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錆と人間 の商品レビュー

3.4

7件のお客様レビュー

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2020/08/28

「最大最凶のデストロイヤー」と呼ばれる錆(さび)は,金属によって発展してきた人間にとってまさに”敵”である。本書は,自然発生して休みなく拡大し続ける錆に対して,ステンレス鋼や腐食を防ぐ技術を開発してきた人間の長い長い戦いの歴史である。

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2020/08/19

面白いが少々冗長的な部分があり、何よりこれは避けられない問題だがカタカナ読みの名前がどうしても頭にうまく入ってこずに登場人物が多数になるとちょっと混乱してしまう。でも錆についての理解が深まったのは間違いようのない事実である。

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2020/07/05

原題に「Rust - The Longest War」とあるように、人類と錆との終わりのない闘いを数々の例を挙げながら解説している。 第4章 「缶の科学」は読みごたえがある。アルミ缶は中身の腐食性でエポキシ樹脂によるコーティングの厚さが決まり、コーティングしなければコカ・コーラの...

原題に「Rust - The Longest War」とあるように、人類と錆との終わりのない闘いを数々の例を挙げながら解説している。 第4章 「缶の科学」は読みごたえがある。アルミ缶は中身の腐食性でエポキシ樹脂によるコーティングの厚さが決まり、コーティングしなければコカ・コーラの缶は三日で錆びるという。コーティングに使われる「ビスフェノールA」が、環境ホルモンとして人体に与える問題点についても触れられている。

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2017/03/10

しんどー。読み辛かった。 テーマはすごくいい。過去から現在に至るまで、サビとの戦い。つか、錆びてるのが自然なのを無理やり脱酸して金属を使ってるわけで、静かに、確実に楽な方へ戻ってくのは当然なんだな。 それがどれくらい、問題を生んでいるか、いろんな立場の人の話を綴りながら展開してい...

しんどー。読み辛かった。 テーマはすごくいい。過去から現在に至るまで、サビとの戦い。つか、錆びてるのが自然なのを無理やり脱酸して金属を使ってるわけで、静かに、確実に楽な方へ戻ってくのは当然なんだな。 それがどれくらい、問題を生んでいるか、いろんな立場の人の話を綴りながら展開していく。 のだが、いや、その人のキャラクターや生活などを描きすぎてというか、読みづらい。どこが重要なのか解らない。 ま、そういうのを読ませればいいんだけど、それほど魅力も感じない文章で。 エッセンスだけまとめたような本があったら、そっちの方がいい。

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2022/06/01

あんまり金属と縁がないから、錆のことって普段それほど気にしていなかった。だが錆は深い。本書にはさまざまな錆と、錆に深く関わった人たちが登場する。防食の帝王・錆大使。錆カメラマン。自由の女神の錆を落とす人。ステンレスをつくった人。そう、錆の話、のように見えていて、錆に関わる人の話だ...

あんまり金属と縁がないから、錆のことって普段それほど気にしていなかった。だが錆は深い。本書にはさまざまな錆と、錆に深く関わった人たちが登場する。防食の帝王・錆大使。錆カメラマン。自由の女神の錆を落とす人。ステンレスをつくった人。そう、錆の話、のように見えていて、錆に関わる人の話だ。 錆についての最も古い記録は、古代ローマ陸軍の指揮官による憤怒の言葉だった。投石機が腐食して弱くなってしまうのだ。錆の仕組みを理解できなかった当時の人たちは、鉄の力に限界を与えるための罰である、なんていう風に考えたりしていた。 錆に関心が強くなかった僕だから、この本で結構錆の知識も手に入れられたかな、と思うけど、先に書いたように主役は錆でなくて錆マニアだ。故に錆に関する記述は、分厚い本の割には多くないように思う。錆のことを詳しく知りたい人は別を当たったほうが良い。 「防食っていうのはセクシーじゃないからね」なんていうセリフが出てくるような本だから(褒めてる)。

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2016/12/22

 錆とテーマにした本を書くとはずいぶん渋い著者だなと思った。読み進んでいくと錆にもいろいろなことがあるのだなあと分かる。本の分厚さも気にならないくらいだ。  著者は、環境・科学ジャーナリストしてワシントンポスト紙などに寄稿している。本書は処女作で、アメリカ国内において高い評...

