さあ、気ちがいになりなさい の商品レビュー
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星さん訳なのでそのテイストは感じながら、人物の描写や話の切り口が違っていて、面白かった。 「電獣ヴァヴェリ」が特に印象に残ったかな。 読み始めは少しピンと来なかったが、設定が面白く、読後感も良い。 生命体?というものを前提や先入観なく受容できるのか。 幸福感と利便性の相関性は、どのくらいが適当なのか。
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なんといっても訳が星新一。最初の「みどりの星へ」を読みだすと、まるで星新一の作品を読んでいるような読みごこち、文体。でもアメリカ人のせいか思考路が異なるかな、という印象。全編とおして哲学的。SFは作家の考えをSFでないとできない設定で書くものだ、という気がするが、「町を求む」など...
なんといっても訳が星新一。最初の「みどりの星へ」を読みだすと、まるで星新一の作品を読んでいるような読みごこち、文体。でもアメリカ人のせいか思考路が異なるかな、という印象。全編とおして哲学的。SFは作家の考えをSFでないとできない設定で書くものだ、という気がするが、「町を求む」などは政治家や事業家への皮肉、「さあ、気ちがいになりなさい」など、ナポレオンだと思っている男の話だが、正常って何? と問いただされている気がした。 初出 「みどりの星へ」『宇宙をぼくの手の上に』1951 「ぶっそうなやつら」『まっ白な嘘』1951 「おそるべき坊や」Unknown 1941年8月号 「電獣ヴァヴェリ」Astounding1945年1月号 「ノック」Thrilling Wonder Stories1948年12月号 「ユーディの原理」Astounding1944年5月号 「シリウス・ゼロ」Coptain Future1944年9月号 「町を求む」Detective Fiction Wanted1940年9月7日号 「帽子の手品」Unknown 1943年2月号 「不死鳥への手品」Astounding1949年8月号 「沈黙と叫び」『まっ白な嘘』1951 「さあ、気ちがいになりなさい」Weird Tales1949年7月号 1962.10「異色作家短編集」として刊行 2005.10.15初版(単行本) 図書館
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ノックの冒頭で怪談と書いてあったから勝手に良くないことを想像しました.しかし最後まで読んだことで,そういうことかと思いました.確かに「最後に残った」とは言ったものの,最後の一人の人間とは一言も言っていないなと思い,感心しました.
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《目次》 「みどりの星へ」 「ぶっそうなやつら」 「おそるべき坊や」 「電獣ヴァヴェリ」 「ノック」 「ユーディの原理」 「シリウス・ゼロ」 「町を求む」 「帽子の手品」 「不死鳥への手紙」 「沈黙と叫び」 「さあ、気ちがいになりなさい」
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フレドリック・ブラウンを星新一訳で読めるなんて幸せ。 今回も予想のつかない展開とオチが癖になる。 自分にはちょっとわかりにくい作品もあったけど、この4作品は特に好きだった。 『みどりの星へ』 第三惑星に不時着した男。数年後、ようやく念願の助けが現れる…。 こういうのがやっぱり...
フレドリック・ブラウンを星新一訳で読めるなんて幸せ。 今回も予想のつかない展開とオチが癖になる。 自分にはちょっとわかりにくい作品もあったけど、この4作品は特に好きだった。 『みどりの星へ』 第三惑星に不時着した男。数年後、ようやく念願の助けが現れる…。 こういうのがやっぱり好きだわー。 『おそるべき坊や』 オチでなるほど〜と唸ってしまった。 1番わかりやすくて楽しい。 『ノック』 地球上で最後に残った男。すると、ドアにノックの音が…。 ノックをしたのは一体誰なのか…。 『さあ、気ちがいになりなさい』 自分をナポレオンだと思い込む異常者を装い、精神病院に潜入入院するが…。 読んでるうちに自分もおかしくなる。3回読んだけどよくわからない。でもそれが良い。 先日読んだ『真っ白な嘘』(越前敏弥訳)にも入っていた3作品が、星新一訳でも入っていた。 タイトルだけで比べても少し違うのが面白い。 『危ないやつら』は星新一訳だと『ぶっそうなやつら』 『町を求む』は同じタイトル。 『背後から声が』は『沈黙と叫び』 星新一訳は、特にセリフの部分に星新一らしさが出ていて、星新一の作品を読んでるみたいな感覚になる。 どちらの訳もそれぞれ良かった。 フレドリック・ブラウンももっと読みたいし、星新一もまた読みたくなってしまった。 ポワロとホームズのドラマももっと観たいし、時間が欲しい〜(´~`)
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フレドリック・ブラウン「さあ、気ちがいになりなさい」読了。尖ったタイトルだなと思ったら訳者はなんと星新一!期待通りのアイディアに溢れたSF短編だった。特に電獣ヴァヴェリが秀逸。正体不明の地球外生命に電力を奪われ危機に瀕した人類が意外にも明るい暮らしを見出していく展開に魅了された。...
