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コードネーム・ヴェリティ の商品レビュー

3.4

32件のお客様レビュー

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2017/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第二次大戦中を舞台にしたミステリ。 時代背景を考えると、女性が主人公というのは珍しい。ただ、ミステリというよりは一般文芸に近い印象を受けた。 他の著作も邦訳されれば読んでみたい。

Posted byブクログ

2017/04/07

第二次世界大戦中、イギリス特殊作戦執行部員の女性スパイがナチスに捕虜となった。彼女はイギリスに関する情報を手記とすることを強要される。 その手記には親友であるマディのことが丁寧に綴られていた。 こういう物語で、前半は彼女の記した手記がつづく。 何故彼女は、手記を小説のような形に...

第二次世界大戦中、イギリス特殊作戦執行部員の女性スパイがナチスに捕虜となった。彼女はイギリスに関する情報を手記とすることを強要される。 その手記には親友であるマディのことが丁寧に綴られていた。 こういう物語で、前半は彼女の記した手記がつづく。 何故彼女は、手記を小説のような形にしたのか。 わたしは戦争の特にナチスを扱ったものは見つけたら読むほうなので、今回作品の存在を知って、読みたくて堪らなかった。 この作品では、手記の部分が大変長い。また、手記に挿まれるように捕虜としての生活を窺わせる内容も記されている。 長い手記が、全て真実なのか空想なのかわからないまま読み進めていく。そのためなんとも心許ないまま物語は進む。 長い手記のあと二部が始まり、物語の全貌が見えてくる。 そうなると彼女がどんな思いでこの手記を綴っていたのかと思い、物語の途中であるのに手記を読み返したくなる。 最後まで読むと、勿論手記のはじめから読み返してしまう。 物語が非常に丁寧に綴られており、情景が目に浮かぶようだ。そこは素晴らしい。 ただ、この作家の文章自体なのか翻訳の文章のためか、わたしには手記の部分が少し読みにくい。文章のリズムが合わないというか、単純に好みの問題だとは思う。 それでも、戦争でなければ出会うこともなかったふたりが友情を深めていく様が、とても上手く描かれていた。静かに心が通いあい、互いを大切に思いやる様子が心に沁みてくる。 手記の終わり辺りから二部にかけては展開も良く、見えていなかった部分が見えてくるため一気に読みやすくなる。 戦争中に出会ったふたりの女性の友情が、とてもあたたかいものを残す。 第二次世界大戦とナチスを扱っているが、ナチスとドイツ国民やユダヤ人という構図ではなく、ドイツと敵対するイギリス、ナチスとイギリス軍という物語であり、ナチスを扱う作戦の中ではやや珍しいかもしれない。 戦争を扱うため、それなりに残酷な描写はあるが、そこが中心ではないため、そういう描写の苦手なかたでも問題なく愉しめる。 青少年向きの作品をよく書かれているようだが、大人が読んでも十分読み応えがある。 この作品は著者の日本語訳されたはじめての作品らしい。 この作品の次にも同じ頃を舞台にした作品を書いておられるらしく、そちらも是非読んでみたい。

Posted byブクログ