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氷結(下) の商品レビュー

3.8

19件のお客様レビュー

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2025/10/21
  • ネタバレ

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フランスの作家、ベルナール・ミニエの警部セルヴァズシリーズ第一弾。 ピレネー山脈の高度2,000メートルにある水力発電所で、吊るされた実業家の馬が発見される。実業家への復讐かと思われたが、馬の死体から、近くの精神病院に収監された重犯罪者のDNAが発見され… 久しぶりにフランスの警察小説を読んだが、手堅さの中に、フランスミステリにありがちなツイストが仕込まれていて、あらすじや序盤の展開からは想像しなかった着地点に導かれる。 ぶっちゃけ展開の妙だけでミステリとしては強くなく、主役のセルヴァズも右往左往で周辺の仲間たちの活躍が目立つ。心理士の視点もそこまで必要だったのかと思うほど。なんだけど、え、そういう話なの?という感じで、気づかないうちに全く違うところへ連れていかれる展開が良い。 若干冗長で中弛みしそうだが、独特の味わいがある警察小説を読みたい場合はぜひ。

Posted byブクログ

2024/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これはやばい。一気読み必至。読み終えずに眠れない! この作品が処女作と聞いたけど、重厚な語り口調やめちゃくちゃ魅力的な登場人物たちに持ってかれまくり。手が止まらない! 犯罪の突飛さととにかく美しい地の文に引っ張られて気がつくと、実は現在軸の殺人はそこまで多くはないんだね。ただ、過去の悲惨な事件もあったし、あとなんといってもところどころ教養のあるエピソードが挟まれて退屈しない。 これはまた、良い読書体験だったよなー! 凍えるような描写、閉塞的な環境、だんだん不安定になる主人公…ある意味全てが筋が通っていて、読み終わって余りの完成度に声が出ちゃった。 うーん、これはまた、作家買い決定。 美しくて切なくて、凍える物語。最高!

Posted byブクログ

2023/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻から少し時間を置いての読了。相変わらずするする読めて感嘆したが、一つ前に読んだミステリのことを思うと、翻訳者のおかげも多分にあるのだろうなあと再認識した。 同シリーズの「姉妹殺し」から読み始めたため、一部人物のネタバレを知ってしまってはいたものの、本筋にはさして影響なし。犯罪グループと語らぬ被害者周りの設定は海外ミステリで割とよく見るステロタイプという感じで、ドラマの「トゥルー・ディテクティブ」なんかを思い出す。真犯人の大富豪は上巻の事情聴取?で出番の尺と人間的魅力を使い切ったようで、その後は容疑もかけられず出番がほぼなかったために、終盤の捕り物シーンはいまいち盛り上がらず、ただの記号的な犯人として処理されてしまった感がある。 などと文句を垂れはしたが不思議と面白く読めた。主人公周りの人物に好感が持てているのが大きいのだとは思う。次の作品をたどっていくのがますます楽しみ。

Posted byブクログ

2022/02/27

フランス作家のミステリ。舞台は雪と氷に閉ざされた冬のフランス・スペイン国境に横たわるピレネー山脈の山麓の町。標高2000mの水力発電所で、大富豪ロンバールの愛馬が惨殺されて発見された。ここから、ラストまで冷たく、鬱々とした雰囲気で物語が進む。上巻は、サラッと読んだほうがいいのかも...

フランス作家のミステリ。舞台は雪と氷に閉ざされた冬のフランス・スペイン国境に横たわるピレネー山脈の山麓の町。標高2000mの水力発電所で、大富豪ロンバールの愛馬が惨殺されて発見された。ここから、ラストまで冷たく、鬱々とした雰囲気で物語が進む。上巻は、サラッと読んだほうがいいのかも、なかなか話が進展しないように感じたので。 メインのセルヴァス警部を含め、魅力を感じる、ワクワクするような登場人物がなく、逆に悪役の方が魅力的?

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2021/11/05

クライマックスに至る前から事件の真相や真犯人の見当がついてしまい、割と平凡なミステリーだったという印象だが、常識に囚われないフランスらしい男女の色模様がキャラクターたちに人間味を加えており、シリーズものならではの群像劇を今後楽しませてもらえそうな予感と最強最悪な敵役が登場する期待...

クライマックスに至る前から事件の真相や真犯人の見当がついてしまい、割と平凡なミステリーだったという印象だが、常識に囚われないフランスらしい男女の色模様がキャラクターたちに人間味を加えており、シリーズものならではの群像劇を今後楽しませてもらえそうな予感と最強最悪な敵役が登場する期待を込めて続刊を手に取りたい。

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2021/08/10

まるで、某メーカーの酎ハイのようなタイトルで、中身はフレンチミステリー。 凍り付くような季節・場所・事件に、スピードのある展開と緊迫感満載の場面の連続で、あっという間においしく飲み干してしまった。 舞台は、暗い谷の奥に怪しげに佇む精神医療研究所と閉鎖的な町。 雪と氷で閉ざされた...

