観察力を磨く名画読解 の商品レビュー
社会で活躍していくためには違いを見つけることが大切で、それを磨く方法の一つが"客観的な観察力"である。 観察力は、すでに答えが分かっている、美術作品を観察することで鍛えることができる。と冒頭で述べ、様々な分野の芸術作品から、適切に観察する方法を伝えていく。 ...
社会で活躍していくためには違いを見つけることが大切で、それを磨く方法の一つが"客観的な観察力"である。 観察力は、すでに答えが分かっている、美術作品を観察することで鍛えることができる。と冒頭で述べ、様々な分野の芸術作品から、適切に観察する方法を伝えていく。 観察、分析、伝達、応用の4ステップで展開することで、ただ見るだけでなく、伝えるところまで書かれているところがこの本の特筆すべき点だ。 また、途中に、実践編として、作品から読み取る課題がいくつもある。大切なことを噛み砕いて伝えながらも、頭でっかちにならないように、使える知識になるように工夫が施されている。 観察力を鍛える上では、理論だけでなく、実践を伴って、少しずつ鍛錬していかなければならないことが、身に染みて分かる。そして、いかに自分は見ただけで、観察をしていないのかも…。 特に揺さぶられた箇所は、絵に何が足りないかを考えるところ。観察と言われれば、描かれているところばかりを見てしまうので、この視点を知ったときは、思わず目を見開いた。 観察力を磨きたい人にはもちろん、感性で絵を見るのもよいことだが、もう少し別の視点で捉えてみたい、と考えている人にも是非勧めたい。読み終えたあと、美術館で過ごす時間は倍以上になること間違いなし。
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邦題に「名画読解」とありますが、名画の読み解き方ではなく、アートを通して観察力を磨く方法がテーマです。 著者はFBI・CIAや大手企業 にアートを通じて観察力・分析力を高めるセミナーを行っています。本書にも様々な絵や写真がカラーで掲載されており、著者のセミナーを受けるのと同じよう...
邦題に「名画読解」とありますが、名画の読み解き方ではなく、アートを通して観察力を磨く方法がテーマです。 著者はFBI・CIAや大手企業 にアートを通じて観察力・分析力を高めるセミナーを行っています。本書にも様々な絵や写真がカラーで掲載されており、著者のセミナーを受けるのと同じような体験ができます。絵や写真を暫くの間見ていても全く気づかなかった事物の存在を知らされたり、見る人や立場によって見えるものが異なることを実感できたりと、発見が多く飽きることがありません。さらに見たものを伝達する際に事実だけに絞ることの難しさを、いくつかのワークを通じて教えてくれます。 これを読むと、美術鑑賞がさらに面白くなるとともに、仕事や人生に役立つ観察力の強化も狙えそうで、一粒で二度美味しい本です
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「思ってた観察力と違う!」というのが正直なところですが、観察力にもいろいろあることを知る機会になりましたし、自分が考えている「観察力」について再考することもできました。この本の目的は「名画を読解すること」ではなく「名画を見ることで観察力を身につけること」であると思います。美術書と...
「思ってた観察力と違う!」というのが正直なところですが、観察力にもいろいろあることを知る機会になりましたし、自分が考えている「観察力」について再考することもできました。この本の目的は「名画を読解すること」ではなく「名画を見ることで観察力を身につけること」であると思います。美術書というよりは「心理学の本」という印象でした。
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これ読めばホームズになれるってマジ??? 「アートを観察して客観的描写力を身につけましょう」、という内容。FBIや軍隊でも用いられている技法がギュッとこの本1冊に詰まっている。 ハリーポッター並の分厚さだったが、めちゃくちゃ面白くて、夢中になってしまった。 この本を読んでからアー...
これ読めばホームズになれるってマジ??? 「アートを観察して客観的描写力を身につけましょう」、という内容。FBIや軍隊でも用いられている技法がギュッとこの本1冊に詰まっている。 ハリーポッター並の分厚さだったが、めちゃくちゃ面白くて、夢中になってしまった。 この本を読んでからアートへの認知バイアスが掛かりまくっていて困る。友人からお勧めされて借りた本だが、購入しようと思う。
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「知覚の技法」セミナー講師による 「観察力を磨く」ための本。 日常生活が毎日変わり映えしないなーと 感じてた時に感動した1冊。 「アートを教材にすれば、複雑な状況はもちろん、 一見すると単純だが実は深い意味を持つ場面も 分析できる。」 「大人になるということは、 複雑な世界の成り...
