ささやく真実 の商品レビュー

ヘレン・マクロイ(著者),駒月雅子(訳者)

2016/11/30

最後は一気読み。
しかし、謎解きをきいて、えっ、それじゃここまで読んできたのは一体？！という気分になったのもたしか（笑）。そういう意味では、ツッコミどころもあるかなと。

2016/11/20

フェアな伏線が張られたストレートなフーダニット。

興味をそそる奇抜な設定からスタートした暴露大会は、最高潮の盛り上がりで場面展開を見せる。その後、死体発見から捜査のプロセスを経て解決編へと流れていくのだが、とにかくストーリー運びが抜群に巧い。でもって、ウィリング博士の推理と並行して展開していく派手なメロドラマもこれまた面白い。わかりやすいキャラクターをきっちり描いてあるので、個々の隠された事情が明らかになるごとに引きつけられ、推理と人間ドラマに挟まれて飽きることなく読み進められた。

肝心の謎解きは、容疑者全員が怪しい状態で動機と機会があった者を探り当てていくという王道の流れ。伏線は過不足なく張り巡らされ、ミスリードも絡めながら解決へと収束していく。残念ながら私はメロドラマに興味がいってしまい、まんまとミスリードに引っ掛かるというへっぽこ推理だったが、きちんと読めば真犯人を推理するのは困難ではない。挑戦しがいのある事件だと思う。

久々に謎解きの面白さを味わえた。やっぱ本格っていいよねー。

2016/11/08

ウィリング博士シリーズ第3作。
パーティーの主催者であるクローディアが飲み物に自白作用のある新薬を混ぜたため暴露大会に。その夜、彼女が殺害されて…
登場人物は少ないが、クローディアをはじめそれぞれ個性が際立っていて人間ドラマに引込まれる。
犯人が最後に自爆ともいえる行動をとったのはいまいちよくわからないが、推理の過程は面白かった。タイトルも最後まで読んでなるほどと思う。
マクロイの中でも傑作だと思うが、なぜ今まで未訳だったのか。

2016/09/28

版元が筑摩書房に変わったのかと思っていたら、新刊は東京創元社。この先、邦訳は2社から出るのか？　だとしたら有り難いことだ。
マクロイらしいパズラー。被害者がなかなか強烈な人物造形で、典型的な性格の悪い悪女キャラながら、その背景がユニークだった。

2016/09/02

面白イッ！　まず人物像がそれぞれ面白い、中でも特にクローディアの奔放な小悪魔ぶりが魅力的。

伏線や手がかりは惜しげも無く置かれているというのに、最後まで読んで、そうだったか、だからか、ふむふむともう1回頭から読みたくなる。
そして頭に戻ってみると、また違う余韻が。。。

やっぱり「マクロイにハズレなし」の意を強くしたのであった。これからもついていきます。。。