まるで、某メーカーの酎ハイのようなタイトルで、中身はフレンチミステリー。 凍り付くような季節・場所・事件に、スピードのある展開と緊迫感満載の場面の連続で、あっという間においしく飲み干してしまった。 舞台は、暗い谷の奥に怪しげに佇む精神医療研究所と閉鎖的な町。 雪と氷で閉ざされた水力発電所のロープウエイ頂上で、首を斬られた馬が吊り下げられていたという事件から始まる連続殺人(馬一頭含む)事件と、時代錯誤とも感じるほどの「治療」方法が行われる「研究所」の謎。 入所しているのは最強のシリアルキラーたち、なかでも最強なのが知性と残虐性を併せ持つハルトマン。外に出ることが不可能なはずのハルトマンの痕跡が殺人(馬)現場に、…。 運動音痴(でも体力勝負)のセルヴァス警部とクールビューティでパーフェクトなイレーヌ大尉のコンビによる捜査と、研究所に着任したばかりの心理学者ディアーヌが体験する研究所の出来事が交互に語られ、飽きる暇もなく進む。 しかし、やっぱり主役の刑事さんは離婚している……。 ヨーロッパの警察は過酷な職業で、優秀であればあるほど家庭との両立ができないってこと?それとも性格的にクセの強い人しかなれないの? ちょっと、日本人のヒーロー像と違っているかなー。

Posted byブクログ

2021/08/04

ミニエの小説は初めて。 主要な登場人物の描写がうまく、彼らに対していろいろ想像で補強しながら人物像を思い描くことができた。 多角的に伏線が張られ、ミスリードもあり終盤までどんどん読み進めることができた。

Posted byブクログ

2021/06/26

上巻を読んで期待していた分、裏切られた感が大きかった。 まぁ終わってみたら、何もかも中途半端! アレ?あいつどうなった? あいつはどこ行った? で、結局あいつはどうなるの? と、想像をかき立てるだけ立たせておいて、納得のいく言及されない奴らが4、5人はいた(もっといたかも)。  ...

上巻を読んで期待していた分、裏切られた感が大きかった。 まぁ終わってみたら、何もかも中途半端! アレ?あいつどうなった? あいつはどこ行った? で、結局あいつはどうなるの? と、想像をかき立てるだけ立たせておいて、納得のいく言及されない奴らが4、5人はいた(もっといたかも)。  シリーズの宿敵になりそうな奴はともかくとして、あとは雑過ぎないか? 作中では主人公は有能な刑事との評価らしいけど、所々で致命的な失点をしているし、何かと後回しにするのが癖なのか、単に片付けるのが苦手なだらしのない人に私には映った。 いらない伏線も多くて、蓋開けたら何のひねりも無く、そもそも引っ張る必要あったか?と言うより本当にいらない設定だった。 そして後日談に至っては「まぁ!なんていただけない!」につきてしまった。 この方はもっと丁寧に創作した方が良いと思った。 決して面白くない訳じゃないのに残り50頁で台無しだったなぁ。 残念!

Posted byブクログ

2020/12/15

 フランスの売れっ子作家と聴き、興味深く読み始めたが、幕開けが奇妙かつ派手な事件、その舞台となるのが冬のピレネーの山村、とアクロバティックで一気に引き込まれる大スケール&アクション・ミステリーであった。これがデビュー作ならフレンチ・ミステリーのスターダムに一気に輝いたというのも容...

 フランスの売れっ子作家と聴き、興味深く読み始めたが、幕開けが奇妙かつ派手な事件、その舞台となるのが冬のピレネーの山村、とアクロバティックで一気に引き込まれる大スケール&アクション・ミステリーであった。これがデビュー作ならフレンチ・ミステリーのスターダムに一気に輝いたというのも容易に頷ける。  連続する猟奇殺人にしても、山麓の村にある重罪犯を集めた研究所の存在にしても、相当に不気味である。腕利き警部マルタン・セルヴァスの活躍の中に挿入されるのが、その不気味な研究所にやってくる女性心理学者ディアーヌ・ベルクの章である。事件と並行して存在感を増す連続猟奇殺人犯と研究所の存在が、気になって仕方ない。  注目される連続殺人犯は、ジュリアン・ハルトマン。死体を残さないが、40人以上の女性の不審死の容疑者とみなされる。またシリアルキラーでありながら元検事、という特異な知的犯罪者の容貌を持つところなど、心を操る知的犯罪者としての側面から、どうしてもハンニバル・レクターを連想させる。この作者、よくぞ勇気ある勝負に出たものだ。  しかし彼を考慮に入れずとも、ロープウェイの山頂駅で最初に発見される皮をはがされた首なし馬の 死体という劇場型バイオレンスに始まる連続猟奇事件のミステリとして十分にサービス性が満点なのだ。二体目の殺人も、渓谷に発見されるが、劇場型であるところ、まるで横溝正史か? と懐かしささえ覚える。  派手な事件に、複雑に絡む人間関係。裏側に潜む真実はかなり深い部分に、そして時間軸を掘り下げてゆくことで真相は近づく。多くのミスリードの向こうに見えてくる真実。つまり語り口、プロットともに優秀な作品だからこそ、優れたエンターテインメントとしての完成度を誇る。ミステリーにとどまらぬ大自然を使った昔懐かしい冒険小説的魅力も兼ね備えているところがもしかしたら、最大の魅力なのかもしれない。  それにしても巻末解説においてこの作家の作品を、しかもセルヴァス警部のシリーズを、ぼくは既に 読んでいた。そして楽しんだということに気づいてしまった。シリーズ三作目の『魔女の組曲』! そう、これは一気読みの面白さであったが、セルヴァス警部としての個性は目立たなかった。運動神経オンチで、銃の扱いも乗り物も苦手。恰好悪いが事件の真っただ中に突入してしまうこの中年刑事は、本作では、とても存在感濃厚である。『魔女の組曲』は、ストーリーと被害者のほうが目立ち過ぎて、警部は救世主ではあるのに、狂言回し的な地味な役柄なのであった。  それにしてもストーリーテリング最高の作家に出会えました。とりあえず、フレンチ版ジェフリー・ディーヴァーと呼んでおこう。

Posted byブクログ

2020/03/05

『羊たちの沈黙』のような張りつめた繊細さはないが、動きも多くけれん味も少々、会話も軽快なエンタメ。登場してくるキャラが結構多彩で、いずれどこかで広がるんだろうなあ、ああシリーズの始まりに置いてるんだなあ、という感じ。

Posted byブクログ