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ルポ トランプ王国 の商品レビュー

4.1

39件のお客様レビュー

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2024/08/13

2016年に書かれた本です。 今から8年前のトランプとヒラリーの大統領選挙のときのルポです。 8年経って、この本に書かれていることは変わらず、むしろ悪化しているのかと思いました。 トランプが大統領だった4年間、そのあとのバイデンの4年間、二人の大統領ともに、アメリカの中間層にとっ...

2016年に書かれた本です。 今から8年前のトランプとヒラリーの大統領選挙のときのルポです。 8年経って、この本に書かれていることは変わらず、むしろ悪化しているのかと思いました。 トランプが大統領だった4年間、そのあとのバイデンの4年間、二人の大統領ともに、アメリカの中間層にとっては無力だったのでしょう。 それでもまたトランプが大統領候補になっていることは不思議な感じです。

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2023/04/28

トランプ関連書籍を読み始めてこれが4冊目になりますが、これまでの3冊と比較すると圧倒的に質が高いと感じました(その他の3冊の書評については私のレビューをご参照ください)。大統領選挙の1年ほど前からトランプ候補の支持者が多い地域への足で稼いだ生情報、非常に参考になりました。日本のテ...

トランプ関連書籍を読み始めてこれが4冊目になりますが、これまでの3冊と比較すると圧倒的に質が高いと感じました(その他の3冊の書評については私のレビューをご参照ください)。大統領選挙の1年ほど前からトランプ候補の支持者が多い地域への足で稼いだ生情報、非常に参考になりました。日本のテレビだけを見ていると、トランプを支持している女性なんて1人もいないかのような報道ぶりでしたが、現実は米国女性の41%はトランプを支持している。しかも本書に登場するトランプ支持者の女性は、変人でもなんでもなく、実直に働いてきた人々、という印象を受けました。より正確には「トランプ」という個人が支持されているわけではなく、これまでの既存政治家、エスタブリッシュメントへの反感がいかに大きいか、自分自身の生活をなんとかしてくれ、という強い思いを本書から感じました。 本書の最後にも著者が問いかけていますが、これは米国の民主主義の終わりの始まりなのでしょうか。この問いは本当に難しく、トランプ政権の誕生は行きすぎた資本主義に対する民主主義の逆襲という見方もできるわけですが、その結果として選ばれたトランプが民主主義を弱体化させるかもしれない、という皮肉な結果も十分ありうるわけです。つまり民主主義的な手続きを経て、民主主義を衰退させる指導者が選ばれてしまった、という可能性です。日本の将来を考える際にも非常に示唆が多い良書だと思います。

Posted byブクログ

2022/12/02

トランプがアメリカにムーブメントを起こした過程を、トランプの支持者がいるエリアに入り込んで取材をしながら生の声を届けている。 指示者の感情や背景を押さえながら、臨場感を持って書いているので、次に次にと引き込まれるように読んでしまった。著者の文章技術に脱帽。 アメリカで問題にな...

トランプがアメリカにムーブメントを起こした過程を、トランプの支持者がいるエリアに入り込んで取材をしながら生の声を届けている。 指示者の感情や背景を押さえながら、臨場感を持って書いているので、次に次にと引き込まれるように読んでしまった。著者の文章技術に脱帽。 アメリカで問題になってる不満は、日本など他の先進国でも同じ現象ではないだろうか。一生懸命目の前の仕事に働いていれば、そこそこの生活を堪能できた時代から変わってしまっている。 所々にも出てくるように、情報技術に基づく職業は確かに利益を生み出す業界であるけれども、雇用や街、生活を作り出す点では、製造業は違っていて、には違う指標が必要だ。 一方、サンダースについて。彼も、結局、現場の人々の生活や社会行動には課題認識を持っている。ただその伝え方がトランプとは異なっていたと言うだけだろうか。 ソガ氏(サンダース)のコメント: 昔は多くの人がテレビで同じ情報を得ていたが、最近は自分の情報を選り好んで、自分と同じ意見の人としか話さないから、不満を持つ人同士がどんどんつながるようになった。

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2022/11/06

先入観を持たず現地で聞き取りを行うジャーナリズムを感じさせる一冊。グローバリズムによって経済状況が向上したのは、先進国の上流階級と途上国の中間層であり、没落したミドルクラスのエスタブリッシュメントに対する反感をうまく集めたのがトランプ。高卒でもミドルクラスになれたという状況が例外...