「知覚の技法」セミナー講師による 「観察力を磨く」ための本。 日常生活が毎日変わり映えしないなーと 感じてた時に感動した1冊。 「アートを教材にすれば、複雑な状況はもちろん、 一見すると単純だが実は深い意味を持つ場面も 分析できる。」 「大人になるということは、 複雑な世界の成り立ちに無感動になり、 斬新で、革新的で、緊急度の高いものだけに 目を奪われることでもある。」 観察力を磨くために多くの「気付き」を促し、 分かったつもりだけに ならないよう趣向が凝らされている。 分析や伝達をテーマにしている本は多いけれど 観察がテーマの本は少ないし、押し付けがましくなく 誘導してくれるような構成に楽しんで読めた。 まさにセミナーを受講したかのよう。 アートはあくまでツールとしての位置付けだが、 この本を読んで「観察力」を意識して美術館に 行ってみたら思いのほか熱中してしまい、 気付けば3時間くらい経過していた。
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・まず自分の見で見る→既存の情報や意見を参考にする→もう一度、自分の目で見る ・自分がいる場所や、分析しようとする場面の状況について、事物の配置を押さえることは重要だ。不測の事態が起きたときなど、それで命拾いするかもしれない ・なんでもない場面に隠れている平凡なものをきちんと見る...
・まず自分の見で見る→既存の情報や意見を参考にする→もう一度、自分の目で見る ・自分がいる場所や、分析しようとする場面の状況について、事物の配置を押さえることは重要だ。不測の事態が起きたときなど、それで命拾いするかもしれない ・なんでもない場面に隠れている平凡なものをきちんと見るには、意識して注目しなければならない。意識しないとスルーしてしまう。そうならないために二度見ること。まず全体を見わたす→改めてひとつひとつを見直す→できるなら見る角度を変える ・ひとりひとり見方はことなるので、観察の際は第三者の助けも有効 ・観察をするときは、あるべきものがないことを発見することも重要 ・自分が知らない情報を省かず、知っている人の助けを借りる ・事実を正確に伝えたいなら、意識して客観的な表現を選ぶ ・重要なことはちゃんと言葉にすべき。「言うまでもなく」という表現は語彙から消す ・真のリーダーは、危機にも、不快な会話にも、淡々と対処する。内容を気に入らなかったとしても、情報を理解して、客観的に伝えることができる ・「申し訳ありません。コミュニケーションの不具合(または誤解)がありました」と謝る。自分ひとりのせいだと認めることにもならないし、現在の状況を残念に思っていることも伝わる ・グレーエリア(不確かな状況。善と悪、無罪と有罪、意図と偶然などが混沌としている状況)では、手に入らない答えを探して右往左往する前に、今ある情報(誰、何、どこ、いつ)に集中することが大事。また、主観的な反応をすると悪いほうへ傾く。あくまで客観的に対処する ・制約があるからこそ能力以上のことができる ・執着によるストレスは仕事の大小に関係ない。大きなものでも些細なものでも、同程度のストレスを生む。返信するメールが多過ぎてストレスを抱えている人は、「メールをありがとうございます。今は忙しいので、数日中にお返事します」というような自動返信機能を設定するだけで、返事しなくてはというストレスから解放される ・大事なのは、「全体を捉えつつも、細部をおろそかにしないこと」「複雑さを恐れず、結論を急がないこと」
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よくある知覚フィルター 見たいものを見る 認知バイアス、マイサイドバイアス、希望的観察、視野狭窄。 このフィルターがかかると無意識のうちに期待に添うデータばかりを集め、それ以外を排除しやすい。
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たまには文化的教養も身につけねばということで、最も苦手な部類である絵画に関する著書を読んでみた。その名も「観察力を磨く名画読解」。しかし、読んでみると、人間の認知のメカニズムなどにも触れながら観察力をどう身につけるかについて、解説しており、美術の解説書ではなく、ビジネス書といっ...
