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狂うひと の商品レビュー

4.2

31件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

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2025/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

わざと読ませるとかプレイも過ぎる 病んだ妻の要望に応えすぎ 妻も妻だけど、夫もどうかしてる ドM同士のプロレス 自分たちの事だけじゃなくて子どもたちのことをもう少し労われ。

Posted byブクログ

2025/04/25

重たい。 島尾敏雄とミホのことを初めて知った。 激しく、重く、濃い二人の人生。 生臭さから逃れられず、絡め取られるように読んだ。 最大の事件が千葉県佐倉市で起きたことも感慨深い。

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2023/06/12

私は島尾ミホさんの「海辺の生と死」を先に読んでおり、美しい加計呂麻島の自然の中で育ち、終戦間近に島尾敏雄と出会って恋に落ちるミホさんの半生が豊かな感性で描かれる本作に感銘を受けましたもので、 じゃあ、まあひとつ、「死の棘」も読んでみるか…という感じで「死の棘」を読んだのですが… ...

私は島尾ミホさんの「海辺の生と死」を先に読んでおり、美しい加計呂麻島の自然の中で育ち、終戦間近に島尾敏雄と出会って恋に落ちるミホさんの半生が豊かな感性で描かれる本作に感銘を受けましたもので、 じゃあ、まあひとつ、「死の棘」も読んでみるか…という感じで「死の棘」を読んだのですが… 夫婦の正視できないような凄惨な家庭崩壊の図、その昏さに「あー読まなきゃ良かった」と心底後悔したものです。 加計呂麻島の美しい自然のなかで心が洗われるような清らかな恋…からの目を背けたくなるような地獄絵図…。 「死の棘」は自分にとっては「イヤミス」ならぬ、「イヤ私小説」でした。 しかしながら、自分の不貞によって精神を病んだ妻に寄り添い、時には一緒に入院するなど献身が美談とされた「死の棘」。 でもこれが本当に美談なのか? 敏雄氏が震災も体験せず、特攻も出撃を翌日に控えて終戦し、小説のネタになるような事が身の回りにないのをコンプレックスに思っていた事や、 気に入った女がいる時に、わざと日記を読ませるように仕向けて間接的に口説くのが敏雄氏の常套手段だった事などから 「死の棘」に書かれた家庭崩壊の発端となる日記…これが敏雄氏の企てではないか? との推論を掲げて、敏雄氏の生い立ちや交友関係などを緻密に積み上げて論証していったり、ミホさんの方ももちろん、生い立ちや彼女の発言や作品などからパーソナリティを読み解き、「死の棘」を読んだだけでは想像もできない作品の裏の顔を炙り出していくルポルタージュはお見事! 内容も重厚でしたが、本も重厚で、持って歩くのに苦労しました。 でも大変興味深い内容で読み応えがありました。

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2023/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「死の棘」についても、島尾ミホというひとについても、何も知らなかったけれど、とても惹かれた本。 最初に加計呂麻島の地図が載っていて、離島もののミステリみたいだな…と思ったけれど、それほど間違いでもない気がしている。 島尾とミホは「島の守護者」と「島の巫女である少女」であり、だからふたりは惹かれあうのは必然、という「神話」が、定説になっている、らしい。著者はそれを疑問に思う。 なんていうか、男のひとが好みそうな「神話」だなあ、などと思ってしまったけれど、最後にはミホ自身がその「神話」を守ろうとしていたことが分かって、なんとも複雑な気持ちに…。 「小説のためなら何でもする」島尾。小説を書くほどの「業」が自分にはないと思っていた彼は、小説のために愛人をつくり、愛人について書いた日記を、わざとミホに読ませる… そうして書かれたのが「死の棘」。 けれども、晩年にはその小説を否定している。 教え子には「あれはくだらないもの」とまで言っている。 島尾は何もかもを「書く」。書かずにはいられない。毎日日記をつける。ミホに見せない裏日記もあったらしい。 ミホとの関係も「書く」「書かれる」ことから始まる。 「死の棘」以降、ミホの望むようにミホを書き、疲弊する島尾。 「死の棘」は、「愛される妻の物語」だということにしたかったミホ。 正直に言うと、島尾に関しては自業自得では…という感想になってしまう。それでも書きたかったんだから仕方ないのでは… そして「書く」ということで、ものごとは規定されてしまうのだなあ。 ほんとうのことは、言葉にはできない。でも言葉を尽くすということを諦めたくない。それはずっと私自身が思っていることなのだけれど、このふたりのかたちは、それを突き詰めた結果のひとつ、なのかもしれない、と思う。

Posted byブクログ

2022/02/14

凄いものを読んだ。狂うことが「起死回生の道」とは。無私の愛も突き詰めると強烈なプライドの裏返しなのか、出逢ってはいけない男女が出逢ったのか、だとしたら他に・・・どうしようがあったのか。南島の巫女(少女)云々言ってる男性評論家陣の定説が覆っていく過程が実にカタストロフ。丹念な取材と...