先入観を持たず現地で聞き取りを行うジャーナリズムを感じさせる一冊。グローバリズムによって経済状況が向上したのは、先進国の上流階級と途上国の中間層であり、没落したミドルクラスのエスタブリッシュメントに対する反感をうまく集めたのがトランプ。高卒でもミドルクラスになれたという状況が例外的なものだったということを踏まえ、アメリカという共同体をどう維持するかは引き続きの課題といえる。

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2022/08/16

新聞社のニューヨーク駐在記者がトランプ支持者が多いラストベルトやアパラチアを歩く。出会った人たちの声から見えてくるアメリカの今、そして大統領選の結果。 これからもこういう時間をかけて生の声を集める取材が必要だと思う。

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2022/05/02

トランプさんを支持する人はどういう理由かを迫った書籍です。 現地の人の訴えが分かるため、貴重な本です。 ラストベルトの人々の訴えは日本と全く同じだと思い、危機感を感じます。 基本的には、移民問題による雇用の減少がテーマとなっております。著者は統計データに基づき、トランプへの疑問...

トランプさんを支持する人はどういう理由かを迫った書籍です。 現地の人の訴えが分かるため、貴重な本です。 ラストベルトの人々の訴えは日本と全く同じだと思い、危機感を感じます。 基本的には、移民問題による雇用の減少がテーマとなっております。著者は統計データに基づき、トランプへの疑問や反対意見も挙げてますが、賛同できるところとできないところがありました。ですが、そこも含めて良いです。 私は、この本の反対意見も踏まえた上でトランプさんを支持しています。 この本で取材に応じておる現地の人々が、日本人より人情が溢れている感じがして、凄い好感を持てました。 現地の人の声で、「テレビが伝えるアメリカはエスタブリッシュメントばかりだ」「映画で見るアメリカはニューヨークやロサンゼルスばかりだ」という言葉には、確かにそうだと胸を打たれました。移民問題や人種差別問題が多く取り上げられ、少しずつ改善はしていってますが、裏では忘れ去られた白人の人々が貧困になっていることは見向きもされません。 あと、アメリカ国民の政治への関心がとても強いです。私の周りでは選挙に行かなきゃだめだとという考えを持っている人は多いですが、政治についての関心は他国と比べて本当に低いと思います。テレビやネットを見てなんとなく投票するでなく、国の命運をかけているという自覚を持ち、できる限り勉強をして投票をしてほしいです。 もしアメリカに行く機会があれば、この本で登場をした人々の街を旅行して地域貢献をしたいです。

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2022/01/15

面白かった!廃れていくラストベルト。細っていくミドルクラスこそトランプを支持したんやな。反エスタブリッシュメントがキーワード。

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2021/12/16

ルポ トランプ王国――もう一つのアメリカを行く (岩波新書) 新書 – 2017/2/4 アメリカン・ドリームが死んだ先にあるものは現状への怒りだ 2017年5月20日記述 金成隆一(かなりりゅういち)氏による著作。 現在、朝日新聞ニューヨーク支局員。 1976年生まれ。慶...

