QJKJQ の商品レビュー
ある意味父から娘へ色々な物を伝える物語だったのかなぁ。それほどミステリミステリはしてない上に話の根幹を支える設定も奇抜で受け入れるのが難しい感じだったけれど妙に脳内にしこりを残す話だった。私はあの父が娘へ与えたものは愛だったと思ってる。
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「QJKJQ」 第62回江戸川乱歩受賞作。 一家全員がシリアルキラー。お互いの秘密には立ち入らない。父の市野桐清、母の杞夕花、兄の浄武、妹の亜李亜は、それぞれの手段で殺人を繰り返す。 このぶっ飛んだ設定から、無差別に無害な人々を襲うか互いに殺しあう残酷非道な展開ではないか...
「QJKJQ」 第62回江戸川乱歩受賞作。 一家全員がシリアルキラー。お互いの秘密には立ち入らない。父の市野桐清、母の杞夕花、兄の浄武、妹の亜李亜は、それぞれの手段で殺人を繰り返す。 このぶっ飛んだ設定から、無差別に無害な人々を襲うか互いに殺しあう残酷非道な展開ではないかと予想していた。少なくとも読んだら気持ちが落ちるか、重くなる、又は、彼らを到底理解できない訳で、不快になるだろう、と。読了感想はネガティブ一色。なんで江戸川乱歩賞受賞なんだ?と。 しかし、亜李亜が目撃した理解できない出来事をきっかけに、雰囲気が変わってくる。「QJKJQ」は亜李亜に刺激を与え、互いに理解できていなかった家族に対して不信が募り、得体の知れない存在がちらついてくる。最後になれば、ポルシェ・カイエンに乗るハウスダスト調査員も死亡事故があったホテルが営業を再開するレベルの完璧さで綺麗になる部屋もESTO PERPETUAも、謎だったり腹落ちしない点も解消させる。この解消される展開はミステリーのよう。 亜李亜の人殺しの世界内外に関しては、よく分からない。ネタバレを避けるために曖昧に言うならば、それってどっち?となる。また、シリアルキラーでありながらもあの感情に走る、と言うのはどうも腹落ちしない。あの時点では、まだ、違うはずだからだ。もやもやする。 しかし、辻村深月曰く「オリジナルの場所から他の何とも似ていない作品として本作を描いたことは伝わる」と言うのは理解出来る。ただ見るだけの存在が、ただの残酷非道なストーリーにすることなく、本作を何とも似ていない作品にしていると思う。ただ、読者を選ぶ作品かなとも感じる。何せすっきりしないもやもやタイプの作品なのだから。ちょっと期待値を上げ過ぎていた感はあるが。 P.S.江戸川乱歩賞受賞作品を全部読んでる人っているんだろうか。私が読み切ることはないだろうなと巻末ページを読みながら思ってしまった。
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この物語は美しい。読み終わってあらためて振り返った時、それはまるで究極の多面体のように見える。ドグラマグラのようでもあり、向日葵の咲かない夏のようでもあり、いずれにしても決して抜けることのできない迷宮に読者を誘い込む。 途中でがらりと変わる世界観。しかし、迷宮を抜けた先にあったの...
この物語は美しい。読み終わってあらためて振り返った時、それはまるで究極の多面体のように見える。ドグラマグラのようでもあり、向日葵の咲かない夏のようでもあり、いずれにしても決して抜けることのできない迷宮に読者を誘い込む。 途中でがらりと変わる世界観。しかし、迷宮を抜けた先にあったのは、やはり新しい迷宮だった。 しかもそのリズムのスピード感たるや、これはただ者ではない。 ANKも面白かったが、これはすごいものを読んだ、という満足感で一杯だ。
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のっけから何が起きるのかドキドキ感がすごかった。 ただ終盤ちょっと、え・・・って感じも。 小難しいハナシになってきたしww でも文章は読みやすくて好みでしたー。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館本。 “家族全員が猟奇殺人鬼”という恐ろしい設定。 表紙のデザイン。 第62回江戸川乱歩賞受賞作。 と、私の気をひくポイントがあり、読むことに。 運良く図書館で早めに順番が回ってきたので、ありがたや。 思っていたよりもエグみはないものの、全体的に不気味なオーラを終始放っている。 おぉ…となりながらついつい読み進めてしまった。 文章も基本主人公目線で進むので、ひょっとしたらライトノベルのノリかなと思いきや、そんなこともなく。 面白かった。 ただ、誰にも感情移入できなかったので、単に謎の行きつく先を知りたいがために読み切った。 あんまり好みではないけれど、他の作品も読んでみたいなと。 でも、今のところ出版されている同じ著者の作品はミステリとは少し違ったもののようでちょっと見送り。 この作品自体もミステリというか…うーん? 謎は確かにある。 江戸川乱歩賞…江戸川乱歩の作品のように少し不気味な、奇妙な空気感は確かにあるかも。 面白かったこと。 読み終えるまでは簡単なようで何だか頭にすっと入らないタイトルだと思っていたけれど、読み終えるとすすすっと、このアルファベットの並びが頭にインプットされたこと。
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これ、乱歩賞なのか。 以前はずっとおいかけてた乱歩賞だったけど 最近ご無沙汰だったな… 家族全員が殺人鬼?というあらすじに惹かれて読んだけど ちょっと物語というより 雰囲気でもってく感じで 後半はあらーとはなったものの なんか物足りなさがあった。
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★乱歩賞としては斬新★久しく江戸川乱歩賞の受賞作を読んでいなかったが、「脳男」を読んだ時のような謎解きとは異なる違和感が興味深かった。殺人を分析する生物犯罪学という超法規機関のアイデアや主人公の幻想が覆るというのは、それなりに引っ張られる。ただ、おどろおどろしい舞台装置を除くと、...
★乱歩賞としては斬新★久しく江戸川乱歩賞の受賞作を読んでいなかったが、「脳男」を読んだ時のような謎解きとは異なる違和感が興味深かった。殺人を分析する生物犯罪学という超法規機関のアイデアや主人公の幻想が覆るというのは、それなりに引っ張られる。ただ、おどろおどろしい舞台装置を除くと、選者の辻村深月が言うようにライトノベルっぽい。
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主人公はJK、本人も含めて家族は皆猟奇殺人犯 おそるおそる読み始めたが、やられた感があります なんじゃこりゃ?って思ったタイトルもそういうこと、なのね
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まず読み終わると言葉にならない感情で溢れかえった。 目には見えないモノが美しいこと、おぞましいこと。きっとそこを乗り越えたりはまりながら私たちは生きていくんだろうと。 佐藤究さんに贈りたい。言葉にならないそれ以上の何かを。 ありがとうございました。
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奇妙なタイトルが目を引き、一家全員猟奇殺人鬼という興味深い設定と江戸川乱歩賞とのことで手に取ってみた。 序盤、グロテスクで暴力的な内容が面白くてゾクゾクして読み始めたものの、途中から予想外の展開を見せる。 中盤から馴染みのない単語が並べられた説明的な箇所は多少斜め読み… 読後、...
奇妙なタイトルが目を引き、一家全員猟奇殺人鬼という興味深い設定と江戸川乱歩賞とのことで手に取ってみた。 序盤、グロテスクで暴力的な内容が面白くてゾクゾクして読み始めたものの、途中から予想外の展開を見せる。 中盤から馴染みのない単語が並べられた説明的な箇所は多少斜め読み… 読後、モヤモヤしたものが残る。 次作が評価高いらしいので、機会があれば読んでみたいと思う。
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