凄いものを読んだ。狂うことが「起死回生の道」とは。無私の愛も突き詰めると強烈なプライドの裏返しなのか、出逢ってはいけない男女が出逢ったのか、だとしたら他に・・・どうしようがあったのか。南島の巫女(少女)云々言ってる男性評論家陣の定説が覆っていく過程が実にカタストロフ。丹念な取材とそこから浮かび上がる事実を読み解く能力、いやいや梯久美子さんは恐るべき人。十一・十二章がまた見事で、一見冷徹なようで、掬い上げるところも忘れていない。もっともらしくまとめた定説にも実は裏があるかもよ、ということを学んだ。 --- しかし書くことの業の深さよ。自分は書き文字の重さを信じる質なので、本文中に何度も言及される審きの日(十七文字)の下りとか、「あいつ」のモデルになった人がどれだけ生き地獄だったかはめちゃくちゃわかる。というわけで基本的にテキストベースのコミュニケーションであるSNSやメールなんぞを侮る無かれ、「大事な話は対面口頭で」。

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2021/11/14

併読している本が多いことを差し置いても、読了まで一年半もかかった本はこれが初めてかもしれない。 読み進めていると、みぞおちが痛むような暗い気持ちになって、なかなか進まなかった。島尾敏雄の「死の棘」を読んでいるときもそうだったが、「目の前を過ぎて行くものを目のまえでとらえて記録する...

併読している本が多いことを差し置いても、読了まで一年半もかかった本はこれが初めてかもしれない。 読み進めていると、みぞおちが痛むような暗い気持ちになって、なかなか進まなかった。島尾敏雄の「死の棘」を読んでいるときもそうだったが、「目の前を過ぎて行くものを目のまえでとらえて記録する」接写的世界観の島尾の文体は、目眩や吐き気を覚える感覚がある。 物事を仔細に捉える「目」を持つ二人の、「知力も体力もある者同士の総力戦」(長男、島尾信三氏の言葉)を徹底的に掘り下げて、今まで言説されてこなかった真相。読む方も何かを差し出さなければならない気持ちになるような、身を削って書かれた名作「死の棘」と、その主軸となった妻、島尾ミホを巡るノンフィクション。 誰も検証すらしてこなかったミホを巡る巫女的な見方や夫婦愛の描かれ方に疑念を抱いて、丹念に取材を重ねて得られた新しい見方。そのプロセスをまた詳細に記録していく様。 「狂っていたのは妻か夫か」 帯に踊る見出しが、著者の梯氏にものりうつったかのような熱量の文章だった。 創作の犠牲になって狂っていった小説家の妻を描いた作品といえば、「HEROINES」(ケイト・ザンブレノ)を思い出すが、島尾敏雄とミホは、互いの血肉を貪り合ってるような凄まじい生き様を私達に見せつける。 作中、ミホの著作にも触れられていたが、断片的に引用されたそれを読むだけで、ミホもまた天才的な書く人でありまた見る人であったことがわかる。 「小舟に乗った漂流者」、そのようにしか生きられなかった二人。そう思われていた「死の棘」の世界だが、書くこと、書かれることを互いに繰り返しながら生き切った、凄まじい2人の生命の記録だったのだとも思えた。

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2020/11/04

900ページの大作。とにかく凄まじいの一言。文字で記録することに固執し続けた作家と、見たものを記憶することに特別な感覚を持っていたその妻。二人の死後残された遺品、日記、手紙、書きかけの原稿など、段ボール箱数百個の膨大な資料を網羅し、生き残った関係者へヒアリングを重ね、辻褄を合わせ...

900ページの大作。とにかく凄まじいの一言。文字で記録することに固執し続けた作家と、見たものを記憶することに特別な感覚を持っていたその妻。二人の死後残された遺品、日記、手紙、書きかけの原稿など、段ボール箱数百個の膨大な資料を網羅し、生き残った関係者へヒアリングを重ね、辻褄を合わせ、高く評価された「死の棘」がどのように作られたのか、本当は何かあったのかを読み解くノンフィクション。この積み重ねの結果の一冊として、とても価値あるものだし、「作家の仕事」の極みだと思う。ただ、個人的には「死の棘」を読みたいとは思わないなあ。

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2020/09/30

梯さんによる終始冷静な視点がいい。ミホさんに実際にお会いして、その独特に存在感を認識しながら決して流されることなく、「事実」を見つけようと考察している。死の棘で言われた「究極の夫婦愛」という理想化された視点ではなくて、なぜそう解釈されたのか、では実際は、と順序だって探っていく姿勢...

梯さんによる終始冷静な視点がいい。ミホさんに実際にお会いして、その独特に存在感を認識しながら決して流されることなく、「事実」を見つけようと考察している。死の棘で言われた「究極の夫婦愛」という理想化された視点ではなくて、なぜそう解釈されたのか、では実際は、と順序だって探っていく姿勢がすごい。ミホさんが生きていた当時に評伝を書かれていたら、きっとここまでの客観性は保てなかったのではないかな

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2020/09/12

身につまされる夫婦関係とその実情。 冒頭の手紙が人の気持ちが入り過ぎていて、本当に恐ろしい。 島尾敏雄の死後からのパートは読み応えがないが、その間にミホが喪服で過ごしていたことの理由をもっと深掘りして欲しかった。

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2019/06/24

「図書」2019年6月号で梯久美子さんの対談を読んで興味を持った。今自分のテーマになっている「聞き書き」の流れで。 しかし怖かった…。

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