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人はなぜ物語を求めるのか の商品レビュー

3.8

38件のお客様レビュー

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2021/03/11

絶賛人生なぜなぜ期(勝手につけた)なので、今まさに読みたかった本、どストライク!という感じだった。 物事や人生を、ストーリーとして解釈すること。 私は国語の次に日本史が好きだったけど、今になって思えば、歴史をストーリーとして解釈していたんだな、と思う。就活のガクチカや志望動機に抵...

絶賛人生なぜなぜ期(勝手につけた)なので、今まさに読みたかった本、どストライク!という感じだった。 物事や人生を、ストーリーとして解釈すること。 私は国語の次に日本史が好きだったけど、今になって思えば、歴史をストーリーとして解釈していたんだな、と思う。就活のガクチカや志望動機に抵抗があったのも、自分の人生を会社や仕事にストーリーとして組み込むことに反発していたのかも。 私たちは物語によって救われたり、苦しめられたりする。 引用された、ニーチェ『道徳の系譜学』の言葉がストンと胸に落ちてきた。 〈人間の問題は…苦悩そのものにあったわけではない。「何のために苦悩するのか?」という叫びに、答えがないことが問題だったのだ〉 苦しいことに意味が意味出せないことが苦しいと気づくことができて一歩踏み出せたかな。目的や意味がかりそめのものだとしても、それにもがくのってすごく、人間だ。

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2021/01/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私たちはとにかく「なぜ」か知りたい(正しさは二の次で)生き物だから、世界をとらえるために物語の形を取らざるを得ない。でも、そのストーリーを作るための一般論が歪んだものなら、出来上がるストーリーも歪んだものになって自分を苦しめる。特に黒子のバスケ作者を脅迫した事件の犯人が犯行理由を自分の中にある少ない一般論にしか当てはめられず、うまく供述できていなかったという話が面白かった。

Posted byブクログ

2020/12/06

「共感」について考える中で派生的テーマとして「物語」について関心を持っているときに見かけて購入した本。 ストーリーとしての「物語」が持つ構造的な類型や構造がストーリー受容の仕方にどのように影響し得るか、という辺りを考えたかったのだが、結論としてはその辺りの考えはあまり深められな...

「共感」について考える中で派生的テーマとして「物語」について関心を持っているときに見かけて購入した本。 ストーリーとしての「物語」が持つ構造的な類型や構造がストーリー受容の仕方にどのように影響し得るか、という辺りを考えたかったのだが、結論としてはその辺りの考えはあまり深められなかった。 物語の構造論としては (平衡状態→)非常事態→あらたな平衡状態 というごくベーシックなものについての解説がなされているぐらい。 後半は、「物語」が私たちの認知スタイルに大きな影響を持っていることや、それがときにマイナスの影響を持ってしまうことに話の中心が移っていく。移っていく、というか元々著者はそうしたライブストーリーとしての物語のあり方について述べることが主題だったのかと思いますが。 物語論について述べる本だからなのか、本書全体の論理構造やリサーチクエスチョンの在り処をあまり明示せずに進んでいくため(元がWebメディアでの連載記事のようなのでそもそも全体を貫く筋がないことが主たる原因かもしれませんが)、著者の主張を掴むのがなかなか難しく感じる本だが、一貫性が無いように感じるのはむしろ個人的には良かったようにも感じる。 各章では、物語論自体について、文学論や各種の小説、認知心理学、社会心理学、発達心理学、神経科学、道徳や宗教など多様なテーマに触れられており、関連する書籍からの引用も豊富であるため、著者の主張の行き来にあまり引っ張られずに(特段違和感のある主張がなされている訳でもないが)、あれこれと思考を飛ばしたり、自身の関心に近そうなテーマを知る機会になった。 文末の読書案内を含めて考えがいのあるテーマのリストとして読むには良い本だと感じる。 特に、個人的にはライフストーリーの受容や編集というテーマについては、対人支援やキャリア論との関連で考えを深めたいことではあったのでとっかかりを得られたのは良かった。 元々は「共感」や「物語」に関心を持ったのはマーケティングやファンドレイジングに関わるテーマとしてだったが、自分自身の世界観構築や日常生活やその中でのコミュニケーション、それらにおける認知のあり方まで「物語」というテーマで考えることのできる範囲が広いことを改めて感じた。

Posted byブクログ

2020/11/21

物語とは何か?なぜ人はそれを必要とするのか?なぜ作ってしまうのか?その効用と弊害についての一冊。物語の効能よりも弊害について語っている部分が多いかもしれない。昨今の世に蔓延る陰謀論や正義ふりかざし問題も念頭に書かれたのだろう。 聞きなれないインテリ用語がちょくちょく出てくるし、...