 錆とテーマにした本を書くとはずいぶん渋い著者だなと思った。読み進んでいくと錆にもいろいろなことがあるのだなあと分かる。本の分厚さも気にならないくらいだ。  著者は、環境・科学ジャーナリストしてワシントンポスト紙などに寄稿している。本書は処女作で、アメリカ国内において高い評価を得ていると書かれている。  錆をテーマにして写真を撮っている女性が紹介されている。その名は、アリーシャ・イブ・スックだ。錆を被写体に選ぶとは相当な錆萌えだな。過去10年間に3万枚近く錆の写真を撮っているというから驚きだ。  自由の女神の修復や、缶をめぐる規制でいろいろな利権が絡み一筋縄ではいかなかったことがつづられているのを見ると、鉄の錆よりも人間の心の錆の方が厄介だ。除夜の鐘を聞いても取れないだけに重症だな。  錆でのこれだけいろいろなことが書けるとは、錆を甘く見るとやけどする。小難しい呪文のような数式が登場しなかったので、文系でも楽しめるので良かった。

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2016/09/30

原題は"RUST"(錆)。 人は古くから金属を加工し、利用してきた。 金属にとって最大の敵とも言えるのが「錆」だ。強度を弱め、パイプ状であれば詰まらせ、可動部を動かなくする。金属容器が腐食すると中のものは漏洩する。コンクリート内の鉄筋の錆は気付かれないままに野...

原題は"RUST"(錆)。 人は古くから金属を加工し、利用してきた。 金属にとって最大の敵とも言えるのが「錆」だ。強度を弱め、パイプ状であれば詰まらせ、可動部を動かなくする。金属容器が腐食すると中のものは漏洩する。コンクリート内の鉄筋の錆は気付かれないままに野火のように広がり、骨組みをぐらつかせる。 ひとたび壮大な金属構造物を作っても、時が経てば錆が付く。錆がつかないよう予防し、錆がついていないかどうかチェックし、錆がついていれば処理する。メンテナンスなくして金属構造物の長期存続はありえない。 本書はそんな、「錆」を巡る物語である。 錆の発生原理や、錆研究の歴史といったお堅い話よりも、錆と戦い、ときには錆を愛する「人間」のドラマが主だ。 自由の女神、カトラリー、缶詰、廃墟となった工場、戦艦、そしてパイプライン。さまざまなものに錆は付き、人はさまざまな錆と奮闘する。 ひょんなことから錆に興味を持った著者が、錆を知り尽くし、ある意味、錆に魅入られた人々を訪ねて旅に出る。 今でこそ、缶詰はごく身近なものだが、酸性食品や飲料を缶に詰められるようになるまでには多くの苦労があった。トマトの缶の内側に錆がつかないのは決して当たり前ではないのだ。 錆は金属と酸素の反応により金属が酸化して生じる。中味が酸性食品でも極薄の缶が腐食しないのは、内部表面に特殊なコーティングがされているためだ。コーティングは中味によって替えられ、時には原料がほんの少し変化しただけで、コーティングにも手を加える必要が出る。空間部分のヘッドスペースには窒素ガスなどが充填され、酸素が缶を錆びさせないようにしている。錆が発生してひとたび液漏れが起こると、一緒に保存される他の缶詰も連鎖的に腐食が進み、気が付けば倉庫一杯の缶詰が液漏れという事態にもなりかねない。 戦艦も銅像も錆が付くと大変なことになることは想像が付くが、実のところ、防錆に最も注力しているのは、石油業界である。 石油を運ぶ長い長いパイプラインに、1箇所でも損傷があれば、そこから石油が漏れ、周囲も汚染される。アラスカ州を縦断するパイプラインは何と1300km。この錆管理には、ピグ(pig)と呼ばれる錆探知ロボットが使われている。長さ5m、重さ4.5トンというロボットは、ムカデのようにパイプ内を走り、くぼみやへこみ、薄くなっている部分がないか、センサーで捉え、記録する。 自動で走らせればよいなら簡単と思われそうだが、高価なロボットがパイプに詰まって動けなくなったり、あるいは暴走してパイプを壊したりしないよう、操作には細心の注意を要する。 著者は、錆そのものだけでなく、錆と格闘する人々の人となりも生き生きと描き出す。本書に出てくる人たちは、どの人も少し風変わりでこだわりが強い。錆に興味があることだけは共通点だが、私生活はさまざまで、あるいはスタートレックが大好きだったり、あるいは魚が好きで自宅に巨大水槽を持っていたりする。こうした人々を、翻訳者はあとがきで、「オタク」と呼んでいるが、なるほどある意味そうかもしれない。「錆」のような、ともすれば人が見過ごしがちなものに目を止め、生涯の仕事にすること自体、こだわりの強さを必要とするのであろうから。 本書には、防錆に奮闘する人だけでなく、錆のあるがままの姿に魅せられた人も登場する。廃墟の錆を撮影する錆写真家である。原著版では彼女の写真が表紙になっている。 ウェブ上でも見られる"Abstract Portraits of Steel"(「鉄鋼の抽象写真」)と題された作品群は、長い時を経た錆がフレームに収められた静かで力強い雰囲気を持つ。 惜しむらくはいささか「翻訳物臭さ」が感じられることか。それは、アメリカ人には通じるだろうがアメリカ人にしか通じない著者の笑いのセンスかもしれないし、あるいはときに生真面目すぎると感じさせる訳文のせいかもしれない。 だが一風変わった「錆の戦士」たちを案内人に、錆が鍵を握る、意外に広い世界への扉を開いてみるのも悪くない。 どんなものでも深遠になりうるものなのだ。

Posted byブクログ