たまには文化的教養も身につけねばということで、最も苦手な部類である絵画に関する著書を読んでみた。その名も「観察力を磨く名画読解」。しかし、読んでみると、人間の認知のメカニズムなどにも触れながら観察力をどう身につけるかについて、解説しており、美術の解説書ではなく、ビジネス書といった方がふさわしい内容であった。今朝オーディオブックで自助論を聴いていたら、細部の重要性を説く一節があったが、本書はまさに細部の観察が、時に生死をわけることもあるほど重要であることを語っている。 「幸いにも、脳は生まれてから死ぬまで、学びによって新しいシナプス接続をつくり、古い接続を強化することができる。つまり学びつづけるかぎりさびないのである。新しいことを学んだり、深く考えさせられる内容の本を読んだり、いわゆる脳トレのたぐいで外的な刺激を与えたりすると、すべての年代で大脳皮質のシナプスが増えることが判明しており、これは非常に高齢な人も例外ではない。」 「…仕事で成功したいなら、他人が自分と同じようにものを見て、理解していると思ってはいけない。自分の見方が正しいかどうか疑うことをやめてしまったら、隠れた事実を見逃す危険性がある。」 「私も細部を見るための戦略にCOBRAというコードネームをつけた。… COBRAの文字はそれぞれ、紛れているもの(Camouflaged)、ひとつ(One)、休憩(Break)、見直し(Realign)、意見を聞く(Ask)を意味している。つまり細部を見る際は、紛れているものを探し、ひとつの仕事に専念し、疲れたら休憩をとって、期待を見直し、他社の意見を聞くことが大事なのである。」 「脳の機能を低下させないためには、ひとつの仕事に専念することだ。こうしたやり方は”モノタスク”とか”シングルタスク”と呼ばれ、ビジネス界でも注目されはじめている。気を散らすものを閉めだして、コンピュータを閉じ、電話が鳴っても無視して、観察だけに専念しよう。」 「発見とは、みんなと同じものを見て、誰も考えなかったことを考えること。」 「あるべきものがないことを説明に加えれば、話を聞いた人が状況を誤解する可能性が低くなる。陰性所見を意識的に織り交ぜることで、情報の正確性が増すのだ。」 「メッセージを確実に届けるためにもうひと工夫、三つのRを実践しよう。リピート、リネーム、リフレイムである。」 「いちばん大事なのは、どんなに腹が立っても感情のままに言い返したり、返事を書いたりしないことだ。自分が感情的になっているのに気づいたら、相手のいないところで怒りたいだけ怒っていやな気持ちを発散し、あとはこだわらないようにする。侮辱されて(立場が上の人から侮辱された場合はとくに)、感情的になるなといわれても難しいだろうが、仕事を前進させ、相手の敬意を勝ちとるためには、ほかに道はない。 相手がいつまでも感情的になっている場合は、あなたのほうから歩み寄らなければならない。主観的な主張は無視して、事実のみに焦点を合わせよう。批判に対して自分を防御するのは構わないが、批判に含まれた感情に惑わされないこと。侮辱されて反論しなかったからといって、人間として劣っていると思われることはない。むしろ逆だ。」 「大事なのは― ●全体を捉えつつも、細部をおろそかにしないこと ●複雑さを恐れないこと。結論を急がないこと ●疑問を持つ心を忘れないこと ●客観的事実だけを扱うこと」
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借りたもの。 絵画鑑賞で養われる、観察力の有用性を事例を挙げて説く本。 それは自身の知覚に偏り(バイアス)があることを自覚し、客観的事実に基づくことを訓練するものだった。 美術の見方であったり、そのノウハウを紐解くようで、それに留まらない。 所々に、科学的な話――認知傾向を表す名...
借りたもの。 絵画鑑賞で養われる、観察力の有用性を事例を挙げて説く本。 それは自身の知覚に偏り(バイアス)があることを自覚し、客観的事実に基づくことを訓練するものだった。 美術の見方であったり、そのノウハウを紐解くようで、それに留まらない。 所々に、科学的な話――認知傾向を表す名称――についても取り上げ、裏付けがされている。 美術鑑賞は教養であり、日常とは異なるもの――非日常体験であり、息抜きである――という考えとは違う。 美術館賞は日常に役立つ能力――それは審美眼ではなく、観察眼――を鍛えるものとして著者は推奨する。 活かせる場所は陪審員であったり、夫婦関係(男女におけるすれ違いあるあるの解消)、ビジネス等……生活の全てである。 著者が提案する知覚セミナーの事例などを取り上げて言及されている。 美術館賞を通して、認知とその伝達方法を説明してゆく。その過程で昨今話題のフェイクニュース問題に通じる、気づきをくれる。 個人の経験や信条に基づく先入観、それにより見落としや、誤解が起こる、偏見が発生するということの…… 人間の先入観の強固さは昔から指摘されているし、この本で紹介されている認知特性に関する情報で、私には目新しいものは無かった。 それを回避するための客観的な姿勢が必要であり、心得なければならない。 “ ルール一、バイアスを自覚し、悪いバイアスは排除する ルール二、バイアスを事実と混同しない。バイアスは事実を見つける道具と心得る ルール三、結論を第三者に聞いてもらう (p.305)” 烏賀陽弘道『フェイクニュースの見分け方』( https://booklog.jp/item/1/410610721X )も参考になると思う。 知覚のバイアスに関しては、本田真美『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』( https://booklog.jp/item/1/4334036899 )に取り上げられたような、個々人の認知の差も影響していそうだ。 この本を読んで私が一番驚いたことは、マグリットの絵画を通して、描かれている“あるはずのないもの”を見つけるよりも、“描かれてないもの”を指摘するのは難しいと思ったことだった。
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ふだん、自分は何も見ていないことに気づかされる。 ひとつの画面にはこれだけの情報が詰まっているのだ。
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