彼らが本気で編むときは、 の商品レビュー
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ほのぼのした表紙の情景と違って中身はなかなかハードでした。 小学五年生のトモは母と二人暮らし。ですが、母はまた女になって家を空けてしまい、トモは母の弟のマキオのところへ。マキオには大事な人が出来たそうで、その人はリンコといい、トモの目には男に見えて ―― 。 リンコはずっと自分を女の子だと思っていて、どうして周囲に男の子として扱われるのか苦しんでいました。でもそんなリンコをありのまま受け入れて愛してくれた母のフミコ、そしてそのままのリンコを愛してくれるマキオの存在に救われている部分もたくさんあると思います。 リンコにとってトモは自分と同じように周囲に異質な自分を悟られないよう気を張っていて、守ってあげたい存在なのです。 リンコが晒される世間の理不尽さに怒るトモ。 でもリンコはその怒りを編み物をすることで昇華させるのだと言います。 そしてリンコとマキオがトモを引き取って暮らそうと思ってる矢先にトモの母親が帰ってくるのでした。 やっぱりどんな母親だって子どもにとっては母が一番ですよねぇ。というか母親に期待してしまうのだと思います。 一番印象的だったのはリンコの母がトモに「リンコを傷つけたら承知しないよ。たとえあなたがこどもでも容赦しない」と言ったこと。 トモはリンコが羨ましかったでしょうね。切なくなりました。 とても読みやすかったけれど、いろいろと考えさせられる本でした。
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読んでいるあいだ苦しい場面に何度も心を掴まれたような心地になった。 少しの進展はあれど、決して良い方向には進まない彼ら彼女らの生活に現実はこうだとも思いながら何度も救われて欲しいと思う気持ちになる。 一緒に暮らそうと言う言葉に「お母さんと帰る」と言った主人公。きっとこの問答の後も...
読んでいるあいだ苦しい場面に何度も心を掴まれたような心地になった。 少しの進展はあれど、決して良い方向には進まない彼ら彼女らの生活に現実はこうだとも思いながら何度も救われて欲しいと思う気持ちになる。 一緒に暮らそうと言う言葉に「お母さんと帰る」と言った主人公。きっとこの問答の後も主人公の母親は男と出ていき、主人公1人を家に置いても平気な顔をするのだろう。 その時に凛子さんとまた暮らす機会があるのかもしれない。それでも親子にはなれないのだと明確に示されたその状況にもどかしい気持ちと共にやはり、親というのは子にとってどうしようも無いほどに大きく心を占める存在だと実感した。 これを読んだ後映画も見ましたが、かなり凛子さんの演技が上手く引き込まれ、満足が行く様な映像だったので、本で読んでグッときた人はぜひ映画もお勧めいたします。
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本を読んだ後にどうしても映画を観たくなり観ました。 どちらも考えさせられる良い作品でした。 児童相談所はどこを見ているのか…と 実際、あるだろうな…と思う場面があり、とても辛くなりました。 心の美しさを見た目だけで判断するような人にはなりたくないとも思いましたし、人としてどう...
本を読んだ後にどうしても映画を観たくなり観ました。 どちらも考えさせられる良い作品でした。 児童相談所はどこを見ているのか…と 実際、あるだろうな…と思う場面があり、とても辛くなりました。 心の美しさを見た目だけで判断するような人にはなりたくないとも思いましたし、人としてどうかということを正しく見ていきたいとも思いました。
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おすすめされて読んでみる。 予想を裏切るような展開は無いのだけれども、現実はこうなのかなと。ちょっと以前読んだ本と内容が似ていたりもしていてこの先も知りたいと思うより前に話は終わってしまった。 映画も観てみようと思う。また少し話が違うのかな。
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育児放棄とトランスジェンダーを絡ませた話。 映画ではリンコが生田斗真、マキオは桐谷健太。 子ども目線で内容もよかった。 トモのクラスメイト、カイの今後が気になる。
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小学校の頃から、心と体の性が一致していない友人が数名いた。 今でこそ、ジェンダー平等が叫ばれたり、LGBTQ+への理解が進んできたが、彼ら彼女らの当時の生きづらさは今思うと相当なものだっただろうな。 私を含め当事者でないものが進んで理解しようとする姿勢(教育)が大切で、まだまだ少...
小学校の頃から、心と体の性が一致していない友人が数名いた。 今でこそ、ジェンダー平等が叫ばれたり、LGBTQ+への理解が進んできたが、彼ら彼女らの当時の生きづらさは今思うと相当なものだっただろうな。 私を含め当事者でないものが進んで理解しようとする姿勢(教育)が大切で、まだまだ少数派とされている方々がもっともっと生きやすい"多様性を当たり前に受け入れる世の中"になっていってほしい。 物語の中には、他にもネグレクトの問題が取り上げられていて、内容を一切知らずに手に取ったが思いのほか色々と考えさせられる小説だった。
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今年100冊目の本。 育児放棄されているトモとトランスジェンダーのリンコ、その彼氏でありトモの叔父のマキオの話。 小さいときから心は女の子で体が男の子だったリンコ。その辛い体験が悲しかった。 リンコの 「お母さん、アタシね……オッパイがほしいの」 この魂の叫びのような一言が...
