1,800円以上の注文で送料無料

QJKJQ の商品レビュー

3.4

99件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/09/27

 語り部は、「わたし」で17歳の少女、物心がついた頃から猟奇殺人一家の長女だった。  学校では友達がいない。いじめに遭ってもまったく気にしないし、相手にしなければ、そのうち興味がなくなり、いじめられなくなるらしい。それでもしつこく絡んでくる奴は、殺してしまえばいいのだと考えてい...

 語り部は、「わたし」で17歳の少女、物心がついた頃から猟奇殺人一家の長女だった。  学校では友達がいない。いじめに遭ってもまったく気にしないし、相手にしなければ、そのうち興味がなくなり、いじめられなくなるらしい。それでもしつこく絡んでくる奴は、殺してしまえばいいのだと考えている。  家族構成は、父・母・兄・わたし。それぞれ殺人の美学があるようだ。ある日、兄が殺された。犯人は?の疑問に父は沈黙した。  このままでは「わたし」が殺し殺される。  この作品を読みたいと思ったのは、アルファベットのQJKJQ…が印象的でカードゲームの絵札を連想し、TVのクイズ番組なら容易に解答できる。何故この順番なのか?もしかして乱歩先生の金庫の暗号か?と勘繰った。  過去に、この作品と似た設定の小説があったと主張する若い選考委員がいたそうだが、事実だとしてもがっかりした。  僕は新しい形の小説で、敢えて言うなら「幻想ミステリー小説」と。勿論読者によって賛否両論もある。僕が選ぶならこの本を推すが、若い人達や女性ならどうだろうか。世代のギャップと指向性で、読書は自由だと思い乍も孤立する。  伏線の回収に漏れがないと思う。作品には「わたし」が父に計算しつくされ誘導をされたと書いている。  この小説はよく出来ていて程よい刺激が楽しい、既に著者の他の作品も買い置きしています。読むのが楽しみだ。  著書の中に、エッシャーの階段アートを引用していた。永遠に昇り続ける階段は、錯視によるもので視覚から入る平面の情報が、脳を混乱させています。アートとしては面白いが、一生登り続けなければならない階段は存在しない。もしあるとしたら、天国への階段かもしれない。    読書は楽しい

Posted byブクログ

2021/09/11

ストーリーの斬新さと惹き込まれる文章に完全に魅了されてしまいました。設定としてかなり受け入れ難いものでしたが、彼女と一緒に色々な出来事を経験した事で受け入れることができたように思います。

Posted byブクログ

2021/08/12

ミステリーとしての評価はわからないけど、タイトルと全体の雰囲気が好み。するする読めて、おもしろかったです。

Posted byブクログ

2021/08/03

現実味はないけど自分の常識が崩れていく様が面白く続きが気になりどんどんと先を読みたくなる。 どこからが現実でどこからが想像なのか、境目が分からないほど自然な境界線 今後どう生きていくか、となったときにその解決方法をさらりとやってのけるところで、ありあは本当に頭がいいし強いなと思っ...

現実味はないけど自分の常識が崩れていく様が面白く続きが気になりどんどんと先を読みたくなる。 どこからが現実でどこからが想像なのか、境目が分からないほど自然な境界線 今後どう生きていくか、となったときにその解決方法をさらりとやってのけるところで、ありあは本当に頭がいいし強いなと思った。

Posted byブクログ

2021/07/08

「テスカトリポカ」がわたし的に好印象だったので手に取りました。江戸川乱歩賞受賞作だったのですね。家族全員猟奇殺人鬼という設定でしたが想像もしない展開に…。良い意味で思っていたのと違っていました。「テスカトリポカ」もそうでしたが、グロテスクな描写も多いのにそれほど嫌悪感を強く感じら...

「テスカトリポカ」がわたし的に好印象だったので手に取りました。江戸川乱歩賞受賞作だったのですね。家族全員猟奇殺人鬼という設定でしたが想像もしない展開に…。良い意味で思っていたのと違っていました。「テスカトリポカ」もそうでしたが、グロテスクな描写も多いのにそれほど嫌悪感を強く感じられないのは何故なんでしょうか。

Posted byブクログ

2021/05/28

紀伊國屋で平積みされ、絶賛されてた佐藤究。乱歩賞作家だったのか。舞台は西武新宿線の東伏見の町。地味だなあ。殺人鬼一家の女子高生が主人公かあ。出だしこそラノベちっくだけど、殺人鬼一家が病んだ脳の作った妄想…って辺りから面白くなってきた。わはは。そうか、これがイマドキの乱歩賞か。

Posted byブクログ

2021/04/10

以前より気になっていたこの本。独特の雰囲気が滲み出ている。 「私の家族は全員、猟奇殺人鬼」なかなかそそる文言。そして有栖川有栖さんのコメント「これは平成の『ドグラ・マグラ』である」にも期待値は上がる。第62回江戸川乱歩賞受賞作。 色々とスッキリしない内容ではあるが、辻褄は合っ...

以前より気になっていたこの本。独特の雰囲気が滲み出ている。 「私の家族は全員、猟奇殺人鬼」なかなかそそる文言。そして有栖川有栖さんのコメント「これは平成の『ドグラ・マグラ』である」にも期待値は上がる。第62回江戸川乱歩賞受賞作。 色々とスッキリしない内容ではあるが、辻褄は合っている。犯罪を未然に防ぐ「マイノリティ・リポート」を思い出す。読みにくさはあるけど好きな部類。結論、どこにでもいる普通の人間が一番恐ろしいってこと。ジャンル分けは意味をなさない場合もある。 選評がまた楽しめる。他の作品も読みたいと思わせる。

Posted byブクログ

2021/02/23

延々と猟奇殺人が描かれるのかと思って構えて読み始めたが、途中からガラッと様相が変わった。今どきの精神分析ものとは一線を画しているようで、しかし後半若干無理がある気もする(伏線は回収されているけれど)。文体が非常に相性が良く、テンポよく読み進められたので、他の作品も是非読みたい。

Posted byブクログ

2020/07/24

帯の文句と変わったタイトルに惹かれて読んでみたが、設定が衝撃的なだけに結末が期待外れに感じられてちょっと残念に思った。 ただ殺人の概念とか知識というのは読んでいて面白いなと思った。 ミステリーお決まりの犯人が捕まってスカッとするような話ではないため、個人的にはあまり好みではなかっ...

帯の文句と変わったタイトルに惹かれて読んでみたが、設定が衝撃的なだけに結末が期待外れに感じられてちょっと残念に思った。 ただ殺人の概念とか知識というのは読んでいて面白いなと思った。 ミステリーお決まりの犯人が捕まってスカッとするような話ではないため、個人的にはあまり好みではなかった。

Posted byブクログ

2019/11/20

タイトルが素晴らしい。設定も異様すぎて暫く引き込まれたけど、物語の全容が見えてくるうちに、ああこういうやつね、となってしまった。 衝撃の結末を期待している人には肩透かしのように感じるかもしれない。文章力は確かである。

Posted byブクログ