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江の島ねこもり食堂 の商品レビュー

3.9

23件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

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2018/05/13

装丁の店を確かめに江の島に行きたくなった。近くにいるのに行くことはほとんどない。たまには行ってみようかな。すみゑから麻布へと脈々と続くねこもりという血。ねこもりという役目はないけど、オイラも親父とお袋からこれでもかっていうほど良くも悪くも血を引き継いでいる。若いときはあんなふうに...

装丁の店を確かめに江の島に行きたくなった。近くにいるのに行くことはほとんどない。たまには行ってみようかな。すみゑから麻布へと脈々と続くねこもりという血。ねこもりという役目はないけど、オイラも親父とお袋からこれでもかっていうほど良くも悪くも血を引き継いでいる。若いときはあんなふうになりたくないと思っていたけど、今となってはしっかり似ていると思うし、昔ほどの嫌悪感はない。なんでだろう?溶子が庄二郎を許し認めるのはちょっとわかるような気がする。「半分亭は猫とお客さんに助けられてつづいてきた店だ」を世代を越えて守る佐宗一家のひとりであることを誇らしく思えるようになったからこそだと思う。今日は母の日。お袋に電話をして、人一倍元気な身体に産んでくれたことを感謝した。喧嘩もするけど家族っていいよね、ってあらためて感じさせてくれる温かい物語だった。

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2018/05/12

ちょっとしたグルメ小説なのかなと思って読み始めました。ところが出だしからなかなかハードな展開。そして話は約100年前に遡り…。江の島にある半分亭という食堂を代々営む女性達のお話です。 江の島には何度か行った事があるので、風景を思い出しながら読みました。半分亭はここら辺にあるのかな...

ちょっとしたグルメ小説なのかなと思って読み始めました。ところが出だしからなかなかハードな展開。そして話は約100年前に遡り…。江の島にある半分亭という食堂を代々営む女性達のお話です。 江の島には何度か行った事があるので、風景を思い出しながら読みました。半分亭はここら辺にあるのかな?と想像しながら。 強くて優しい話にとても感動しました。

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2018/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

江の島で、食堂と島の猫たちの世話を先祖代々やっていた佐宗家。 猫とお客さんに助けられてつづけてこられた店、だった半分亭は 祖父の庄一郎が常連客の借金を肩代わりしたことで、夜逃げという形で店は終わった。 1915年、島に来ていた遊女だった鶴子と出会ったすみゑ。 1963年、すみゑの娘の、体の弱い筆と当時駐在さんだった庄一郎との馴れ初め。 1988年、筆の娘の、気の強い容子が抱いていた江の島の鬱屈と故郷愛。 2002年、容子の娘の、麻布と夜逃げしたこと。 2017年になって、母となった麻布が再び娘と江の島を訪れたこと。 なんか時代感のあるやつだった。 猫いいよね猫。

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2018/02/03

2018.2.3 読了 江の島の 民宿と食堂「半分亭」が舞台。 半分亭の 女子は「ねこもりさん」という 江の島の野良猫の世話をするという仕事?役がある。 大正の すみゑさん(曾祖母)、 筆(祖母)、溶子(母)、麻布の100年の物語。 短編集なんだけど、微妙にリンク。 溶...

2018.2.3 読了 江の島の 民宿と食堂「半分亭」が舞台。 半分亭の 女子は「ねこもりさん」という 江の島の野良猫の世話をするという仕事?役がある。 大正の すみゑさん(曾祖母)、 筆(祖母)、溶子(母)、麻布の100年の物語。 短編集なんだけど、微妙にリンク。 溶子さんの話は 泣けた。。。 ラストもじんわりしました。

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2018/01/26

内容(「BOOK」データベースより) 江の島に「ねこもりさん」と呼ばれる女たちがいた。それは島の猫の世話をするという、とある食堂の隠れた仕事。1915年のすみゑ、1963年の筆、1988年の溶子、そして2017年の麻布。一家の女たちが、ねこもりとして生きたそれぞれの人生は、新しい...

