コードネーム・ヴェリティ の商品レビュー
読み進めながら一部と二部も何度も行き来してしまいました。でもミステリーというよりも悲しい戦争小説、そして美しい青春小説でした。 同著者の『ローズ・アンダーファイア』も購入してあるのでそちらも楽しみです。
Posted by
それぞれの心の動きを重視する的な物語として、凄い魅力がある。そちら専門方面から大々的に取り上げられたらイラッとしそうだけど、究極の百合と言えばそう。 けどそこで起こってることは存分に議論すべき事柄で、うーん、実際この中で議論や教訓は掲示されないんだけど。こうやって心的に惹きつけら...
それぞれの心の動きを重視する的な物語として、凄い魅力がある。そちら専門方面から大々的に取り上げられたらイラッとしそうだけど、究極の百合と言えばそう。 けどそこで起こってることは存分に議論すべき事柄で、うーん、実際この中で議論や教訓は掲示されないんだけど。こうやって心的に惹きつけられないと、考えるべき題材として熱を持てないなあと。カズオイシグロの、わたしを離さないでと、凄いのタイプが同じ。って思った。
Posted by
本書は二部構成で、どちらも手記のような体裁で話が展開する。第一部の最初は誰が語っているのか分からず、我慢の読書となる。ゲシュタポに捕まったスパイのクイーニーが秘密を書くように強制され、しかも二週間でやれという。二週間後は想像できる悲惨が待っている。第二部は、クイーニーをフランスま...
本書は二部構成で、どちらも手記のような体裁で話が展開する。第一部の最初は誰が語っているのか分からず、我慢の読書となる。ゲシュタポに捕まったスパイのクイーニーが秘密を書くように強制され、しかも二週間でやれという。二週間後は想像できる悲惨が待っている。第二部は、クイーニーをフランスまで飛ばした女性飛行士のマディの語りとなる。こちらも手記のような体裁となる。二人は違う場所にいながら、相手を信じて書き続ける。衝撃なのは、マディとクイーニーの再会シーンだ。究極の信頼関係を築いているかのように、クイーニーの望みを叶える。自分にはこれはできない。相手のためを思っても。で、このような物語が実は大人向け小説ではなく、YA(ヤングアダルト)だと聞いて驚く。
Posted by
普通に面白かった。その言葉が1番しっくり来るだろうか。 舌を巻く味の濃いメインディッシュでも、贅を尽くしたデザートでもない、お口直しのシャーベットのような作品。 シンプルだけど不思議と心に残るのだ。 訳者の訳しわけが見事で、これまた静かな感動に一躍買っている。
Posted by
2 続いて、「ベルリンは晴れているか」の深緑先生がおすすめされていたこちらを。時は同じく第二次大戦末期。ナチスに捕らえられ、情報を書き記すことで尋問を逃れた特殊部隊所属のクイーニー。ところが手記は小説の体裁を取り、親友のマディとの出会いやこれまでの歩みを克明に記したものだった……...
2 続いて、「ベルリンは晴れているか」の深緑先生がおすすめされていたこちらを。時は同じく第二次大戦末期。ナチスに捕らえられ、情報を書き記すことで尋問を逃れた特殊部隊所属のクイーニー。ところが手記は小説の体裁を取り、親友のマディとの出会いやこれまでの歩みを克明に記したものだった……というのが第一部。 第二部はマディ視点で、クイーニーを救出すべくレジスタンスと活動をともにするうち、真実(=ヴェリティ)が明かされるという構成。 イギリス補助航空部隊(ATA)とピーターパンを絡めたお話は過去に同人誌で読んだことがあったので、不思議な縁に首を捻ったものです(もちろん作者さんにはこちらも勧めました)。 聡明なクイーニーと、勇敢なマディ。ふたりの友情を無惨に引き裂いた戦争に憤りつつ、それをどこにぶつけてよいのかと持て余しているうちに号泣に変わる巧みな構成で、言葉を失います。「尊い」ってこういうことを言うんじゃないのかな……
Posted by
第1部が三人称視点なので、読み進めるまでに時間がかかった。2部を読んだ後1部を読み返すと、あちこちに伏線があったことが分かる。最終的に彼女にとって望む結末を迎えたのではないかと思った。
Posted by
なかなか評価の難しい小説。 第二次大戦時のイギリス。偶然巡り合った二人の若い女性。一人はパイロット、もう一人はスパイ。 物語はナチス占領下のフランスでナチスの捕虜となってしまったスパイの女性が、拷問の末の、情報提供として書き始めた小説形式の独白として描かれる。 これが第1部。 第...
