ガーディアン の商品レビュー
石原中に赴任して半年経った秋葉は、平和ではあるけれどなんだか学校の空気に違和感を感じていた。秋葉たち教師は知らないことだが、子どもたちの中にガーディアンという自警団が存在し、不良たちに制裁を与えていた。ガーディアンの存在に気付いた秋葉は生徒や教師から聞き込みをしてその正体を探ろう...
石原中に赴任して半年経った秋葉は、平和ではあるけれどなんだか学校の空気に違和感を感じていた。秋葉たち教師は知らないことだが、子どもたちの中にガーディアンという自警団が存在し、不良たちに制裁を与えていた。ガーディアンの存在に気付いた秋葉は生徒や教師から聞き込みをしてその正体を探ろうとするが…… 全体的に淡々としているしラストもわりとあっさり解決してはいる。大人が思うこと、子どもが思うことはかくもすれ違うのかとさみしい気持ちにはなるけど、ありそうなことだと思った。子どもたちの見当違いの一生懸命さ、思慮の浅さ、それでも友達を思う気持ちにはぐっとくる。本当に、顔を見て笑いあえる友達を大切にしてほしいことだ。
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ガーディアンという問題を起こした人物は制裁をするという自警団と長期欠席をしている生徒をめぐり、教諭の秋葉が生徒やほかの教諭らに聞き込みをしていく。そしてある秘密を知り、子供の繊細さ、多感な時期の子供と接する教諭の難しさが感じられる。制裁をしたからといって一線を超えると悪にもなり得...
ガーディアンという問題を起こした人物は制裁をするという自警団と長期欠席をしている生徒をめぐり、教諭の秋葉が生徒やほかの教諭らに聞き込みをしていく。そしてある秘密を知り、子供の繊細さ、多感な時期の子供と接する教諭の難しさが感じられる。制裁をしたからといって一線を超えると悪にもなり得ること、いじめられる友人を守りたい、いじめている人をなんとかしたいと先生に相談しても動いてくれない辛さから、自分らでなんとかしないとという思い、大人が思っている以上に子供は繊細であること、友達の存在の大きさがひしひしと伝わる。
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うーん、生徒側でも先生側でも感情移入できず、共感もなく、イマイチだったかな。 自警団っていうには闇だし、みんな無防備すぎるくらいの中学生で、喫煙写真やら、裸の写真やらで脅されて…。 先生たちもこんなふうになるかな? いつもの薬丸さんの本は面白いので期待したけどイマイチ感ぬぐえず...
うーん、生徒側でも先生側でも感情移入できず、共感もなく、イマイチだったかな。 自警団っていうには闇だし、みんな無防備すぎるくらいの中学生で、喫煙写真やら、裸の写真やらで脅されて…。 先生たちもこんなふうになるかな? いつもの薬丸さんの本は面白いので期待したけどイマイチ感ぬぐえず。
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デビュー以来追いかけている薬丸岳さん。 少年犯罪をテーマにした作品のイメージが強いせいか、 この作品は、今まで読んできた薬丸さんとは少し違う印象を受けました。 友だちを助けたい── その一心でできた組織だったはずが、知らず形を変え、 目には見えない力でがんじがらめにして、 その...
デビュー以来追いかけている薬丸岳さん。 少年犯罪をテーマにした作品のイメージが強いせいか、 この作品は、今まで読んできた薬丸さんとは少し違う印象を受けました。 友だちを助けたい── その一心でできた組織だったはずが、知らず形を変え、 目には見えない力でがんじがらめにして、 その結果、彼らをひとりぼっちにさせてしまったなんて皮肉。 見方を変えれば、制裁という名の”いじめ”のように思えたりもした。 ただ、それにより助けられた子どもたちもいたわけで… 果たして”ガーディアン”は必要悪なのか、それとも… 考えは堂々めぐりするばかり… そして衝撃のラスト… これには呆然としました。 また自分でも驚いたのが、夏目刑事が登場した瞬間の安堵感。 この人ならきっと助けてくれるんじゃないか。 何か解決の糸口を見出してくれるのではないか。と… 誰でもいい。そういう人がそばにいてくれれば、彼らはきっと救われる。 そうしたらガーディアンなんていらないのに… ”顔の見える友だち”この一言が、深く胸に残ります。
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次々とかわる視点に引き込まれて、一気に読んだけど、 ラストであれ?となった。唐突というか説明不足? たぶんこういうことかなー?と思いつつ、 もっとちゃんと描写欲しかったような…。
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読み始めからたくさん登場人物が出て来てよく分からないままストーリーが進んで行った。ガーディアンはある意味ピンチの生徒にとってはすごく有りがたい存在であることは事実だ。もちろん違和感はあった。人間関係の問題を解決するにはコミュニケーションが必要だ。制裁は問題を解決するが、一方では別...
