サピエンス全史(下) の商品レビュー
なぜ人類の中でサピエンスだけが生き残り、文明を築き上げることができたのか。大きなターニングポイントが3つあったと著者は説く。 1つ目は、7万年前から3万年前にかけて人類が新しい思考と意思疎通方法を手に入れた「認知革命」。 2つ目は1万年前ほどに起こった、動植物の生命を操作するこ...
なぜ人類の中でサピエンスだけが生き残り、文明を築き上げることができたのか。大きなターニングポイントが3つあったと著者は説く。 1つ目は、7万年前から3万年前にかけて人類が新しい思考と意思疎通方法を手に入れた「認知革命」。 2つ目は1万年前ほどに起こった、動植物の生命を操作することによる「農業革命」。 最後の3つ目は、たった500年前に始まったばかりだが現在も進行中の「科学革命」である。 個人的には認知革命にハッとさせられた。フィクションの力を意識する機会は非常に少ないが、国家や宗教という虚構が果たす役割を考えれば、影響の大きさに気がつくことになる。虚構の力が多くの人数をまとめあげ、とても個体では成し遂げられない偉業を次々と成し遂げていったのだ。
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後半は馴染みのある視点だったので、上巻の方が楽しんで読めました。身勝手な神々。確かに、自分のことわかってない存在に駆逐されるのは嫌ですよね。。
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下巻では、宗教と科学革命を取り扱う。 最後まで読んで、この本は結びとして書かれている「未来」についての本であると感じた。 読者に対して、科学革命の先にある未来を考えるにあたっての材料を提供してくれる内容だったと思う。
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上巻に引き続いて更にサピエンスは掘り下げられて、深部へと核心を迫っていく。虚構の世界が新たな世界を作り出していく要素であると上巻で感じたが、人類の歴史と発展の中で、資本主義の発展による科学の進歩、医療の発達、技術の進歩による生活水準の向上、寿命が伸びた一方で人種差別の問題など、幸...
上巻に引き続いて更にサピエンスは掘り下げられて、深部へと核心を迫っていく。虚構の世界が新たな世界を作り出していく要素であると上巻で感じたが、人類の歴史と発展の中で、資本主義の発展による科学の進歩、医療の発達、技術の進歩による生活水準の向上、寿命が伸びた一方で人種差別の問題など、幸福と引き換えに淘汰され犠牲になったものもあると感じる。サピエンスは今後生活の更なる変化をもたらし、一方で淘汰され犠牲になるものもあるだろう。『私たちは何を望むのか』という最後は今後への核心を突く物だと感じ斬新であった。
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1/5 人類史の転換点は認知革命、農業革命、科学革命、産業革命である。認知革命によって虚構を集団で信じるようになった人は、大人数による柔軟な協力が可能になった。農業革命によって人口が爆発的に増え、エリート層が生まれた。科学革命によって無知を認めた人は観察と数学的分析を駆使して知識...
1/5 人類史の転換点は認知革命、農業革命、科学革命、産業革命である。認知革命によって虚構を集団で信じるようになった人は、大人数による柔軟な協力が可能になった。農業革命によって人口が爆発的に増え、エリート層が生まれた。科学革命によって無知を認めた人は観察と数学的分析を駆使して知識を増やした。科学革命は産業革命をもたらし、進歩主義をうみだした。産業革命はヨーロッパの覇権確立の原動力となった。 今人は、上記の革命を超える、生物学的な革命を起こそうとしている。有機的、半有機的、無機的な新生物の登場はホモサピエンスさえ絶滅させるかもしれない。
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上巻に比べて現代に近づいた分、世界史を学んでいるような感覚だった。 奴隷制度が悪意ではなく無知から導き出された産物としたうえで、近年に続く家畜のベルトコンベア式生産も同様の性質を持つとして記述しており、読んでてハッとさせられた。 また後半では幸福についても記述されており、そ...
