〈インターネット〉の次に来るもの の商品レビュー
今、読むべき1冊。インターネットをはじめとする現代の科学技術に、あたかも自然科学のような法則性を見出して、今後の行く末を大局的な見地から提言する。行く末を表すための「12の動詞」が用意され、読者がそれを直感的に理解することができる。筆者が長年IT系の雑誌の編集に携わっていためか、...
今、読むべき1冊。インターネットをはじめとする現代の科学技術に、あたかも自然科学のような法則性を見出して、今後の行く末を大局的な見地から提言する。行く末を表すための「12の動詞」が用意され、読者がそれを直感的に理解することができる。筆者が長年IT系の雑誌の編集に携わっていためか、本書で語られる未来予想図は夢に満ち溢れており、ある種のSF小説を読んでいたような爽快感があった。
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商用インターネットが始まって20年余り。20年前に今のようなネットの活用をごく自然に行うようになっているなんて、想像もできなかった。デジタルテクノロジーを避けて生きることは人類にはもはやできず、どのように利用しながら(組み込まれながら)生きていくのか、著者の深い造詣から書かれた1...
商用インターネットが始まって20年余り。20年前に今のようなネットの活用をごく自然に行うようになっているなんて、想像もできなかった。デジタルテクノロジーを避けて生きることは人類にはもはやできず、どのように利用しながら(組み込まれながら)生きていくのか、著者の深い造詣から書かれた12の章は、この時代を真剣に生きようとする人間の目を強烈に目覚めさせてくれることうけ合い。
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テクノロジーはプロダクトからプロセスになる。すなわち名詞(もの)から動詞(サービス)へ変わっていき、更にそのサービスは現在進行形で変化していくと説き、今後進行するテクノロジーが起こす12の方向性を語る好著です。ただしタイトルでやや煽っているようなインターネットに取って代わる別のも...
テクノロジーはプロダクトからプロセスになる。すなわち名詞(もの)から動詞(サービス)へ変わっていき、更にそのサービスは現在進行形で変化していくと説き、今後進行するテクノロジーが起こす12の方向性を語る好著です。ただしタイトルでやや煽っているようなインターネットに取って代わる別のものが来るというより、更に技術が進化することで訪れる新しい世界を展望している。12の方向性はそれぞれ関連していて、自分の解釈では次の通りです。 BECOMING 技術に進歩により新しいことが起こる COGNIFYING 人工知能が様々な分野に普及する FLOWING 全てがデジタル化され流動性が高くなる SCREENING 何処にでもスクリーンが存在して何かを表示している ACCESSING 所有からアクセス権へ移行する SHARING 共有の文化が広がる FILTERING 選ぶあるいは選ばれる REMIXING 再構成や再利用が活発になる INTERACTING センサーなどにより多くの感覚を使用しての対話が可能になる TRACKING 全てをデジタル化して記録する QUESTIONING 知識が増えると疑問も増える BEGINNING インターネットテクノロジーの進化によって新しい世界が始まる
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「ホール・アース・カタログ」の発行に携わり、「WIRED」の初代編集長も務めた著者が、インターネットに続く今後30年間の様々なテクノロジー(IoT、ロボティクス、AI、VR/AR、ブロックチェーン等)を、現在進行形の”潮流”と捉えて、12の現在分詞で表現する。 12の現在分詞は...
「ホール・アース・カタログ」の発行に携わり、「WIRED」の初代編集長も務めた著者が、インターネットに続く今後30年間の様々なテクノロジー(IoT、ロボティクス、AI、VR/AR、ブロックチェーン等)を、現在進行形の”潮流”と捉えて、12の現在分詞で表現する。 12の現在分詞は、 ・Becoming ・Cognifying ・Flowing ・Screening ・Accessing ・Sharing ・Filtering ・Remixing ・Interacting ・Tracking ・Questioning ・Beginning であり、当然ながらこの個々の現在分詞は相互依存性を持つ。例えば、Sharingの具体的な動きであるオープンソース/コラボレーション型のワークスタイルは、その仕事の対象物が固定的ではなくインターネット上でFlowingであるから成立するし、そうしたFlowingされたコンテンツへはAccessingが必要となる。 ローレンス・レッシグがサイバー空間に流れる規制についてかつて「CODE」で語ったように、アーキテクチャー(=プログラミングされたCODEに基づく)による規制は我々の行動を知らず知らずのうちに規定していく。そして現在は「CODE」が執筆された1999年よりも、テクノロジーのウェイトは更に重くなり、アーキテクチャの変化は、法律・市場・慣習といった他の3要素を従属させながら止まらずに進んでいくようにも見える。重要なのは、本書の最終章がBegginingであることに明らかであるが、こうした変化がまだ始まりに過ぎないけれども、止まることがないこと、様々な問題点や批判はあるけれどもそれは技術の進展の歴史において常に繰り返されてきたことであり決してこの進歩を徒に止めてはならないことという点にある。
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30年前と比較してコンピュータやインターネットは飛躍的な進歩を遂げている。30年前を思い起こせば、老若男女が電車の中でスマホをいじっている姿はとても想像できなかった。電車の中の風景だけを言えば、30年前の人々にとって現在は、明らかに未来の風景だと言える。 しかし、著者のケヴィン...
30年前と比較してコンピュータやインターネットは飛躍的な進歩を遂げている。30年前を思い起こせば、老若男女が電車の中でスマホをいじっている姿はとても想像できなかった。電車の中の風景だけを言えば、30年前の人々にとって現在は、明らかに未来の風景だと言える。 しかし、著者のケヴィン・ケリー氏はまだ始まりに過ぎないという。これからの30年で起きることは12の”不可避”な潮流から読み解けると説いている。 テクノロジーの進化に伴う負の側面には触れておらず、明るい未来像だけに誘導されてはいるが、既に起こっている未来として現在を見直すための良書と言える。 40年前にアラン・ケイ氏が描いていた未来通りになっていることを思えば、これらの30年でシンギュラリティは来るであろうし、ビットの世界へ我々が取り込まれていくのは進化の方向として正しいとさえ思える。 本書をベースに様々な議論が起こるであろう。楽しみだ。
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