なかなか評価の難しい小説。 第二次大戦時のイギリス。偶然巡り合った二人の若い女性。一人はパイロット、もう一人はスパイ。 物語はナチス占領下のフランスでナチスの捕虜となってしまったスパイの女性が、拷問の末の、情報提供として書き始めた小説形式の独白として描かれる。 これが第1部。 第2部はパイロットの女性の視点で描かれる捕虜になった女性を救出するための話。 当然ながらこの第1部の奇妙な小説が第2部の展開の伏線となり、話は展開していく。 なぜ評価が難しいかというと、第1部が結構長いのだ。若い二人の女性の青春記みたいな感じもあるが、それでも長い。 第2部で伏線など回収されていくが、そこまで第1部が長くなくてもと思う。はっきり言って第1部は途中から単調に感じてしまう。 一方で解説を読んで知ったのは、これがヤングアダルト小説、つまり10代など若者向けの小説として書かれて、ヒットしたということ。 米国の書評では、若者だけでなく、万人にとっても面白い作品とあるが、まさにその通りで、主人公の二人が若いという事を除けば、ナチスの捕虜となった女性の独白や、第二次大戦のイギリスの女性パイロットの話が、どうしてヤングアダルト小説なのか、よくわからないのだ。 ただ想像するに、これは第二次大戦をアメリカとの大平洋戦争と捉えるのが普通の日本人と、連合国対ナチスドイツの戦いと捉える欧米人との感覚の違いかもしれない。 でも、気になる作品であることは確かで、次作も読んでみたいと感じる。
Posted by
悲しい。でも読むのを止められなかったです。 ナチスに捕らわれたジュリーが、拷問の末に書かされるようになった手記は、親友マディの日々でした。 ジュリーとマディの、戦時下でも害われない友情と、それを読んできてからの、第二部の「キスして、ハーディ!キスして、いますぐ!」が泣けました。 ...
悲しい。でも読むのを止められなかったです。 ナチスに捕らわれたジュリーが、拷問の末に書かされるようになった手記は、親友マディの日々でした。 ジュリーとマディの、戦時下でも害われない友情と、それを読んできてからの、第二部の「キスして、ハーディ!キスして、いますぐ!」が泣けました。 戦争さえ無ければ…と思うシーンがたくさんあって、もうこんな世界にしてはならないという思いを改めて感じました。
Posted by
さまざまな謎が第一部の手記、驚愕の事実が判明する第二部の手記。そして慟哭の結末、という内容紹介。 ナチス占領下のフランスで捕虜になった若い女性スパイとその親友の女性飛行士が主人公だが、第一部の謎というのが、どこが謎でどこがカギなのか私にはわかりにくかった。第二部でこういうことか、...
さまざまな謎が第一部の手記、驚愕の事実が判明する第二部の手記。そして慟哭の結末、という内容紹介。 ナチス占領下のフランスで捕虜になった若い女性スパイとその親友の女性飛行士が主人公だが、第一部の謎というのが、どこが謎でどこがカギなのか私にはわかりにくかった。第二部でこういうことか、とうなづけるところもあったが、第一部を三人称にした意味がどうもよく理解できないままだ。 だからと言ってこの作品の価値を否定するつもりは毛頭ない、ないのだが。 ヤングアダルト向けに書かれたそうだが、十分に読みごたえはある。 ハッピーエンドにせず、二人が自分に課せられた使命を担って逃げない、その雄々しさに胸が詰まる。 ただ、二人の少女、と言えばキャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』をつい思い出し。戦争ものではないのだが、驚愕と慟哭ではこちらに軍配を挙げてしまう。
Posted by
これはミステリなのか!? ミステリだと思って読み始めたところ、なかなか重めの戦争ものでした…。 辛い描写も多かったけれど、最後に救いがあって良かった。
Posted by