上巻に比べて現代に近づいた分、世界史を学んでいるような感覚だった。 奴隷制度が悪意ではなく無知から導き出された産物としたうえで、近年に続く家畜のベルトコンベア式生産も同様の性質を持つとして記述しており、読んでてハッとさせられた。 また後半では幸福についても記述されており、その中でも幸せの正体は脳内の生化学物質でありその量は個人により生まれつき決定されているとの考え方があったがそれは少しさみしい気がした。サピエンス全体として、また個人として幸福になれる道を模索したい。
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今年最後の一冊になった。 とるに足らない存在から神の領域にまで到達しつつある人類。 この調子で進歩を続けたら本当にどこまで行くのだろうか? 別に先の世界で生きたいとは思わない。 現代でも少し嫌なくらいだ。あまりにも色々ありすぎる。 30年くらい前でずっと止まってりゃいいの...
今年最後の一冊になった。 とるに足らない存在から神の領域にまで到達しつつある人類。 この調子で進歩を続けたら本当にどこまで行くのだろうか? 別に先の世界で生きたいとは思わない。 現代でも少し嫌なくらいだ。あまりにも色々ありすぎる。 30年くらい前でずっと止まってりゃいいのに。
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具体例での説明が分かりやすい。信用が経済成長に果たす役割のところとか中学生に読ませたいくらい。 幸福と不幸の感覚が長く続かず、長期的には平均に回帰する理由を進化論で説明するくだりは説得力があって、進歩が幸福に繋がるわけではないことも、残念ながら納得できてしまう。
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上巻と比べると,少しおもしろさがダウン.下巻で取り上げているのは宗教,科学,侵略,資本主義,核の平和,幸福,人類の未来であり,下巻の後半は話が発散しているように感じてしまったが,いずれも現在の社会を解き明かす上で必須だと思われるので,羅列的になるのもやむを得ないか. ただ,資本主...
上巻と比べると,少しおもしろさがダウン.下巻で取り上げているのは宗教,科学,侵略,資本主義,核の平和,幸福,人類の未来であり,下巻の後半は話が発散しているように感じてしまったが,いずれも現在の社会を解き明かす上で必須だと思われるので,羅列的になるのもやむを得ないか. ただ,資本主義(と信用)の仕組みが分かりやすく説明してあったり,家畜の養殖の非人道性(この本の内容からすると適切な語ではないと思われるが),幸福に関する考察など,個別の話はそれぞれ興味深い.
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幸せってなんなんやろねぇ。ぽんず醤油があるんでも1億円使えるんでもジェイソン・モモアが耳元で愛をささやいても脳みそが同量のセロトニンを分泌させるなら、その幸福感は全て同じだと言える、、、って言われてもなぁ。確かにそれはそうなんだろうが、、。私のように、同じ本でもデジタル本で読むよ...
幸せってなんなんやろねぇ。ぽんず醤油があるんでも1億円使えるんでもジェイソン・モモアが耳元で愛をささやいても脳みそが同量のセロトニンを分泌させるなら、その幸福感は全て同じだと言える、、、って言われてもなぁ。確かにそれはそうなんだろうが、、。私のように、同じ本でもデジタル本で読むより紙の本で読まないと満足感がない人間にはオルタードカーボン的幸福を言われても、あんまし魅力がないですわ。ともかく、上巻よりも下巻のほうがはるかに流れが急速に感じるのは相対性理論で証明されたりするんでしょう(笑)、下巻も大変面白かった。サピエンスが発明してきた”宗教”、信心とか信用とか経済とか近代科学や生化学なんかにすこぶる上手につなげて”幸福”というレールにのったままトップスピードで語られていく。確かに一つ一つのエピソードに目新しさはないがこんだけ巧妙に流れをつくっているとその気になるねぇ。ハラル博士、話うまいです。細かいところはもうめんどくさいので言及しないが高田崇史本とか筒井康隆本を読むような、同種の面白さを感じる。これもまたセロトニン、ドーパミン、オキシトシンやったりするんやろうけど、ええねん(笑)。
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