ルポ トランプ王国――もう一つのアメリカを行く (岩波新書) 新書 – 2017/2/4 アメリカン・ドリームが死んだ先にあるものは現状への怒りだ 2017年5月20日記述 金成隆一(かなりりゅういち)氏による著作。 現在、朝日新聞ニューヨーク支局員。 1976年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。 (大学の恩師は久保文明氏) 2000年朝日新聞社入社。 大阪社会部、米ハーバード大学日米関係プログラム研究員、国際報道部などを経て、ニューヨーク特派員。 教育担当時代に「教育のオープン化」をめぐる一連の報道で第21回坂田記念ジャーナリズム賞(国際交流・貢献報道)受賞。 好物は黒ビールとタコス。 他の著書に『ルポMOOC革命―無料オンライン授業の衝撃』がある。 2015年11月~2016年11月まで アメリカの特にラストベルト周辺、アパラチア山脈の人々へのインタビュー、連載記事をまとめた本。 TVの特集などでトランプ支持者について何となくわかった気になっていたけれども、本書を読んで問題はより根深く深刻であることがわかった。 トランプが強かったのはバーニーサンダース上院議員に人気があったのとつながっていた。 本書では第6章でサンダース支持者について紹介している。 可能であればサンダース支持に関してもより深く取材し記事を読んでみたかった。 著者はプロローグにあるように米大手メディアのトランプ番記者にトランプが大きく伸びる理由を教えられた。 このことが大きな示唆として取材のはずみになったに違いない。 しかしこの番記者、トランプの遊説先を地図に落としてみるなど分析に優れている。 本書を読むとウォール街、シリコンバレーなど一部の地域しか1990年代の好景気の恩恵を受けていなかったことが分かる。 野口悠紀雄氏が指摘するような米は日本と違い新産業が生まれ新しい経済構造があるという指摘を読んだりすることもある。 しかしそれはあくまで米の一部に過ぎないのだ。 むしろ大半の州はそうではなかった。 本書を読んでいてまるでバブル崩壊後の日本の不況と大差が無いではないか。 あくまでアメリカはアメリカ合衆国であり多くの国の連合体だということを再認識した次第である。 増えない給料、老朽化するインフラ、工場移転で地場産業が無くなり孫世代の就職先が無い。 白人中年層の寿命が短くなっていること。 広がる薬物汚染。 インタビューしていた3人組女子大生の内、1人が夢は学費を返済することだと返答していたのには驚いた。 アメリカン・ドリームは完全に死んでいる。 ミドルクラスの象徴でもあった長期休暇を取って家族旅行に行くことも出来なくなっている。 多くのミドルクラスが貧困層に陥る中、企業献金に頼らず労働者、生活者、有権者の為の政治を求めている。 トランプの行った敵意を焚き付ける方法は正しいとは思わない。 それでもトランプ躍進、サンダース躍進の背景問題が解決に向かわない限り、既存政治の延長線はあり得ないだろう。 それは次のアメリカ大統領選挙でも同様だろう。 その辺りを踏まえた政策が民主党にも求められているのではないか。 とは言っても著者の指摘するように製造業や石炭産業の復活などあり得ないとは思う。 メキシコ国境沿いの壁建設も資金面で 難しいかもしれない。ただ人々は簡単には国境を越えれないし簡単に転居出来る訳でもない。 (逆に言うと転居を厭わず動ける人の強みも見えた気がした) 非常に難しい問題だ。またそれは日本にも当てはまる問題だ。 夢を失った地域は活力を失う。 夢を喪失せず希望を見いだせる社会を築く為には 何が出来るのだろう。 放置して時間が解決する問題ではない。

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2021/05/29

2020年の大統領選挙を経た2021年の現在から見返してみると、まさしくこの5年間に議論されていたことを2015年の段階で浮かび上がらせていた見事な取材力だと感じる。 MBA留学中に知り合ったアメリカ人のうち最も親しくなった友人がインディアナ州出身であった。他の多くのアメリカ人...

2020年の大統領選挙を経た2021年の現在から見返してみると、まさしくこの5年間に議論されていたことを2015年の段階で浮かび上がらせていた見事な取材力だと感じる。 MBA留学中に知り合ったアメリカ人のうち最も親しくなった友人がインディアナ州出身であった。他の多くのアメリカ人達が東西沿岸部出身であることに対して、彼は彼自身のことを他のアメリカ人達とは少し違うと言っていたが、まさにその背景はこの本で描かれているラストベルト、アパラチア山脈地方のバックグラウンドによるものであった。 彼の話を聞いた際にも感じた事柄であるが、アメリカを外から見る際にはこういったデモグラフィーの違いによる多様な背景があることを念頭においておかなければ見方を誤るだろう。 実際に2020年の大統領(選挙人)選挙でも依然トランプは7000万票以上を集め、2021年1月のキャピトル・ヒル襲撃を経て退任したあとも熱烈な支持者を集めている。かの共和党でさえもトランプ退任後もトランプ人気に配慮した政党運営をしなければならないことは、今後のアメリカ社会におけるデモグラフィーの動向がアメリカ政治、ひいてはスーパーパワーをバックグラウンドとした国際社会への影響にも強い影響を及ぼす可能性を示唆しているだろう。

Posted byブクログ

2020/05/27

トランプを支持する、メディアからはなかなか見えない主に地方のアメリカ人の考え方や感じ方を丁寧に取材してる。

Posted byブクログ