物語とは何か?なぜ人はそれを必要とするのか?なぜ作ってしまうのか?その効用と弊害についての一冊。物語の効能よりも弊害について語っている部分が多いかもしれない。昨今の世に蔓延る陰謀論や正義ふりかざし問題も念頭に書かれたのだろう。 聞きなれないインテリ用語がちょくちょく出てくるし、引用されている文もインテリ臭がする。哲学や倫理学に近いかもしれない。しかし、じっくり読めばなんとなく言っていることは理解できる。納得する部分も多い。ものすごく雑に言うと、物語とは因果関係を言葉で表現するものだと理解した。物語が世界を理解するためのものだとすると、哲学はどうなんだろうか。宗教も哲学もこの世の理を解き明かそうとしている。しかし哲学が物語だとは思えない。 個人的に、自分は物語を作る力が弱いのではないか?と思った。その弱さが生き辛さになっているかもしれない。しかしそれもまた、物語かもしれない。物語を作っても、それを確信するかどうか?という問題はある。何を、どんな物語を信じてしまうか、ほとんどの人は選べないのではないか。

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2019/08/08

「生ける屍の結末」について触れてると聞いて読んでみた。 人は事柄と事柄の間にストーリーを求めてしまう。本当は因果関係がなくても時系列の前後を勝手に結びつけて自分の中にある図式に当てはめてストーリーにしてしまう。「わかる」は感情。 「自分」の構築にもストーリー化が起こっているし、生...

「生ける屍の結末」について触れてると聞いて読んでみた。 人は事柄と事柄の間にストーリーを求めてしまう。本当は因果関係がなくても時系列の前後を勝手に結びつけて自分の中にある図式に当てはめてストーリーにしてしまう。「わかる」は感情。 「自分」の構築にもストーリー化が起こっているし、生き延びるために役立った機能なんだろう。 ストーリーを求める機能は逆算しても使われて、酷い目にあったならなにか酷い目にあう理由があるはずだと考える素地にもなってしまう。(e.x.石川都知事の地震の時の話とか、痴漢にあった女性を責めるだとか) 「人生に期待するのではなく人生から何を期待されてるいるで〜」って言説は確かによく聞くけれども、個人的には空虚にしか聞こえなかったんですが、仏教的世界観と人がストーリーを求める話と一緒に語られると腑に落ちた。章が離れてるけど、これは自分で選択する、それまでの生き方を捨てて2度生まれるって話にもつながってくることなのかな。 自分の考え方を変えれば出力である結果cは変わる。 901

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2019/07/13

「様々な出来事をストーリーとして認識する」、設計図の無い進化の過程でこんな能力を獲得したのは、本当に驚きです。 ただし、マイナスの面も有ります。物語が見つからないと不安になり、何でも無理やり関連付けてストーリー化して納得しようとします。そのせいで、しなくても良い苦しみを味わう事が...

「様々な出来事をストーリーとして認識する」、設計図の無い進化の過程でこんな能力を獲得したのは、本当に驚きです。 ただし、マイナスの面も有ります。物語が見つからないと不安になり、何でも無理やり関連付けてストーリー化して納得しようとします。そのせいで、しなくても良い苦しみを味わう事が多いのも事実です。 そういう事を意識しておくと、より良い生き方に繋がるはずです。

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2019/02/06

「人間は物語る動物である」。 それは好むと好まざるとにかかわらず、人の思考の枠組みを築き上げ、しかもそこから簡単に逃れることはできない。 物語は人の信念=beliefとして深く内面化されるが故、「自分の感情の赴くままに行動すること」は(逆説的だが)「不自由」であることとなる。 物...

「人間は物語る動物である」。 それは好むと好まざるとにかかわらず、人の思考の枠組みを築き上げ、しかもそこから簡単に逃れることはできない。 物語は人の信念=beliefとして深く内面化されるが故、「自分の感情の赴くままに行動すること」は(逆説的だが)「不自由」であることとなる。 物語の理論を知ることは、より良き生き方を知ること。

Posted byブクログ

2018/12/22

明らかに相関がなくても理由がわからないのがストレスなので、人は理由づけをしてしまうという至極真っ当な話。 見た目以上にさらりと読めます。

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2018/04/15

人が生きていることや、何かが起こることに原因はあっても、必ずしも意味や目的があるとは限らない。人はそこに意味や目的があると思いたい。この行為が物語化なのだ。 「前後即因果の誤謬」 「わかる」と思う気持ちは感情以外のなにものでもない。「わかった気になる」と「わかる」のあいだには本質...

人が生きていることや、何かが起こることに原因はあっても、必ずしも意味や目的があるとは限らない。人はそこに意味や目的があると思いたい。この行為が物語化なのだ。 「前後即因果の誤謬」 「わかる」と思う気持ちは感情以外のなにものでもない。「わかった気になる」と「わかる」のあいだには本質的な線引きができない。 「出来事が君の欲するように起ることを望まぬがいい、むしろ出来事が起るように起ることを欲し給え、そうすれば君はゆとりを持つことになるだろう」ギリシア ストア派哲学者エピクテトス「提要」『人生談義』下巻、岩波文庫 物語、ストーリー、世界解釈。

Posted byブクログ

2018/03/20

人間は意味や因果関係を求め物語を作ってしまう。人によってはそれに捉われ苦しむこともある。自分自身もそうだな。

Posted byブクログ