定ではなく、自分の主観意思で判断する事だという。 つまり「覚悟を持って正しいと思う事をする」に帰結し、一瞬すっと腹に落ちたような気がしたが、その後すぐに疑問が。牟田口中将は正しいと思って覚悟をもっていなかったのか?と。 やはり主観は危険。 どこまで行っても人間は限定合理性の罠からは抜け出せない事を認識する事だけが唯一の道だと思う。

Posted byブクログ

2024/09/01

これはおもしろい!「失敗の本質」を読みながら、とはいえ当時の日本軍や日本政府にも「止むに止まれぬ事情があったからそうなっちゃったんじゃないか」と思っていたが、それを新制度派の考えで読み解くと「止むに止まれぬ事情」が理解できてくる。 じゃー、あのときどうすればよかったのか、につい...

これはおもしろい!「失敗の本質」を読みながら、とはいえ当時の日本軍や日本政府にも「止むに止まれぬ事情があったからそうなっちゃったんじゃないか」と思っていたが、それを新制度派の考えで読み解くと「止むに止まれぬ事情」が理解できてくる。 じゃー、あのときどうすればよかったのか、についても執拗なほどに事例が挙げられており、著者の不条理問題解決に対する執念が感じられる。会社経営者としてしっかり咀嚼し、生き生きとした組織づくりに活かしていきたい。 —— 取引コスト理論: 転身が必要な場合の取引コスト  ✖️ガナルカナル  ✖️太平洋戦争開戦  人間関係、埋没コスト、駆け引き、トラブル、摩擦、 事前調査、弁護士雇用、契約書締結  市場経済の結果は歴史的経路に依存、歴史的不可逆性、既得権益・デファクトスタンダード側からの反発、反発に対応するコミュニケーション、  利己的利益最大化、機会主義  取引コスト最小化に向けて動く →取引コスト最小化に向けて意思決定する →結果として、非効率な状態を選びうる  わずかな勝利の可能性に賭けたり。 対策:①信頼できるものが集まって組織を形成=別会社を垂直統合、集権型組織から現地分権型組織へ、権限委譲(事業部制) ②罰則など、さまざまな制度 ③会話量増加(今村式 懇談と雑談による調整) ④management by walking around ⑤下層部への権限委譲 ⑥外部者にとっては取引コストは小さい。反発をものともしない。=カルロスゴーン、私。   エージェンシー理論:  ✖️インパール 中牟田中将だけでなく、東郷も政治的に何かの行動を必要としていた  利害不一致、ルーティーンでない新しい局面、情勢が大きく変化した時に表面化する  情報の非対称性   曖昧な状況  モラルハザードが起きやすい:人はサボる、ズルをする  アドバースセレクションが起きやすい:利己的な政治的な利益のために非効率を掲げる人という人が残る可能性 非効率で非倫理的な人が残る現象 対策:毅然とした倫理規定、モニタリング制度、罰則、情報公開制度、スクリーニング 所有権理論  リソースを使った結果が誰にも帰属しない  メリット/デメリットの外部性  →マイナスの外部性 例 ✖️公害    非効率を続ける  →+の外部性 維持されない     対策 内部化する 例 ◯今村均のジャワ島統治  ◯アメーバ経営  ◯後期の奴隷制、奴隷の厚遇  ◯美容院の独立支援制度  ◯部下の功績とする、部下の主体性尊重 危機感の中で、組織はようやく変わる ♯組織構成員の7割がやばいと認識した時に変われる ♯ガナルカナルとインパールと原爆は必要なのかも。。 背景 過去の勝利体験へのこだわり ドグマによる洗脳 総合改善策 非合理前提の組織を作る 批判的合理的構造が必要  絶えず非効率や不正を見つけ、それを排除する流れ=散逸構造 常にゆらぎの状態を許容する、セカンドベストを許容する 未来に対して開かれた状態 失敗を語る組織 変化を当然とする組織 常識を疑う 混血化、雑草化   漸次工学、だんだんよくしていく 試行錯誤する 小さいチャンスは案外多い、繋ぎ合わせるとビッグチャンスになる

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2024/03/21

2009年出版の「組織は合理的に失敗する」を改題して2017年の出版されたのが本書。日本軍の「失敗」を単にその不合理性に求めるのではなく、最新の経済理論に基づいて組織が「合理的に失敗する」仕組みについて考察している。改題された本書では、はじめと最後に「不条理」と何かなどの定義だと...

