猫と幽霊と日曜日の革命 の商品レビュー
なんてことはない、摩訶不可思議なボーイ・ミーツ・ガールなお話だ。 優しい世界の作り方を探して、今日も彼は三日飛ぶ。 生まれ変わったら、幽霊になってみたい。それもまた一興。
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やはり美しいレトリックだ。新海誠監督の「新海モノローグ」のように、「河野レトリック」とでも勝手に名付けたくなる、特徴的な修辞が心地よい。そして本作でも、著者らしく、突飛な設定を前触れもなくぶっ込んできた。とはいえ、多少の戸惑いはあれどそれはすんなり受け入れられるし、その上に広がる...
やはり美しいレトリックだ。新海誠監督の「新海モノローグ」のように、「河野レトリック」とでも勝手に名付けたくなる、特徴的な修辞が心地よい。そして本作でも、著者らしく、突飛な設定を前触れもなくぶっ込んできた。とはいえ、多少の戸惑いはあれどそれはすんなり受け入れられるし、その上に広がる本来ファンタジー的なはずの物語も、まるで日常系青春小説の如しだ。特殊能力が日常的な世界での一種のミステリーは、お伽話のようですらある。誰もが優しい世界はなくても、そうありたい世界を見られるのは、物語の幸せだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この街、咲良田で生活している人の大半は、何かしらの能力を持っている。 しかし、街から出るとその能力は失われるため、特に問題なく毎日が過ぎる。 特に力の強い能力者たちは能力管理局の監視下に置かれるが、少しは自由になるために浅井ケイは、学校ではボランティア部で管理局の手伝いをしている。 浅井ケイの能力は、全てを記憶する能力だ。 そして彼とペアを組むのが春埼美空、彼女の能力は三日以内に設定したセーブポイントまで時間をリセットこと。 時間を巻き戻すと春埼自信も、巻き戻った時間の記憶を失ってしまうが、ケイはその間の記憶を保ったまま時間を遡ることができる。 ボランティア部の顧問、津島、管理局側の人間だが、からの依頼は「事故で死んでしまった飼い猫を生き返らせてほしい」というものだった。 ケイは生き返る、という言葉が引っかかるもこの依頼を受ける。 管理局に協力するようになった二年前、春埼のリセットにより世界を改変したことで友人を一人失ったからだ。 猫を追いかけていくうちに、別の事件に巻き込まれていく。 シンプルに面白い。ありがちな能力バトル物ではない。 登場人物たちの会話のテンポが良い。 すべて説明されない人物設定があり、性格に深みがある。 7カ月連続刊行、ってことで、これからの続編に一巻目で詰め込まれた設定が描かれていくのだろう。 実写映画化&アニメ化進行中だそうで。 今、イチオシの作者である。
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一度角川スニーカー文庫から出されているものを読んでいるので感想は割愛。以前読んだときよりも文章が洗練されているように感じるのは、加筆・修正されているからでしょうか。読みやすくなったように思います。それとも結末を知っていて読んでいるからそう思うだけなのかわかりません。改めて読むと、...
一度角川スニーカー文庫から出されているものを読んでいるので感想は割愛。以前読んだときよりも文章が洗練されているように感じるのは、加筆・修正されているからでしょうか。読みやすくなったように思います。それとも結末を知っていて読んでいるからそう思うだけなのかわかりません。改めて読むと、今後の展開を知っているので、思わず泣いてしまいました。しかし表紙は以前の方が好きでした。そこが残念。
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いいと思う。 時間SFとか異能バトルとか危うい方向に転びそうな感じなんだけど、読んでみると安定感が半端ない青春小説。 スニーカー文庫版はイラストが好みじゃなかったから読んでなかったんだけど(当時ガガガ文庫のクイックセーブ&ロード読んでた癖に)2009年て個人的にライトノベ...
いいと思う。 時間SFとか異能バトルとか危うい方向に転びそうな感じなんだけど、読んでみると安定感が半端ない青春小説。 スニーカー文庫版はイラストが好みじゃなかったから読んでなかったんだけど(当時ガガガ文庫のクイックセーブ&ロード読んでた癖に)2009年て個人的にライトノベルブームの終盤だったからこれ読んでたら再燃してたかもな。 今回本文が改稿されてる部分があるらしいけど、どう変わってるのかは気になるところ。
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