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遠い唇 の商品レビュー

3.5

56件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/06/07

謎解き短編集。 私は「遠い唇」「しりとり」「パトラッシュ」が特に好き。 切なかったり、甘かったり、優しい気持ちになれたり… どの作品もそれぞれに個性的で面白かった。 「解釈」は異色だったけれど、なかなかに愉快だった。 北村薫さん、久々に読んだけれどいいなぁ…

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2024/03/23

表題作をはじめ、すごく何気ないはずの日常の中にミステリ的というか謎解き的というか、少しひねりを入れて変化を加えて、じんわりと沁み込んでくる、そんな小品集でした。

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2022/05/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

言葉に秘められた個人の想いが匂い立つような物語が多い。 作中のお客様からのメールのフレーズがよい。全体には全然関係ないが・・・ 何か思いがけない力が働いているようです。そちらの中里氏は別人と思われます。今から予定を動かすのは大変でしょう。私は全くかまいませんので、新宿にお出かけください。こちらのことは、また、ご連絡ください。

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2021/08/21

久々の北村薫さん。 お得意の“日常の謎解き”を中心とした、七篇の短編集です。 表題作「遠い唇」は勿論のこと、どの話も程よい量と質で、まさに珈琲を飲みながら読むのにぴったりな一冊です。(実際カフェで本書を読んだ私) 面白かったのは、他の話と毛色の異なる第四話「解釈」ですね。地球を...

久々の北村薫さん。 お得意の“日常の謎解き”を中心とした、七篇の短編集です。 表題作「遠い唇」は勿論のこと、どの話も程よい量と質で、まさに珈琲を飲みながら読むのにぴったりな一冊です。(実際カフェで本書を読んだ私) 面白かったのは、他の話と毛色の異なる第四話「解釈」ですね。地球をリサーチ(?)に来た宇宙人によって、『吾輩は猫である』『走れメロス』『蛇を踏む』がとんでもないことにされてしまうのが笑えます。 第六話「ゴースト」は『八月の六日間』、第七話「ビスケット」は『冬のオペラ』にそれぞれ連なる話です。どちらも前作は既読ではあるのですが、時が経ちすぎてほぼ覚えていませんでした。とはいえまぁそれなりに楽しめたのでよしとします。 余談ですが、北村さんといえば、やたら作中でエラリー・クイーンを推してくるのが印象的で、“そんなに言うなら”とクイーンに手を出したものの、残念ながら私にはハマらなかったという記憶があります。 で、本書でもまだクイーンを推していました。本当、北村さんはクイーンが好きなんだなぁと、我ながら変なところで感心してしまいました。

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2021/05/04

ミステリー 七つの謎解き短編集 どの謎解きも趣向が凝らされ、読むごとにジンワリ響いてくる物語 ことばのあそびごころ、のような、宝石箱に大切な想い出を入れてひとつひとつ取り出して輝きを確かめるような作品集 『しりとり』のような懐しむ作品、好きです

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2020/09/10

世の中には様々な謎が存在する。 謎を解き明かしていて楽しくなったり微笑ましく思えたり、時に切なくなったりもする7編の短編集。 7編の中で特に印象に残ったのは表題作。 優しくて切ない謎解きが胸に染み入って、何度も泣きそうになった。 遠い日の記憶を一瞬で蘇らせるコーヒーの染みと微か...

世の中には様々な謎が存在する。 謎を解き明かしていて楽しくなったり微笑ましく思えたり、時に切なくなったりもする7編の短編集。 7編の中で特に印象に残ったのは表題作。 優しくて切ない謎解きが胸に染み入って、何度も泣きそうになった。 遠い日の記憶を一瞬で蘇らせるコーヒーの染みと微かな残り香。 そんな芳醇で香ばしい香りが漂う思い出の中、今なお生き続ける彼女の可愛らしい謎々が時を経て届けられる。 それは淡く甘酸っぱい、遥かに遠い記憶。 彼女と一緒に答え合わせができなくて、本当に残念。 時を超えた一人きりの答え合わせに涙した。 ラストの短編『ビスケット』も印象的。 「わたくしも、いささか本を読み、そしてーー人生もまた、読みました」 本を読むことは人生を読むことに繋がる。 深みのある言葉に胸が熱くなる。

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2020/04/02

どこをめくっても北村薫!の幸せな一冊。 魅力的な謎とそれが解き明かされる時のきらめき。些細なものから大きなものまで堪能できます。 宇宙人による文学解釈のちょっとずらす方法は、藤子・F・不二雄を彷彿とさせられました。

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2020/02/19

ミステリーカテゴリにしたけれど、どちらかと言えば文学的香りもする北村さんらしい作品。 そういえば、ベッキーさんシリーズの「鷲と雪」も直木賞受賞作ではあるものの、結末の情景描写と言い、なんとなく文学的な印象を受けた。 さて、この作品は6つの短編と1つの中編が収録されている。 いず...

ミステリーカテゴリにしたけれど、どちらかと言えば文学的香りもする北村さんらしい作品。 そういえば、ベッキーさんシリーズの「鷲と雪」も直木賞受賞作ではあるものの、結末の情景描写と言い、なんとなく文学的な印象を受けた。 さて、この作品は6つの短編と1つの中編が収録されている。 いずれもミステリーでもあり、人の心の深淵を覗き込むような、何とも物悲しく温かく切なくなるような作品が多かった。 かと思いきや、数々の名作を宇宙人風に解釈した「解釈」や、乱歩先生の「二銭銅貨」を新たな視点で描く「続・二銭銅貨」など、コミカルな作品もある。 そして最後の中編(字が大きいのでボリュームとしては小さいかも)、『人知を超えた難事件を即解決』する名探偵が登場する。 その割には超難題というよりは、その世界の知識があれば解けそうな内容だったが。 あとがきによると、北村さんが『好んで書く<名探偵>は、論理というより、常人の持たないひらめきによって真相に到達するのです。瞬時に、別世界を見てしまう特別な目を持っている』ものらしい。 その意味で言えば、パズル系ではなく、ひらめき系と言えるミステリーなのだろうが、謎解きに重きを置くのではなく、そうまでして人は何を伝えたかったのか、そこから人は何を汲み取るのか、そういう作品集だったのかなとも思う。

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2019/12/25

巻末に北村さんご本人による付記が付いている珍しい本。知らずに読んでいて順番通りに最後に付記を読み、そうだったのか!っと名探偵と編集者のことを思い、ちょっと得したような気持ちで読了しました。短編集なので長編好きな自分には前後関係とかのあれこれをもうちょっと読みたいという気持ちがあり...

巻末に北村さんご本人による付記が付いている珍しい本。知らずに読んでいて順番通りに最後に付記を読み、そうだったのか!っと名探偵と編集者のことを思い、ちょっと得したような気持ちで読了しました。短編集なので長編好きな自分には前後関係とかのあれこれをもうちょっと読みたいという気持ちがあり、面白かったけれど☆は3つ。古風な作品群の中ほどにポンっと軽いSFが混ざっていたのですが、題材になった3作品(どれも名作)を全部読んでいたので尚面白かったです。

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2019/12/08

ミステリの短編集。 よくある探偵の話や、暗号の話、はたまたSFなど単純にミステリだけでなく、笑ってしまう話も。 どれもさっと読めるし、謎を解きたければじっくり読んで解明することもできる短編ばかり。 面白いです。

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