今年100冊目の本。 育児放棄されているトモとトランスジェンダーのリンコ、その彼氏でありトモの叔父のマキオの話。 小さいときから心は女の子で体が男の子だったリンコ。その辛い体験が悲しかった。 リンコの 「お母さん、アタシね……オッパイがほしいの」 この魂の叫びのような一言が辛かった。 これに答えるお母さんのフミコ 「そうだよね。リンちゃん、女の子だもんね」 このやり取りが泣けた。 なぜ、LGBTの人達への偏見があるんだろうか?その人はその人であって、それ以上でもそれ以下でもない。
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映画を元に書かれた小説だと知らずに読み始めました。 読み終わった時に心がほっこりと温まる話でした。リンコが大好きになりました。身近にいたらいいのにと思いました。 舞台背景や設定などをあえて説明せず話の流れでわかるように書かれているところが、まどろっこしくなく良かったです。 トモが男なのか女なのか、(読み進めれば自然とわかるが)あえて断言して説明していないのは、題材から考えるとあえてのことなのかもしれません。 個人的に、どんな背景があろうと育児放棄する親が嫌いなため、2万円だけ渡して出て行ってしまった母親の元にトモが結局戻ってしまったところは、心が痛く辛かったです。 トランスジェンダーへの理解に乏しい人たちが悪者っぽく書かれていたが、それよりも最も責めるべきは逃げた母親です。 もっと改心させるなり、辛い思いをさせてもよかったのではと思ってしまいました。
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トモ、リンコ、マキオの夢みたいな日々。 ずっと続いてほしいと思った。 たくさん辛い思いをしてきたリンコとトモ。 その分いっぱいの幸せを味わってほしい。 久しぶりに小説を読んで泣いた。
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ネグレクト気味のヒロミに育てられたトモと叔父のマキオと恋人のリンコの疑似家族のお話 母親であるヒロミがお金を置いて突然家を出て、一人になったトモは叔父のマキオの元に身を寄せる マキオの家にはトランスジェンダーのリンコが同棲していた 女性よりも女性らしいリンコの、母親から注がれた...
ネグレクト気味のヒロミに育てられたトモと叔父のマキオと恋人のリンコの疑似家族のお話 母親であるヒロミがお金を置いて突然家を出て、一人になったトモは叔父のマキオの元に身を寄せる マキオの家にはトランスジェンダーのリンコが同棲していた 女性よりも女性らしいリンコの、母親から注がれたことのない種類の愛情に困惑しつつも次第に打ち解けていくトモ 原作は映画で小説は完全ノベライズ 監督は荻上直子 「かもめ食堂」「めがね」「レンタネコ」のいつものキャストはいないし、意味不明な設定はない 小説のオリジナル要素はない 映画では割とわかりやすい風景描写だったけど、それが明文化されることでより監督の伝えたかった情報がより明確になる トモがシジミのしょうゆ漬けや切り干し大根が好きと言った理由とか 冒頭の下着の描写の意味とかね あと、シーンごとの登場人物の心象が描かれるので、そこは映像では100%の人に伝えられない部分なのでノベライズで初めて知った事もあってよかった 全編通じて描かれてあるのは、カイが母親のナオミに問いかけた「普通って何?」なんだろうな 普通の親子、普通の性別とか トランスジェンダーを取り扱っているのでそっちが目立つけど、母親と子供の愛情の認識のズレがそこかしこに描かれてある 愛情のかけ方の違いと受け方を知らない子供 トモとヒロミはおにぎりを始めとした様々なもの サユリとヒロミは編み物 サユリとマキオは過干渉 ナオミとカイは普通の強制(矯正の方か?) ナオミの行動に関しては、このお話ではネガティブに捉えられがちだけど 根本は子供の人生のためを思っての事なんだよな と、気付けるのは今の自分だからなんだろうなぁ 昔だったらそこまでの考えに至れたかどうか…… なので、決して悪と言えるものでもないんだけどね ヒロミが優先順位を間違えるように ナオミも間違いをする 対称的にフミコとリンコは完全に受け入れという状態 果たしてこれが正解かというと一概にそうも言い切れないような気がする でもまぁ、子供が救われるなら何でもいいんだ 「リンちゃん、女の子だもんね」という言葉にリンコがどれだけ救われたかを想像するとね ってか、小説を読んで知ったけど、その認識はこのとき初めてだったのね 映画では昔からのような自然な振る舞いと受け取ったからなぁ あと、リンコを傷つける人は誰だろうと許さない容赦しないと言い切るのはすごいなぁと思いつつ、自分の親からの愛情のかけられ方にも通じるものがあるなぁとも思う 親は自分の子供が一番かわいいと言い切っていいと思うよ そんなフミコからリンコが受け取った愛情の象徴は偽乳の編み物 だからこそリンコがトモをどう思っているかという描写に繋げる演出はとても好き ま、トモにとって偽乳は必要なものではないけど、愛情の象徴として受け入れるかどうかってとこなんだろうね トランスジェンダーに関しては、ナオミと病院の病室と児童相談所あたりが偏見として表現されている ってか、映画の江口のりこのはまり役っぷりといったらもうねw 感じ悪く描かれてあるけど、その体制によって救われる子供もいるのがわかっているから何とも言えないなぁ 映画の生田斗真の演技もうそうだけど、トランスジェンダーの人はより女性らしい仕草をするというイメージはある リンコの同僚の佑香は口調も態度も女性らしさとは違う方向だけど女性に見えるというのは、やはりそこに壁があることを表現してるのかね? マンガの「げんしけん」でも波戸が吉武とそんな比べ方をしてたよね あと、トモがヒロミの服を破いて顔を埋めるとこと リンコがトモのタオルハンカチで泣くところも対比になってるんだろうなぁ 親を求める子供と子を想う立場としての存在、そして母親の代わり以上にはなれたけど母親にはなれないということか と小説を読んでて気づいた このお話は映画を見たほうがいいな 私の想像力では小説を読んでもあの雰囲気はどうしても感じる事はできない 映画の追体験としてしか消費できない
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