内容(「BOOK」データベースより) 江の島に「ねこもりさん」と呼ばれる女たちがいた。それは島の猫の世話をするという、とある食堂の隠れた仕事。1915年のすみゑ、1963年の筆、1988年の溶子、そして2017年の麻布。一家の女たちが、ねこもりとして生きたそれぞれの人生は、新しい命を結び、未来を繋いでいく。 江の島はデートで何度か行きましたが住むには小さな場所ですね。高尾山中腹のお土産街もそうですけど人間関係が濃厚そうです。昔はそういうのしんどかったけど、今となっては結構憧れますね。4代に渡る食堂の物語で、縛られていると思うか守られていると思うかはその人次第でしょうが、僕なら絶対に飛び出しているでしょう。そして懐かしくて寂しくて泣くんでしょう。彼女達は葛藤は有りながらも島を人を猫を愛して、いつまでもこの島での歴史をつないでいきたいと願っています。図らずも島を出なければならなかった溶子と麻布の3代目4代目はさみしいです。ほんわか温かな話になるのかと思っていたら、結構シビアな展開で胸がしくしくしました。いい話だと思います。

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2018/03/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

舞台は江の島。 そこで民宿を営む「半分亭」は、代々野良猫の世話をする「ねこもりさん」の仕事を任されていた─── 江の島の食堂と猫ちゃん、 想像していたほっこりな世界とはだいぶ違っていました。 一番印象に残ったのは筆の章。 からだは弱くとも、心まではそうならない筆の淡い恋物語がせつなかった。 置かれている時代、場所で、それぞれに精一杯生きた女性たちの友情と約束。 100年かけて返すことができたもの。 長い長い年月を経て、繋がった奇跡。 色々な想いがじわ~っとこみあげてくる物語でした。 猫好きとしては、もっと猫ちゃんがでてきてほしいと思ったりもしましたが、 逆に急所をついて現れる猫ちゃんたちの存在感がすごい。 もうね、ベビーカーの回りに島の猫達が集まってきたシーンには胸がいっぱいで… 守っていたつもりが、守られていたのだなぁと… 約束、はたされました。

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2017/12/28

初めて読む作者の本。 関西在住で、いつも関東へ旅行に行くのに、江の島だけは、列車が、混むので、行く機会を逃している。 この話は、大正時代から、現代に至って、親子三代の「ねこもりさん」と呼ばれる女性と、家族や縁者たちが、描かれている。 江の島の民宿「半分亭」 猫と、お客さんに助...

初めて読む作者の本。 関西在住で、いつも関東へ旅行に行くのに、江の島だけは、列車が、混むので、行く機会を逃している。 この話は、大正時代から、現代に至って、親子三代の「ねこもりさん」と呼ばれる女性と、家族や縁者たちが、描かれている。 江の島の民宿「半分亭」 猫と、お客さんに助けられて続いてきた店が、この本の重要な舞台である。 4代目の麻布が、祖父や親から夜逃げの話がでて、江の島から、出ていく事になるのが、最初の2002年の話で、何がどう話が進んでいくのか?と、心配しながら読み進んだ。 1915年のすみゑ、1963年の筆、1988年の容子、2017年の麻布が、未来へと、絵莉に繋いで行く ねこもりさん。 すみゑが、吉原へ帰る鶴子への貝のかんざしは、預かることにするのだが、、、、時を100年経て、そのかんざしは、ひ孫の麻布が、昔そのままの半分亭を経営している鶴子の孫のマダム桜子へ手渡すことができる所は、少し上手くいきすぎの所があるけど、なんだかホットした気分に浸った。 この表紙の絵の如く、猫が迎えてくれるのだろうか?と、思いつつ、来年は、江の島旅行へと、年末から、夢をはせている。

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2017/11/09

ねこもりって何だろう。 江の島とねこもりのタイトルに魅かれて読んでみた。 江の島に住む半食堂半民宿を営む女性たちの物語。 代々江の島の野良猫たちの世話をする役目を 受け継いでいる女性たちである。 「ねこもりさん」と呼ばれる彼女たちは毎日猫の世話をしている。 お返しに猫に不幸がこ...

