光秀の定理 の商品レビュー
歴史小説ではなく「現代小説」。
2023年10月読了。 2023年10月読了。
「歴史小説」に於いて、これ程有名で王道のテーマであるのに、現代の日本人に“今、此処に在る私達が考えるべき問題”として直接突き付ける「現代小説」として書き切った、著者の筆力と発想の奇抜さ、そして論理構成の巧みさに、心からの拍手を送りたい。
「歴史小説」に於いて、これ程有名で王道のテーマであるのに、現代の日本人に“今、此処に在る私達が考えるべき問題”として直接突き付ける「現代小説」として書き切った、著者の筆力と発想の奇抜さ、そして論理構成の巧みさに、心からの拍手を送りたい。
小説内の人物は(架空であるにせよ)、意図的に「現代の言葉」で語っている。それは「ある一時代の歴史」ではなく「普遍的な真理」について、有る者を糾弾し、また別の者を弁護しているからだ。そしてそれらは、決して小説内ではなく、恐ろしい程の精度で読者、即ち”読んでいる私達“へと向けられているからなのだ。
未読の方には、篠田節子氏の簡潔にして的を射た解説と共に、大いに驚き、そして自分達の”国“について熟考する事になることだけ、お伝えしておきたい。
こんな”歴史小説“を、私は今まで読んだ事は無い。
これ以上の言葉が出て来ない。とにかく「途轍も無いもの」を読んだ。これは正に傑作だ。
左衛門佐
素晴らしい時代小説だった。 ものの考え方、捉え方、読んでいて心地よく、人生の指南書のようであった。 光秀が主人公であるが、その人物像をより際立足せるために、愚息と新九郎がいる。 この2人なとても気持ちよく、気付かされることが多かった。本能寺の変を起こした光秀の評価は、時代を経て変...
素晴らしい時代小説だった。 ものの考え方、捉え方、読んでいて心地よく、人生の指南書のようであった。 光秀が主人公であるが、その人物像をより際立足せるために、愚息と新九郎がいる。 この2人なとても気持ちよく、気付かされることが多かった。本能寺の変を起こした光秀の評価は、時代を経て変わってきている。 手元に置いておきたい、お気に入りの一冊に出会えた。
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モンティ・ホール問題を軸にした少し変わった構成の物語で、知的な面白さがある一冊。ラストでは本能寺の変にも触れられていて、明智光秀の性格が細かく描かれているのも印象的だった。光秀を扱った作品は多いけど、本作は少し違った角度から描かれていて新鮮に楽しめた。
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非常に面白かった。内容も然ることながら破戒僧・愚息が抜群に魅力的だった。本能寺の変そのものを描かないというのも良かった。
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お椀の話はモンティ・ホール問題というらしいが、不思議だ。創作の新九郎と愚息という魅力的なキャラクターを上手く使って諸説ある明智光秀が本能寺の変に至った考えをひとつの説得力のある形にしている。冒頭にダーウィンの進化論に関する言葉があるが、まさにそれが本作の主題という感じで上手く組み...
お椀の話はモンティ・ホール問題というらしいが、不思議だ。創作の新九郎と愚息という魅力的なキャラクターを上手く使って諸説ある明智光秀が本能寺の変に至った考えをひとつの説得力のある形にしている。冒頭にダーウィンの進化論に関する言葉があるが、まさにそれが本作の主題という感じで上手く組み立てられている。
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色々考えさせらつつ、納得したりの・・・、とにかく楽しくないと続かないって事だね。 久しぶりに一気に読んでしまった!
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新九郎が馬鹿な武士から、賢く成長する姿がいい。また、愚息の真理を悟った生き様が素晴らしく物語全体をまとめている。 光秀と藤孝の関係性が考えさせる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2025/12/16読了 "本能寺の変"の描写が出てこない明智光秀の話でどっちかと言うと脇役の若き兵法者・新九郎と辻博打を行う破戒僧・愚息がメインの内容。愚息が行う博打は「四つの椀のうち、一つに石を入れ、どの椀に入っているかを当てる」というもので、最終的に親が必ず勝つ。これは18世紀の英国人ベイズが発見した条件付き確率の定理に基づいている、と作者は明かしているという。光秀は初陣である長光寺城攻めで「四つの椀」を活かした戦略で完全勝利する、というシーンが出てくる。いずれにしろ変わったテイストの光秀伝だ。
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信長の定理と同じく、有名な定理を歴史上の人物の個性を説明するために引用するという独自の試みです。 光秀本人ではなく主に架空の第三者に語らせるところが信長の定理とは異なり、完全なワンパターンを避けているところが良い。 歴史に「〜たら」を言っても仕方ないですが、光秀が天王山で秀吉に敗...
信長の定理と同じく、有名な定理を歴史上の人物の個性を説明するために引用するという独自の試みです。 光秀本人ではなく主に架空の第三者に語らせるところが信長の定理とは異なり、完全なワンパターンを避けているところが良い。 歴史に「〜たら」を言っても仕方ないですが、光秀が天王山で秀吉に敗れていなかったら日本はどうなっていたのか。もしかしたら徳川幕府も誕生せす、全く違う現在だったのかもしれません。
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ここまで本能寺の変に触れない明智十兵衛光秀とは…意外に意外。ですが新九郎と愚息という架空人物の起用によって、光秀の人となりがよく出ていた(知りませんが)のだと思います。面白かったし、さらに明智光秀が好きになりました。近いうちに信長の原理も読まなきゃです♫
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