あなたの人生、片づけます の商品レビュー
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不倫相手からのプロポーズ。5年も待たされているのに、最後には自分のところに来ると信じてしまう。妻に先立たれ家事一切できない男は、共働きの娘に家事をしてもらっているし、片づけもしない。 思い出の品や買い込んだ食糧に囲まれて、きっと来ない日に備える老女。息子を失った哀しみがいえず、役目を果たさない主婦。 部屋の汚れは心の乱れというが、限りある人生を大切に生きるため片づけ屋の十萬里の指導が入る。 あの世には何ひとつ持っていけないって、その通りだなと思った。
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02月-05。3.0点。 初垣谷作品。片づけを指導する、片付け本著者。訳ありの家を片づけ、人生も上手く前向きに片づける。短編4編。 ほのぼの、ホロリとするいい話。
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片付けられないと言っても、本当各々理由があるから、こうやって十萬里さん的な人がいると良いよね。 家族じゃどうにもならないことでも、少しは良い方向に変わる気がする。
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ひと昔前に流行った「断捨離」とか、こんまりさんの 「ときめき片付け法」の二番煎じみたいなものかと思いきや、内容はどれも深く考えさせられるもので、片付け屋の大庭十萬里が、人生の先が行き詰まった人達を良い方向へと誘うという深いものだった。 汚部屋に住む若い女性、妻に先立たれた亭主関...
ひと昔前に流行った「断捨離」とか、こんまりさんの 「ときめき片付け法」の二番煎じみたいなものかと思いきや、内容はどれも深く考えさせられるもので、片付け屋の大庭十萬里が、人生の先が行き詰まった人達を良い方向へと誘うという深いものだった。 汚部屋に住む若い女性、妻に先立たれた亭主関白な夫、高齢女性の遺産整理、息子を事故で亡くした母親。 ドラマ化してもおかしくないぐらいの完成度の高い4本立てだった。 部屋はその人自身の鏡と言われるけれど、その通りかもしれない。それぞれの抱えた問題が部屋に表れてくる。 最終話の、「死ぬまで我が子を喪った哀しみは癒えない」そのきっぱりとした物言いに私も安堵した。 そうなのだ。 我が子の死を境に、自分の人生はその前後で全くの別物になってしまう。 時間薬なんてものはないし、何年経とうと何も解決しない。 善意で慰めようと励まそうとしてくれる人がいても、そんなことは望んでいないのだ。 自分と同じ気持ちで、自分と同じ温度と熱量で、我が子の死をただ一緒に哀しんで偲んで欲しいのだ。 苦しみや哀しみは永遠に変わることはないし、その気持ちはその経験をしていない人間には到底分からない。 同じ経験をした人とも20年も経つと、共に語り合うことはなくなってしまう。 結局、一人で全てを抱え込んで死ぬまで生きるしかないのだ。
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面白い。 「部屋を片付けられない人間には、心に問題がある」と決めつけているとも思われるこの一文。事情も知らずに決めつける十萬里さんの考え方に心底苛立ちを覚えた。しかし、それぞれの背景を追っていくと、何かしら抱えているものがあって、納得せざるを得なかった。 実際にあんなにお節介な人...
面白い。 「部屋を片付けられない人間には、心に問題がある」と決めつけているとも思われるこの一文。事情も知らずに決めつける十萬里さんの考え方に心底苛立ちを覚えた。しかし、それぞれの背景を追っていくと、何かしら抱えているものがあって、納得せざるを得なかった。 実際にあんなにお節介な人が身近に居たら耐えられない。無理だ。そう思うに違いない。ただ、こういう人が居ないとだめだとも思う。 そんなふうに思いながらも、読み進めて行くと自然と心が軽くなっていて、単純だけれども十萬里さんを尊敬するところまで言っていた。 自分にこんな感情の起伏があるんだと思わせてくれたさくひん。
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なかなか面白い。 片付けるのは家の中だけではなく、人生においての必要のない関係性とか含めて。 潔い主人公に共感。
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片付け屋さんの十萬里さんが、 依頼人から頼まれた、 様々な事情をもつ女性の悩みを 部屋の片付けを通じて解決していくストーリー。 思い出を捨てられないとか、分かるわーと 共感しまくり。笑 人間は裸で産まれて裸でしんでゆく。 本当そうだなーと思った。 いつまでも物に依存しては...
片付け屋さんの十萬里さんが、 依頼人から頼まれた、 様々な事情をもつ女性の悩みを 部屋の片付けを通じて解決していくストーリー。 思い出を捨てられないとか、分かるわーと 共感しまくり。笑 人間は裸で産まれて裸でしんでゆく。 本当そうだなーと思った。 いつまでも物に依存してはいけないな。
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もうこれは片付けの本を越えて、グイグイ読ませる一つのエンターテイメントだなぁ。最後の話は悲しいが希望がある。
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片付けられないのには理由がある。 お部屋の片付け屋さんが片付けられない人たちの心の問題の原因を探り、解決へと導いていく。 片付け屋さんが悩みを解決していくところが斬新な切り口でおもしろい。 一見すると何の問題もなさそうな家でも、箱を開けてみると実は大きな心の闇を抱えていたなんてこ...
片付けられないのには理由がある。 お部屋の片付け屋さんが片付けられない人たちの心の問題の原因を探り、解決へと導いていく。 片付け屋さんが悩みを解決していくところが斬新な切り口でおもしろい。 一見すると何の問題もなさそうな家でも、箱を開けてみると実は大きな心の闇を抱えていたなんてこともあるんだなぁ。 私は思い出のものが捨てられない。子どもの写真や制作物など。でも、捨てられないでいるとこうなっちゃうのか…そのうち捨てよう…そのうち…ね(笑) ともかく、自分にとって本当に大切なものって実はそんなに多くないのかもしれないと思った。
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片づけ屋である大庭十萬里が、部屋と一緒に心の問題も片づけていくという物語4編。 たしかに、片づけられないのはただずぼらであるという理由ではないのかもしれない。 こんなにうまくいくもんかなあと思いつつ、読んでいるだけで自分の部屋も片づけなきゃなと思えるのが不思議だ。
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