ねこもりって何だろう。 江の島とねこもりのタイトルに魅かれて読んでみた。 江の島に住む半食堂半民宿を営む女性たちの物語。 代々江の島の野良猫たちの世話をする役目を 受け継いでいる女性たちである。 「ねこもりさん」と呼ばれる彼女たちは毎日猫の世話をしている。 お返しに猫に不幸がこないように守られるような生活である。 物語は2002年、高校生の麻布がねこもりのとき、 大負債を背覆って江の島から一家が夜逃げする話から始まる。 次の章は1915年、すみゑがねこもりのとき、 島で知り合った少女からある預かり物をし、 きっと取りに戻ってくるからという約束をかわす。 1963年、ねこもりは筆。 1988年、ねこもりは麻布の母である容子と、 麻布の曾祖母の代からの話しが現代へと続いている。 2017年、麻布たちは島から夜逃げして松島に移り住んでいた。 麻布は預かり物を手にして再び江の島を訪れてみる。 そこで、半世紀以上たっての奇跡的な再会を果たすことになった。 ねこもりの女性たちの運命が変わろうとするとき、 きまって関わってくる、島の猫がいる。 背中に太い5本のトラシマ模様をつけた茶トラの猫。 ねこもりの代が変わるように 縁の深い5本のトラシマ模様の茶トラ猫も 代々変わっているようだが、 その縁は受け継がれているようである。 野良猫だが、 ねこもり一家を陰で見守る不思議なトラ猫。 江の島への故郷愛とともにねこたちへの愛情も十分に感じられた。 果たして江の島に「ねこもりさん」は本当にいるのだろうか。 それ以前に江の島は本当に猫の島なんだろうか。 作品内容も面白かったが、 そういう疑問の方が印象深い作品だった。

Posted byブクログ

2017/06/01

タイトルで選んだ初めての作家さん。 江の島で長年営業してきた半分亭。その女主人の親子3代にまつわるお話。それぞれの主人公の若い時の話を中心に人と人のつながりが描かれています。猫との関係性も面白い。 最初はどうなる事かと思いましたが、章立てを見ていたので安心して読み進めることが出来...

タイトルで選んだ初めての作家さん。 江の島で長年営業してきた半分亭。その女主人の親子3代にまつわるお話。それぞれの主人公の若い時の話を中心に人と人のつながりが描かれています。猫との関係性も面白い。 最初はどうなる事かと思いましたが、章立てを見ていたので安心して読み進めることが出来ました。 個人的に江の島関連の本が続きましたし、母娘の三代葛藤話が続きました。 こういう時代を超えてつながる話好きです。 最後はうるっときちゃいます。お勧め。

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2017/05/17

‘’だけど、その狭い世界の中で、大事に育てていたものがたくさんあったのだ。ゆっくり時間をかけてちゃんと育てれば、世界がおのずと 広がっていくようなものが、きっとあったのだ。” 〜 2002年 麻布 〜 “生きているだけで、人は誰かを傷つけることがある。誰かに迷惑をか...

‘’だけど、その狭い世界の中で、大事に育てていたものがたくさんあったのだ。ゆっくり時間をかけてちゃんと育てれば、世界がおのずと 広がっていくようなものが、きっとあったのだ。” 〜 2002年 麻布 〜 “生きているだけで、人は誰かを傷つけることがある。誰かに迷惑をかける。誰かの手を煩わせてしまう。この世に生きるって、きっとそういうことなのだ。” 〜 1963年 筆 〜

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