2009年出版の「組織は合理的に失敗する」を改題して2017年の出版されたのが本書。日本軍の「失敗」を単にその不合理性に求めるのではなく、最新の経済理論に基づいて組織が「合理的に失敗する」仕組みについて考察している。改題された本書では、はじめと最後に「不条理」と何かなどの定義だとか、最新の組織の失敗事例に関する考察だとかを加えられていて、正直、この加筆された部分のみを読んでも良いかと思った。 人間は完全に合理的な生き物ではなく、得られる情報も限られていてその合理性は限定的である。自分や周囲にとって合理的な行動が、組織全体の合理性とはならない。仮に全体を最適化することが理解できても、そのための取引コストが得られる利益を超えれば、とりあえず不合理なままであることが合理的になってしまう。物性理論で言えば、自由エネルギー最小の状態に向かおうとしても周囲の障壁によるローカルミニマにとどまってしまうということか。 変化の激しい時代、組織を大きく変えようとするときは必ずこのコストも考慮して進める必要があるし、平時から組織内の取引コストが小さい状態を作り出しておく必要があるのだろう。そもそも組織だとかコミュニティーを作るのは、信頼関係を気づいて取引コストを小さくするためなわけで、組織内の横の繋がりを断ち、競争を煽るようなシステムを構築するのは愚の骨頂なのかもしれない。

Posted byブクログ

2024/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・新制度派経済学:取引コスト理論、エージェンシー理論、所有権理論 ・取引コスト:QWERTYキーボード ・われわれは不可逆的な状況に置かれていても、依然として未来は非決定的で開かれているのである ・非効率発見ー>新しい制度形成のコスト>新しい制度形成のメリットー>組織は既存の不正で非効率な制度を維持することが合理的ー>非効率と不正は増加ー>組織の淘汰 ・開かれた組織(批判的合理的構造)<>勝利主義、権威主義、全体主義 ・漸次工学的アプローチ ・自由人のための組織 ・積極的に自由を行使し、価値判断して「正しい」と思う新製品あるいは「好きだ」と思うビジネスを能動的に展開する。 ・大和心とマネジメント

Posted byブクログ

2023/07/08

学者先生の論文的な本なので、かっちりした構成で、不条理の理論的説明、事例検討、考察(不条理の生成メカニズム、その解決案)という順番に書かれている。 最初の理論的説明は堅苦しく読みづらい。事例検討は正しい分析だと思うが迂遠。さらに不条理、条理のまとめへと進むが、ここも重複が多く読...

学者先生の論文的な本なので、かっちりした構成で、不条理の理論的説明、事例検討、考察(不条理の生成メカニズム、その解決案)という順番に書かれている。 最初の理論的説明は堅苦しく読みづらい。事例検討は正しい分析だと思うが迂遠。さらに不条理、条理のまとめへと進むが、ここも重複が多く読みづらい。それだけでなく、この章は企業事例が古い(著者もあとがきで弁明している)。ここまで読み進んでも解決案はまだ示されず、フラストレーションは溜まるばかりである。 それでも終章間際にようやく著者から結論が提示される。どんな内容かは、読んでのお楽しみ(ヒント:批判的態度、漸次工学)。まあただ、そのような健全な批判を受け入れることのできる組織はそもそも無謀な戦争を起こさないし、インパールのあの状況で牟田口廉也や河辺正三をどのように無効化すれば良いのかという答えは示されずじまい。 理論と分析は正論で、まさにその通りなのだが、何ともすっきりしない読後感。事態がある程度の段階にまで進行してしまうと、もはやどうにも止められないという、身も蓋もない教訓しか得られない。これじゃ、インパールはまた起きるし、原爆もまた落ちてしまう。 さらに本当の最後まで読み進めると・・(ネタばれなので削除)・・まあこの辺りに期待したくなる気持ちもわかるけど、これで社会的コストをカットできると考えるのは少々楽観的過ぎる気もする。 それにしても、一番大事な考察は中公文庫版のあとがきというサプライズ。前半の堅苦しさと後半の冗長さに邪魔されて、総じて読みにくい本だったが、示唆深い内容と切り口で、辛抱して読む価値のある本ではある。著者が防大の教授をしていた頃は、後々の補足説明もなく、さらに解りにくかっただろうから、当時の学生や教官にはほとんど理解してもらえなかったんじゃなかろうかと推察する。今の世なら、理論を数理モデル化することまでできるかもしれない。それができれば、国防だけでなく企業経営や制度設計に於いても恩恵は大きいだろう。

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2023/03/08

自分には難解な内容だったけどどうにか読み切る事ができた。 この手の本は一字一句吟味しながら2〜3回読み返すべき類のものかもしれない。 まあ、機会があったら。

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2023/02/07

菊澤先生の経済理論をしっかり勉強して臨むべきでした。陸軍、海軍の失敗と失敗のなかでの成功、経済理論での分析、相当大変な作業かと思いました。

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2022/10/14

論旨は明確で、人間の理性は限られており、全知全能でない以上、集権型より分権型の方が組織として進歩するということ。太平洋戦争の代表的な戦いと企業が例示されている。 それはハイエクが社会主義経済に対して言ったことで新味はない。 経済活動はそうだろうが、組織であればある程度の統一化は必...

論旨は明確で、人間の理性は限られており、全知全能でない以上、集権型より分権型の方が組織として進歩するということ。太平洋戦争の代表的な戦いと企業が例示されている。 それはハイエクが社会主義経済に対して言ったことで新味はない。 経済活動はそうだろうが、組織であればある程度の統一化は必要。 全ての活動を独裁するのが無理なことは、全てを社員一人ひとりに委ねるのが無理なことと同じ。 要はその間をどうするかが問題だが、そこは何も答えていない。 意思疎通が円滑になれば中央の統制も聞きやすいが、そういった軍隊のほうが小隊ごとでバラバラの軍より強いことは明らか。 もう少し詰めた議論をしてほしかった。

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