時が見下ろす町 の商品レビュー
私事ながら、本書を読んでいる最中にコロナに感染してしまった。おかげで、短編ごとの時計台とのかかわりを楽しみにしていたのだが、記憶に時間の壁ができてしまった。いつか再読したい。
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うーん、短編集だった、 一捻りあって面白いけど、まあ、読んでも読まなくても良い。 もっと、ひとつひとつを深く書けばいいのになぁ、もったいない、と、思っちゃう。 孫娘は実はいい子だったんだね。
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図書館で借りて読んだ。 8章で形成されている。ある町のシンボル的建物「時世堂百貨店」の周辺で起こる出来事。章ごとは別エピソードで直接の濃い繋がりはない(もう一度読み返したら、伏線が散りばめられているのかもしれない。)が、登場人物が一部被っている。そして時代は遡っていく。各章は短...
図書館で借りて読んだ。 8章で形成されている。ある町のシンボル的建物「時世堂百貨店」の周辺で起こる出来事。章ごとは別エピソードで直接の濃い繋がりはない(もう一度読み返したら、伏線が散りばめられているのかもしれない。)が、登場人物が一部被っている。そして時代は遡っていく。各章は短いのだが、それぞれが良質で、消化不良感も結論を急ぎ過ぎる感もなく、見事に完結しているのが気持ちが良い。 一番印象に残ったのは第一章。孫の鋭い観察眼に救われた祖母の話し。ある日、留守番を頼まれた孫が、急に泊まっていくと言った真意は?私は最後まで気が付けなかった。第二章も、最後のどんでん返しにやられ、印象に残っている。
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著者のヒット作「教場」同様、冷ややかなのに、温かな視線と伏線の仕掛けが印象的な短編集。また、過去に遡って登場人物が連なっていく連作の形式をとっている。 自分としては、精神科医が患者と「融合」し、「転移」や「逆転移」といった現象が起きることに注目した「暗い融合」、数式配列マニアとい...
著者のヒット作「教場」同様、冷ややかなのに、温かな視線と伏線の仕掛けが印象的な短編集。また、過去に遡って登場人物が連なっていく連作の形式をとっている。 自分としては、精神科医が患者と「融合」し、「転移」や「逆転移」といった現象が起きることに注目した「暗い融合」、数式配列マニアというエキセントリックな人物を取り上げた「撫子の予言」が面白かった。 第一章で抗癌剤治療に苦しむ四十年連れ沿った夫を介護する妻の心の内側が描かれ、第八章で二人の奇妙だが、奇跡的な出会いに遡るところがこの連作の収束点なのだろう。 全体としては、今回も期待を裏切らない作品が集められていると感じられる反面、第四章に描かれたやくざの世界や第七章の血なまぐさい殺戮の場面はあまり、いい感じがしなかった。
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- ネタバレ
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自分の本の好みとして、短編があまり好きじゃないみたい。 んでもって、最後はまた最初の話に戻って幸せになりましたとさ、チャンチャン、て。 んな訳ないだろ。 こんな小さな町で色々事件が起こるなあ。
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一つの町の中で起こる事件を描く連作短編集。 前の話に出てきた登場人物が次の話のどこかで出て来るという構成はよくあるパターンだが、この作品は更にある仕掛けがしてある。タイトルにもそれが込められているのかも。 各話の謎解きとしては力技のような印象を持つものも多かったが、人間ドラマと...
一つの町の中で起こる事件を描く連作短編集。 前の話に出てきた登場人物が次の話のどこかで出て来るという構成はよくあるパターンだが、この作品は更にある仕掛けがしてある。タイトルにもそれが込められているのかも。 各話の謎解きとしては力技のような印象を持つものも多かったが、人間ドラマとしては楽しめた。 最後の話がきちんと冒頭の話に繋がるのも良い。 ただ全体的には暗い。 泥棒、ゆすり、ヤクザ、児童追い回し、詐欺…こんな人たちが集まる町って…。
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様々に変わりゆく風景の中で、唯一変わらなかった大きな時計が目印の百貨店。その前で繰り広げられてきた、時に哀しく、時に愛しい事件とは? 精緻で心温まる連作ミステリー。 薄くつながる連作短編集。梗概にある通り「時に哀しく、時に愛しい」のだけれど、いつもの長岡弘樹のような切れ味は感じ...
様々に変わりゆく風景の中で、唯一変わらなかった大きな時計が目印の百貨店。その前で繰り広げられてきた、時に哀しく、時に愛しい事件とは? 精緻で心温まる連作ミステリー。 薄くつながる連作短編集。梗概にある通り「時に哀しく、時に愛しい」のだけれど、いつもの長岡弘樹のような切れ味は感じられなかった。 (C)
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とある街に起きた小さな出来事の数々。例えば,夫が癌を患っている老夫婦のところで居候を始めた不良の孫娘。孫は叔母に庭のある花の色を変えられるかどうかという賭を申し込む(「白い修道士」)。時間を越えて登場人物が連係する連作短篇集。折り重なった悪意と善意が描いてみせる人間模様。
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変わりゆく街で繰り広げられる、さまざまな事件は過去を解く鍵に。祖父を介護する祖母の家に居座る孫、必死に駆け抜ける駅伝選手、違和感を抱きつつ空き巣に入る犯人・・・など、最終章はあぁなるほど、そういうことかぁ〜っと納得(笑)
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長岡弘樹さんの著作は初読みでした。 非常に精緻な連鎖形の短編集。 時世堂百貨店の大時計が見下ろす土地で起きた出来事を時間を少しずつ遡りながら8つの短編で紡ぐ。登場人物も微妙にリンクさせていて、結果、ぐるっと回って戻ってくる。それらの出来事を大時計が見下ろしながら繋いでいるというの...
長岡弘樹さんの著作は初読みでした。 非常に精緻な連鎖形の短編集。 時世堂百貨店の大時計が見下ろす土地で起きた出来事を時間を少しずつ遡りながら8つの短編で紡ぐ。登場人物も微妙にリンクさせていて、結果、ぐるっと回って戻ってくる。それらの出来事を大時計が見下ろしながら繋いでいるというのがタイトルの意図するところか。 それぞれ独立した短編としてもまとまっているし全体を通して読み終えたときにはパズルが完成したような爽快な気分になった。
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