1,800円以上の注文で送料無料

カブールの園 の商品レビュー

3.4

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/11/03

2024.10.13 こないだ読んだ宮内悠介さんの『半地下』はアメリカのプロレス団体WWFをもとにされてそうな話で、こんなニッチな分野を文学にするのすごいし、メジャー商業誌で載るのすごい。 スワトーンボムしまくって尾骨擦り減った姉テラカワイソス。しかも受け身を取らないキャラクタ...

2024.10.13 こないだ読んだ宮内悠介さんの『半地下』はアメリカのプロレス団体WWFをもとにされてそうな話で、こんなニッチな分野を文学にするのすごいし、メジャー商業誌で載るのすごい。 スワトーンボムしまくって尾骨擦り減った姉テラカワイソス。しかも受け身を取らないキャラクターなんて怖すぎる。オーエン・ハートの事故を思い出した。 #読了 #読書

Posted byブクログ

2024/07/21

表題作は第30回三島由紀夫史受賞作,第156回芥川賞候補作。一捻りのある設定をあっさりと進め,さも意味のあるかのような文章で締めた感じで,n=1社会学レポートに落ち着いてしまったか。せっかく発想と内容は面白いので,どうせなら長編で突っ切る方が良かったかもしれない。

Posted byブクログ

2020/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思っていた内容と違っていた。 アメリカの社会問題が描写されている作品で、考えさせられるけど、少し難しいというよりは、文章表現自体が自分と合わず、全く頭に入って来なかった。飛ばしながらさっと読む程度になってしまいました。

Posted byブクログ

2020/01/28

中編2編 「半地下」が良かった.壮絶でありながら当たり前の学校生活の中に溶け込み,あちこちが痛いと言う感覚に包まれながら読み終わった.子供時代のヒリヒリするような友情(?)が印象的だ.父親は逃げたのか死んだのかがわからないのが気になる.そして,姉の献身ともいえる生き方が悲しかった...

中編2編 「半地下」が良かった.壮絶でありながら当たり前の学校生活の中に溶け込み,あちこちが痛いと言う感覚に包まれながら読み終わった.子供時代のヒリヒリするような友情(?)が印象的だ.父親は逃げたのか死んだのかがわからないのが気になる.そして,姉の献身ともいえる生き方が悲しかった.

Posted byブクログ

2019/10/02

旅先のホーチミンシティで読んだ。 自分のいる場所と本の場所、グルグル回って、 深く読めた気がした。 自分の国籍とアイデンティティと、人生の、ちょっと切ない話。 残るのは希望。

Posted byブクログ

2019/06/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作は,アメリカで生きる日系人の女性が,母親(いわゆる毒親)との確執を克服する話. もう一編の「半地下」はアメリカで孤児同然で生きる姉と弟の生活を弟の視点で描いた話.こちらはちょっと「青い」気がした.

Posted byブクログ

2019/01/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日系アメリカ移民の生き様を主題にした中編2編を収録。今までの宮内作品とはちょっと違う純文学テイスト。 ちょっと俺にはなじまなかったかな、読めないことはないが、伝わってくるものが分かりにくく、読んでいても感情が動かなかったのが残念。 決して駄作ではないと思うので、趣味趣向の違いなんだろうなぁ。

Posted byブクログ

2021/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「VRエレメンタリー」なるSFチックなガジェットが出てきたけど、全然SFじゃなかった。人種差別をただのイジメと思いたがる主人公の気持ちをスルーしたくはないけど、いかんせん、物語としては薄かった…

Posted byブクログ

2018/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

話の中にアフガニスタンは出てきません。題名の由来は、話の中で語られます。三島由紀夫賞受賞、芥川賞候補作。著者は、SFから純文学までレパートリーが広い。

Posted byブクログ

2017/08/09

宮内悠介の純文学とはどんなものか、と読み始めたらなんだかSFチックな設定もあって、やっぱりな、と思ってみたり、でも文章の肌触りはあくまでも純文学で、これはどのカテゴリーに入れるべきなのだろう、と考えたりした。しかし結論としては、そのどちらでもいい、ということになるのではないだろう...

宮内悠介の純文学とはどんなものか、と読み始めたらなんだかSFチックな設定もあって、やっぱりな、と思ってみたり、でも文章の肌触りはあくまでも純文学で、これはどのカテゴリーに入れるべきなのだろう、と考えたりした。しかし結論としては、そのどちらでもいい、ということになるのではないだろうか。 強いて言うなら、「マイノリティ文学」とでも呼ぶのだろうか。 収録されている2編は、どちらも「マイノリティ」を主題としている。血や人種としてのマイノリティ、言語や国籍としてのマイノリティ。世代として、表現として、文化として。主人公としての「わたし」と「僕」を、様々なマイノリティとして捉えている。 「カブールの園」の主人公の「わたし」は、web上でユーザーが音楽を自由に「混ぜ合わせる」システムを開発する企業に勤めていて、それが成功の糸口をつかむところで物語が締め括られる。 「半地下」の主人公の「僕」は、自分の内面を分かつ二つの言語を、自分の中で「混ぜ合わせる」ことに腐心している。 ある集団からマジョリティをより分けた後に残るものが「マイノリティ」だと解釈するのが簡単なように思えるけれど、 この「混ぜ合わせる」ということこそが、「マイノリティ」の本質なんじゃないだろうか。 二つの音楽(例えばイタリアのチェリストとパレスチナのDJ)を混ぜ合わせて、新しい音楽を作ること。 二つの言語(例えば日本語と英語)を混ぜ合わせて、新しい言語を作ること。 そういった、既存の何かが混ぜ合わさって作られた新しいジャンルこそが、「マイノリティ」と呼ばれるカテゴリなのではないだろうか。 何か新しいものを見付けると、人はとにかくそれをカテゴライズしたがる。そして分かった気になる。「分かる」とは「分ける」と同義だから。 けれど、そうやって「分けよう」とすることが無意味であり、無価値であると、 存在によって示そうとする文学なのだと感じた。

Posted byブクログ