その手をにぎりたい の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
好きー!この優雅で甘美な食への表現力は流石としか言い様がない。 食に重きを置きながらも、時代の移り変わりと変化、揺るぎない時間そのものの価値、そこに付随する絡みあった人情が清潔に書かれていてとても良かった。 自分が生きる時代と全く入れ替わりの世の中だけれど、言葉で聞く「バブル時代」を体感できたような気持ちになった。だけどいつの時代もそこにあり続ける、世間からの「女」としての目や評価への違和感。30を目前とした女性の「自分が自分で居ることの証って何だろう」の疑問。忙しい日々に揉まれ誤魔化し続けている不安が、ふとした瞬間に攻めいでくる。果たして自分は何が掴めているのだろう?と。その疑問に一つの、とても清潔で、或いは見方によってとても官能的な恋愛を通して向き合っていく青子の姿に共感しかなかった。 派手で自由、そして孤独な生き方を経て、とうとう答えを見つけたのね、と安堵するのも束の間。ドキドキするような余韻を残して物語は終わる。落ち着いたハッピーエンドともとれるような、まだまだ青子やん!と突っ込みたくなるような。どちらだろう笑 どちらにしても、青子の生き様はとても清々しくて好きだなあ。
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時代はバブル真っ只中。 銀座の高級鮨店「すし静」にハマり10年間に渡って通いつめる都内で働くOLの本木青子が主人公です。 主人公・青子の仕事へ対する情熱、挫折、友人関係、男女関係など様々なエピソードに共感したり応援したり時に首を捻ったりしながらテンポ良く読み進める事が出来ま...
時代はバブル真っ只中。 銀座の高級鮨店「すし静」にハマり10年間に渡って通いつめる都内で働くOLの本木青子が主人公です。 主人公・青子の仕事へ対する情熱、挫折、友人関係、男女関係など様々なエピソードに共感したり応援したり時に首を捻ったりしながらテンポ良く読み進める事が出来ました。 特に秀逸だと感じたのは各短編に登場するお寿司の描写。 柚木さんのブラックな部分は控えめですが、絶えず流れているバブルの喧騒と気怠さにエロチックな雰囲気が加わり、読み応えのある作品で読後感も良かったです。
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電子書籍。 今まで読んだ柚月さん本とはまた一味違った作品。 しかし食べ物に関する描写は変わらず美味しそうで、思わず唾を飲み込んで食べたいと今回も終始思いながら読み終えた。回転寿司しか行った事ないけれど。 ただただ一ノ瀬さんの握るお鮨に魅せられ、バブル時代に揉まれながらも1人で東...
電子書籍。 今まで読んだ柚月さん本とはまた一味違った作品。 しかし食べ物に関する描写は変わらず美味しそうで、思わず唾を飲み込んで食べたいと今回も終始思いながら読み終えた。回転寿司しか行った事ないけれど。 ただただ一ノ瀬さんの握るお鮨に魅せられ、バブル時代に揉まれながらも1人で東京で働く青子の姿がとてもカッコいい女性だなと思った。
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3.9 バブルだからできた事だろうけど、 いくら好きな人に会いたいからって、 それだけではなかっただろうけど、 莫迦な生き方だなって思う。 でも、読むのを止められなかった。 後輩君とくっついてほしかったな。 あんな終わり方って。
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バブルの喧騒と凛とした鮨屋の狭間で生きる女性の生き様が生々しくてヒリヒリした。 銀座のママのミキは篠原涼子さんをイメージして読みました。 こんな人生を変えるような寿司が食べれるなら5万円握りしめて銀座に行きたい!
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10年も片想いして高級鮨店に一人で通うなんて私には絶対無理! とは思いつつも、関係が変化してしまうのが嫌で身動きがとれなくなってしまう気持ちもわかる。 どんどん一年が過ぎていくので時代や青子の変化が気になりすぎて一気読みしてしまった。 ラストに結局どうなるの?え?どうなったの?...
10年も片想いして高級鮨店に一人で通うなんて私には絶対無理! とは思いつつも、関係が変化してしまうのが嫌で身動きがとれなくなってしまう気持ちもわかる。 どんどん一年が過ぎていくので時代や青子の変化が気になりすぎて一気読みしてしまった。 ラストに結局どうなるの?え?どうなったの?って所で終わる感じも好きだなぁ。
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その手をにぎりたい、ってそういう意味か…! 大人の恋の話、おもしろかった。 柚木麻子さんは本当に食べ物好きなんだろうなー
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寿司職人に恋するOLの話。 きらびやかな80年代、不況生まれの私にとってはまさにファンタジー。価値観の違いに驚きつつ、恋愛感情はとても共感できた。 激動の人生だから、次の展開が気になって仕方ない。時代のせいだけじゃなく、青子の蝶のようにはらりと居場所を変えることができる生き様...
寿司職人に恋するOLの話。 きらびやかな80年代、不況生まれの私にとってはまさにファンタジー。価値観の違いに驚きつつ、恋愛感情はとても共感できた。 激動の人生だから、次の展開が気になって仕方ない。時代のせいだけじゃなく、青子の蝶のようにはらりと居場所を変えることができる生き様のせいでもある。この身軽さ、変化の恐れなさは現代人が失っているものだと思う。 それからエネルギー。時代に溢れる景気の良さも、恋い焦がれる青子の気持ちもエネルギッシュ。魅力的だと思った。 柚木麻子さんの言いたいことって、「それでも生きる」ことだと思う。報われない、それでも生きる。将来が不安、それでも生きる。これは柚木麻子さんの他の小説にも通ずるメッセージだと思う。そんな力強さが我々読者を励ましてくれていると感じる。
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花金とか万札持ってタクシー止めるとか知らない世代だけど、文章が読みやすく長さもちょうど良くて楽しむことができた 大きな目標を持って仕事する青子に羨ましさを感じたし、いつか鮨屋じゃなくても喫茶店でも常連になりたくなるような素敵なお店を見つけたい 辛いことがあった時、「おかえりな...
花金とか万札持ってタクシー止めるとか知らない世代だけど、文章が読みやすく長さもちょうど良くて楽しむことができた 大きな目標を持って仕事する青子に羨ましさを感じたし、いつか鮨屋じゃなくても喫茶店でも常連になりたくなるような素敵なお店を見つけたい 辛いことがあった時、「おかえりなさい」って楽になるよなぁ
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タイトルどおりの切ない想いが体感できるような、夢のような時代を駆け巡る、純愛の小説ですが サクサクと読みやすく、ちゃんとは知らなかったバブル時代を楽しめました。
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