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なかなか暮れない夏の夕暮れ の商品レビュー

3.5

73件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/09/14

資産家の稔を中心にたくさんの人が出てくる。 それぞれのひと夏が描かれるんだけど、派手なことはなにも起きない。 稔と茜の読む本の内容が途中に挟まるのが良いアクセントで、本を読んで、「日常の中で読むサスペンス」を体験できる。その影響で、つい、後半の大竹の怪しい動きにサスペンス要素を...

資産家の稔を中心にたくさんの人が出てくる。 それぞれのひと夏が描かれるんだけど、派手なことはなにも起きない。 稔と茜の読む本の内容が途中に挟まるのが良いアクセントで、本を読んで、「日常の中で読むサスペンス」を体験できる。その影響で、つい、後半の大竹の怪しい動きにサスペンス要素を予感したのは私だけではないはず。でも劇的なことは起きなくて、ごく普通の想像の範疇の展開が続く。 けれども人ってそれぞれに、え?っていうちょっと普通じゃない部分があったりして、周りの人との摩擦を起こす。そんなことが丁寧に書かれていて作家の観察眼ってすごいよな、って思う。

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2023/11/12

普通や一般って難しい。 人それぞれの受け答えのタイミング、思考の速度、金銭感覚、恋愛観、家族観。 登場人物が多くて、視点もころころ変わるから多くの人のものの見方がわかったなぁ。 登場人物が読んでいる作品まで地の文で出てくるから、場面の切り替えが多い。一気に読むのがおすすめかも。 ...

普通や一般って難しい。 人それぞれの受け答えのタイミング、思考の速度、金銭感覚、恋愛観、家族観。 登場人物が多くて、視点もころころ変わるから多くの人のものの見方がわかったなぁ。 登場人物が読んでいる作品まで地の文で出てくるから、場面の切り替えが多い。一気に読むのがおすすめかも。 読書家でも他人に興味がないわけじゃない。没頭してその本の世界に浸るのがただ楽しい。周囲のことが遠くなってしまうのはわかる。その本に影響されて、色々試したくなって、料理するのもわかる。

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2022/11/21

本の虫である稔が主人公の、普通とはなんだろうと考えさせられる話だった。 雀さんには他人の家の炊事場に立つのが苦手という共通点や、稔が読む本の続きは確かに自分も気になってしまうところなどがあり、入り込めた。 同じ小さい子を持つ立場である渚と由麻の境遇の違いも考えるものがあった。また...

本の虫である稔が主人公の、普通とはなんだろうと考えさせられる話だった。 雀さんには他人の家の炊事場に立つのが苦手という共通点や、稔が読む本の続きは確かに自分も気になってしまうところなどがあり、入り込めた。 同じ小さい子を持つ立場である渚と由麻の境遇の違いも考えるものがあった。また淳子みたいに息子に植木職人になりたいと言われたら…などとも考えてしまった。

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2023/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回改めて読むと、ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』やフランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』といったヌーヴェル・ヴァーグの映画のようだと感じた。 本の虫の主人公・稔とその周囲を描いたドラマ(所謂ヒューマンドラマ)小説、としか本書は言い表せない。極端なまでに読書に夢中にはなるが他人に関心が無い(ように見える)稔は、俗に言う"普通"など全く気にしていない。その一方で彼の周囲は半ば意識的に"普通"であろうと努めているが、ふとした拍子に"普通"に収まらない言動や立ち居振る舞いをする。主に稔が読んでいる小説の場面を挿入しつつ、こうしたギャップのある二者の日常が淡々と綴られる。ストーリーらしいストーリーが在るようで無い(?)本書のプロットが、私にはまさに先に挙げたヌーヴェル・ヴァーグの作品のように感じられたのだ。 以前著者の初期の作品『きらきらひかる』を読んだ際、主人公のアルコール依存症(作中では「アル中」)やゲイ(同じく「ホモ」)といった設定が不愉快なほど強調されたり、また活かしきれていないといった印象を抱き、一気に苦手になってしまった。本書にも主人公を始め曲者がまあまあ登場するが、嫌味なものは感じなかった。

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2022/09/13

読書が人生にある人の話。 日常を読めた。 大人になって周りにこんな友達がいてくれていいな、自由で羨ましいけど、私にはなれなそう。 題名に惹かれて読んだけど、なぜこの題名だったのかは分からなかった。 離婚してお疲れ様って言われたくないな

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2022/08/17

江國香織さんワールド全開の作品。 作品内に主人公が読んでいる外国文学小説が出てきて、そちらの方も展開が気になって仕方なかった。

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2022/01/23

主人公・稔と関係のある様々な人達の一夏の出来事が綴られた連作短編集のような長編小説、という感じで読んだ。さらに作中作として、稔が読んでいる本の内容が挟まれており、この本の中で、日本と海外、夏と冬、と場面が変わるため、読み慣れるまで少々時間がかかった。それらの場面が最終的に稔に集約...

主人公・稔と関係のある様々な人達の一夏の出来事が綴られた連作短編集のような長編小説、という感じで読んだ。さらに作中作として、稔が読んでいる本の内容が挟まれており、この本の中で、日本と海外、夏と冬、と場面が変わるため、読み慣れるまで少々時間がかかった。それらの場面が最終的に稔に集約されたので、読後感は良かった。

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2021/12/16

タイトルに期待を寄せて手を伸ばした本だったけど、私が思っていた様な心を動かされる描写はなく、淡々と物事が進む印象だった。 この先どうなるのかな?といった展開もない。 読み終えて気づいたのは、大人になると夏の夕暮れってこんなもんだよねってこと。 汗かくのが不快だったり、冷房のきい...

タイトルに期待を寄せて手を伸ばした本だったけど、私が思っていた様な心を動かされる描写はなく、淡々と物事が進む印象だった。 この先どうなるのかな?といった展開もない。 読み終えて気づいたのは、大人になると夏の夕暮れってこんなもんだよねってこと。 汗かくのが不快だったり、冷房のきいた部屋で物語にのめりこんだり…そしたらいつの間にか暗くなって。 なかなか暮れない夏の夕暮れも最近は充分に暑いから、涼しい風が吹いてきたね、なんて感覚はもう覚えていない。

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2021/07/15

夕暮れの長い今の時期、読書好きの資産家の50男稔とその税理士と妻、ドイツで暮らす稔の姉、稔の元妻と実子、店子たち。それぞれが関わり合って話が進んでいく。特別な事件が起きるわけではない。時間が有れば本を読んでいる稔の本の内容も興味深い。けどそれだけ。

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2021/06/16

読書をしている途中に話しかけられる“あの感じ”にすごく共感してしまった。 夢中になりすぎて、実は周りを寂しくさせていたのかも、と思うと少し反省したりもした。

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