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晴れた日の森に死す の商品レビュー

3.2

9件のお客様レビュー

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2023/04/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

舞台はノルウェーの夏。鍬で老婆が殺された。そばにいたのは少年院(ノルウェーでは自由に外出できるらしい)にいる12歳の少年と、精神障害を持った男。男は最有力の容疑者となったが、銀行強盗の人質となり行方不明に。銀行強盗の男と精神障害の男は、行動を共にするうちに不思議な関係となり・・・。あとがきにも書かれているように、作者の犯罪者や弱者に対する視線は優しい。周りの人間は、彼らを一方的に蔑むのではなく、理解しようと努力もする。社会に上手く溶け込めない人たちが犯した犯罪は、彼一人のせいではないと訴えているような、そんな小説でした。精神障害の男が眠るようにあっけなく死に、銀行強盗の男があっさりと捕まったが、それにより彼らが救われたようにも感じた。

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2021/09/14

ノルウェーの森の奥で老女が殺害される。被害者の左目には鍬が突き刺さっていた。第一発見者の少年が、精神病院に入所している青年エリケを現場で目撃していた。捜査陣を率いるセイエル警部は、エリケを犯人と決めつける者たちの偏見の言葉に左右されず、冷静に手がかりを集めていく。だが信じがたい事...

ノルウェーの森の奥で老女が殺害される。被害者の左目には鍬が突き刺さっていた。第一発見者の少年が、精神病院に入所している青年エリケを現場で目撃していた。捜査陣を率いるセイエル警部は、エリケを犯人と決めつける者たちの偏見の言葉に左右されず、冷静に手がかりを集めていく。だが信じがたい事実が発覚。エリケは近くの町の銀行強盗に巻き込まれ、銃を持って逃走する強盗犯の人質になっていた。ガラスの鍵賞受賞作家が贈る衝撃のミステリ!

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2020/02/07

初めて読んだシリーズだけど、本国のノルウェーではすでに12作ほど刊行されている人気シリーズだという。 読み始めて、ああ、北欧らしい(決めつけ)描写が続くな、と思ってた。 叙情的な、散文的な、輪郭がクリアでないままに続くストーリー。 でも、それで十分に引き込まれる。 そして気がつい...

初めて読んだシリーズだけど、本国のノルウェーではすでに12作ほど刊行されている人気シリーズだという。 読み始めて、ああ、北欧らしい(決めつけ)描写が続くな、と思ってた。 叙情的な、散文的な、輪郭がクリアでないままに続くストーリー。 でも、それで十分に引き込まれる。 そして気がついた時には、すでに鋭く突きつけられるものがある。 地に足がついた、という感がある優秀なミステリー。

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2019/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かったです。 北欧ミステリーは暗くて良いです。 世間から完全にはみ出している、周りの人と関われないエリケが、ひたすら哀しかったです。何か悪いことが起これば、全てエリケのせい。。 頭の中で声がする…というのは言及されている病気があるのですが、セイエル警部は彼を理解しようと様々な人に話を聞きに行くのが良かったです。町の人も、警官でさえ老婆殺しの犯人はエリケだと決め付けているのに。 そんなエリケは銀行強盗に巻き込まれて、強盗犯のモルガンと行動を共にしているのですが、エリケとモルガンの心が少し通っているのも良かった。そんな中での悲劇なのですが。 しかし真相がまさかの、エリケを殺したカニックが老婆まで殺していたとは。 やりきれません。エリケの生って何だったんだろう…と思ってしまいました。 普通に生きられない人たちへの作者の眼差しが優しくて良かったです。 シリーズものなのかな、他の作品も読んでみたいです。

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2020/07/31

ノルウェー、フォッスムの邦訳は2作品しかないのが残念。1作目検索したら、2年前に読んでいたすっかり忘れているが☆4個にしているので気に入ったらしい。もういちど読んでみよう。ー2回目 3回目、同じ成川裕子翻訳なのに『湖のほとりで』と主人公警部と部下の名前の表記を変えている。セイエ...

ノルウェー、フォッスムの邦訳は2作品しかないのが残念。1作目検索したら、2年前に読んでいたすっかり忘れているが☆4個にしているので気に入ったらしい。もういちど読んでみよう。ー2回目 3回目、同じ成川裕子翻訳なのに『湖のほとりで』と主人公警部と部下の名前の表記を変えている。セイエル警部シリーズ12作も出ているのに日本ではたった2作のみ、新作読みたし。

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2017/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

銀行強盗と巻き込まれた精神病院入所者の2人の逃避行を主体として進行していくが、これが精神的描写の文章が多くて読みにくい。一方追う側の警官達の話は淡々と進行していく。結局、誰が殺したかがメインではなく、あっさり終わってしまう。ちょっと残念。ただシリーズもののようであり、翻訳されればまた読んでみたい。

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2017/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

推理物なのかなーと借りてみたんだけどトリックがどうの動機がどうのという界隈からは遠かった。 精神的な障害を持つ青年とそれを取り巻く人々の偏見や思い込み、銀行強盗犯とのやりとりがじっくり描かれていて、犯人が誰なのか、というのは非常に瑣末な問題のようだった。 子供たちを信じてあげなければ、というのも思い込みなのかなあ。

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2016/12/25

ノルウェーのミステリー  統合失調の青年が犯人に仕立てられそうな状況の中で青年を信じる警部と医者がド派手とは程遠いシンプルに活躍する。スーパーマン的な活躍ではないところが、とても好感が持てる。  ストーリーは淡々と進み、驚くどんでん返しも用意されているけれど、なんとなく後味が...

ノルウェーのミステリー  統合失調の青年が犯人に仕立てられそうな状況の中で青年を信じる警部と医者がド派手とは程遠いシンプルに活躍する。スーパーマン的な活躍ではないところが、とても好感が持てる。  ストーリーは淡々と進み、驚くどんでん返しも用意されているけれど、なんとなく後味がスッキリしない。エンディングの封筒の意味がわからないからかなぁ。つまり、警部と医者のラブロマンス風の部分がどうも苦手かな。女性作家さんだからかなぁ、この部分はプラトニック過ぎてどうもキレが悪いように感じる。

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2016/11/25

ノルウェーの作家カーリン・フォッスム、1997年発表のミステリー小説。 森の中の一軒家に一人暮らしの老女が殺される。発見者は少年院に住む12歳の少年。精神病院を脱走した統合失調症の青年が現場で目撃され・・・。 一応警察ドラマですが、犯罪捜査の場面は添え物のような物語り。多数の登...

ノルウェーの作家カーリン・フォッスム、1997年発表のミステリー小説。 森の中の一軒家に一人暮らしの老女が殺される。発見者は少年院に住む12歳の少年。精神病院を脱走した統合失調症の青年が現場で目撃され・・・。 一応警察ドラマですが、犯罪捜査の場面は添え物のような物語り。多数の登場人物の間で視点が次々と切り替わり各々の心理描写がかなり克明に細々と描かれる群像劇のようなスタイルです。あまりに細々としたどうでもいいような描写にうんざりする部分もありますが、これがこの著者の持ち味なのでしょう。悪くはないです。 ミステリーとしては他愛無い話で、物語りの要は銀行強盗をした間抜けな若者と彼が逃亡する際人質にした精神病の青年、この二人の珍道中。面白いけれど、最後の方の展開にどうもリアリティが感じられないし、後味も悪いです。

Posted byブクログ