フレドリック・ブラウン「さあ、気ちがいになりなさい」読了。尖ったタイトルだなと思ったら訳者はなんと星新一!期待通りのアイディアに溢れたSF短編だった。特に電獣ヴァヴェリが秀逸。正体不明の地球外生命に電力を奪われ危機に瀕した人類が意外にも明るい暮らしを見出していく展開に魅了された。手塚治虫や藤子不二雄の作品にも影響を与えたんじゃないかなと思われるものも散見され著者のSF的なアイディアを生み出す底力を感じた。例えば、藤子不二雄のSF短編のテイストが好きなら、たぶんこの短編も気に入っていただけると思います!
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フレドリック・ブラウンの描く12の短編が収録された作品。 日本の有名なSF作家である星新一が訳した作品という時点で「面白くないわけがない!」と胸を躍らせて読書開始。 キャッチーな話から陰鬱な雰囲気の漂う話まで多種多様で、表題作に連なり短編集の中には狂気を強く意識した作品が多かっ...
フレドリック・ブラウンの描く12の短編が収録された作品。 日本の有名なSF作家である星新一が訳した作品という時点で「面白くないわけがない!」と胸を躍らせて読書開始。 キャッチーな話から陰鬱な雰囲気の漂う話まで多種多様で、表題作に連なり短編集の中には狂気を強く意識した作品が多かった印象。そして何よりも、そのキレ味鋭い展開とオチに舌を巻くばかり。 作品の中では『みどりの星へ』『雷獣ヴァヴェリ』『ユーディの原理』辺りが好み。 特に『雷獣ヴァヴェリ』は未知の生物の襲来によって世界から電気が失われていく過程とその後を描いた作品なのだが、人類の強さと電気が失われた世界の美しさを短い物語のなかで上手く表現していた。書物が禁制品とされたディストピアを描くブラッドベリの『華氏451度』と比較してみると、あちらとは対照的に便利だったものが失われてしまった世界にもかかわらず、非常に幸福そうな人々の姿が印象的な終わり方だった。 訳者であり稀代のSF作家でもある星氏からブラウン氏へのリスペクトをふんだんに感じることができただけでなく、”星新一らしさ”が作品全体から滲み出ており、翻訳小説を読んだことのない人や、苦手意識を持っている人にこそ読んでほしい。
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訳者はSFのショートショートで有名な、星新一。 この短篇集を読んでいると、不思議と星新一が脳裏に浮かんできて、訳していて楽しかっただろうなと、ほくそ笑んでしまいました。 11の短篇の後に、タイトルの中篇で終わるのですが、最初の『みどりの星へ』から狂っています。 他にもサスペンス...
訳者はSFのショートショートで有名な、星新一。 この短篇集を読んでいると、不思議と星新一が脳裏に浮かんできて、訳していて楽しかっただろうなと、ほくそ笑んでしまいました。 11の短篇の後に、タイトルの中篇で終わるのですが、最初の『みどりの星へ』から狂っています。 他にもサスペンス、ミステリー、SF、ファンタジーやコメディなど多岐にわたっていますが、どれも文章にキレがあり、また発想からして面白い。短篇は、短いだけにオチが重要と思いますが、どれも一捻りしてあって、とても楽しい読書体験でした。 ところで『ノック』の書き出し部分について、星新一自身の短篇『ノックの音が』の「あとがき」で、タイトルを付けるにあたって参考にした旨が書かれています。『ノックの音が』は、内容をまったく覚えていないので、再読してみようと思いました。
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昔、評論家向井敏の「文章読本」(良い本です)の作家のもつ文体の説明で、翻訳者による文体の違いの例として、ブラウンの星新一とほかの人の翻訳文章例があったのを思い出し、本屋で翻訳者をみて思わず買ってしまった。 計12編、最後の表題作のみ90ページと長い。 星新一訳が特に良いとは思えず...
昔、評論家向井敏の「文章読本」(良い本です)の作家のもつ文体の説明で、翻訳者による文体の違いの例として、ブラウンの星新一とほかの人の翻訳文章例があったのを思い出し、本屋で翻訳者をみて思わず買ってしまった。 計12編、最後の表題作のみ90ページと長い。 星新一訳が特に良いとは思えず、その点では期待が高すぎたようだ。 ミステリ系では「ぶっそうなやつら」「町を求む」、SFでは「みどりの星へ」「ユーディの原理」が面白かった。 むかし創元SF(&推理)文庫でブラウンの短編集を読んできた者にとっては、相変わらずの、期待通りのブラウンでした。
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第69回出張!アワヒニビブリオバトル@天神さんの古本まつり「古本・古書」で紹介された本です。チャンプ本 2020.10.18
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