読み始めからたくさん登場人物が出て来てよく分からないままストーリーが進んで行った。ガーディアンはある意味ピンチの生徒にとってはすごく有りがたい存在であることは事実だ。もちろん違和感はあった。人間関係の問題を解決するにはコミュニケーションが必要だ。制裁は問題を解決するが、一方では別の問題を引き起こす。今回も著者は難しいテーマを与えてくれた。
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自警組織により、表面上は平和になった中学校。新しく赴任した男性教師が、その実態を暴いていく。 学校において、生徒同士の自治力を用いて団結を図ったり、向上心を煽ったり規律を守らせる指導は、少なからず存在する。 たとえば、生徒会を筆頭とする各種委員会や、クラス内でのグループ活動等々...
自警組織により、表面上は平和になった中学校。新しく赴任した男性教師が、その実態を暴いていく。 学校において、生徒同士の自治力を用いて団結を図ったり、向上心を煽ったり規律を守らせる指導は、少なからず存在する。 たとえば、生徒会を筆頭とする各種委員会や、クラス内でのグループ活動等々。私自身も、お互いに注意した数を記録するとか、宿題忘れは連帯責任など、首を傾げるような罰則もあったことを思い出した。ある程度までは効果的な手法だが、何事も行きすぎは問題だ。 でも、理想やきれいごとだけでは通用しないいじめや問題家庭など、現実に存在することも事実。 学校も対処できないような事態が起きたとき、このガーディアンのような存在を必要悪として認めるか否か、それは当事者に近い場合ほど難しい問題だ。 ただ恐いのは、正義をかざしたらいつの間にか何でもありになって、誰もノーと言えなくなってしまうこと。これは学校に限ったことではなく、日本の社会全体にも通じると言えるだろう。そんな問題提起をしたという意味では、興味深かった。 ラスト、やっぱりそうなっちゃうのかぁとため息が出た。
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読み始めて間もなく、頭の中が混乱し始めました。 人物の名前が覚えられない。。。(汗) 続々と登場するのは、取り立てて特徴のない 同じ年頃の中学生たちばかりなのだから 仕方がないと言えば仕方がない。 だけど読み進めるうちに気づくのだ、 学校の先生は、同じ制服に身を包んだ同じ年の生徒...
読み始めて間もなく、頭の中が混乱し始めました。 人物の名前が覚えられない。。。(汗) 続々と登場するのは、取り立てて特徴のない 同じ年頃の中学生たちばかりなのだから 仕方がないと言えば仕方がない。 だけど読み進めるうちに気づくのだ、 学校の先生は、同じ制服に身を包んだ同じ年の生徒を 担任だからという理由で、何十人もの名前はおろか その個性から学力、人間関係から家庭環境まで把握していることを求められるのだと。 どんなに努力したって、教師には限界がある。 しかし辛い状況にいる子どもに気づいて助けれあげられるのは、やっぱり身近にいる親や教師だ。 大人はその重責から逃げ出すことなく 子どもたちはどうせ大人は助けてくれないと諦めず 声をあげ続けてほしい。 この物語は、その努力を惜しまなかった教師たちの奮闘記であり 大人に理解してもらう努力を惜しまないでという 子どもたちへのメッセージなのだと思う。
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7月-8。3.5点。 主人公の教師がいる学校には、ガーディアンという生徒と思われる自警団がある。 入った生徒は何でも言うことを聞かなければならない。 やめさせるべきと思う主人公は、正体を探るが。 夏目刑事も少し出てくる。 さすが、面白い。上手い展開にした。
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著者インタビューで、いじめられっ子だった著者がそのときできなかったこと、やってみたかったことを書いた、とある通り、優秀な「子ども」の解決策。だから「大人」で「教師」の秋葉はその危うさを認められず、しかし自分たちの無力に直面することで葛藤もあり、としごくまっとうな小説。登場人物がどこにでもいそうな人たちであることに救いもあるが、甘さもある。この甘さは希望だと思う。
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