東芝粉飾の原点 の商品レビュー
綿密な取材に基づく東芝事件のドキュメンタリー。この通りだとすると、企業文化が変わるほどの大変革をしないと、なかなか会社としての復活は難しそうだなと感じる内容。
Posted by
経理系に携わる人でないと難しいかもしれないが、どの日本大手企業にも潜む闇が赤裸々に描かれていると思う。典型的な日本的経営であり、昨今を象徴していると思う。社会人は是非読んでいただきたい。
Posted by
不正発覚からの事細かな動きがかかれていました。 発覚後もなんとか持たせる為に、さらなる不正を行うあたり、古い体制の人間の危機管理能力の低さが、よくわかります。
Posted by
経営トップが不正を働こうとした、管理部門が不正を止められなかったという一義的な原因はあるものの、根本の原因は企業風土(=企業理念)
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
始めに甘く見てると後々痛い目にあうというお話。痛い目に合うのが組織の下層のほうがひどくなるというのが私のような庶民が読むとなんとも切ない気持ちになってしまいます。 まったく経営上層部の判断の甘さ、間違いは何に由来しているのでしょうね。事業部ごとの弱みを見せれない権力闘争の綱引きだったのか、みんなで空気を読んでしまったのか。そのあたりも知りたいです。 「チャレンジ」自体は最初はただのストレッチゴールだったんだと思います。それがどこから「仏作って魂入れず」なのか、「親の心子知らず」なのか形骸化というか変質してしまったんですね。 人減らしのリストラは怖いですね。リストラされた人もそうですが、リストラを実行した組織は体力落ちますよね。
Posted by
数年ぶりに読み返してみた。 従業員の立場では、経営者に抗えないとしても、いつでも外で勝負できるスキル、もしくは代えのきかない人材であると認められることが大事。 経営者の立場では、金策に走る時間や損失を隠すことに使う労力を、未来に向けて使えてたならば結果は異なったかも知れない。...
数年ぶりに読み返してみた。 従業員の立場では、経営者に抗えないとしても、いつでも外で勝負できるスキル、もしくは代えのきかない人材であると認められることが大事。 経営者の立場では、金策に走る時間や損失を隠すことに使う労力を、未来に向けて使えてたならば結果は異なったかも知れない。 いずれにしても経営者の不正は絶対に許されるものではない。
Posted by
もう少し早く読めばよかった。 当時の事件の流れが分かりやすくまとめられている。 登場人物と事件、年代の関連が複数あって、いつ、誰が、が途中途中で混乱するが、丁寧に読み返せばなんとかついていけた。 最後に年表があることに、最後50ページくらいになるまで気づかなかった。これが...
もう少し早く読めばよかった。 当時の事件の流れが分かりやすくまとめられている。 登場人物と事件、年代の関連が複数あって、いつ、誰が、が途中途中で混乱するが、丁寧に読み返せばなんとかついていけた。 最後に年表があることに、最後50ページくらいになるまで気づかなかった。これがわかってればもう少し読み易かったはず。 内容としては、不正のカラクリや、追求するものかわすもの、を時系列に述べられている。結局諸悪の根源は原発事業ということなのかも知れない。
Posted by
日経ビジネスオンラインで東芝粉飾問題を追及しまくり、東芝の闇を暴ききった日経ビジネス執筆陣による書籍化。 他の東芝本はこの連載と調査の果実を適当にむしり取っているだけで、調査報道をしたのは日経ビジネスという点を考えれば★5。
Posted by
ジャーナリストによる、東芝粉飾決算について暴いた本。情報源は定かではないが、部内へのアンケート、取材、内部告発などによって明らかになったデータを基に、時系列に状況を追っている。調査報告書等の公表文書のみならず、首脳陣の間で取り交わされたメールまで載せて、事実の裏づけとしているなど...
ジャーナリストによる、東芝粉飾決算について暴いた本。情報源は定かではないが、部内へのアンケート、取材、内部告発などによって明らかになったデータを基に、時系列に状況を追っている。調査報告書等の公表文書のみならず、首脳陣の間で取り交わされたメールまで載せて、事実の裏づけとしているなど、かなり周到な調査の基、くわしい分析が行われている。東芝の粉飾について、あるいは経営体質について、かなり理解できた。学術的に全般を纏める部分があってもよかったと思う。 「(土光敏夫)一般社員は、これまでより3倍頭を使え、重役は10倍働く、私はそれ以上に働く」p98
Posted by
カネボウが粉飾する際によく使っていた言葉の一つが、低稼働。不良在庫を子会社に押し付けながら都合よく回遊させる資産計上による循環取引。これに似たような企業内タームとして、東芝では、チャレンジという言葉を用いていた。到底無理な目標に対し、パワハラさながらに達成を迫り、いつしか不正を黙...
カネボウが粉飾する際によく使っていた言葉の一つが、低稼働。不良在庫を子会社に押し付けながら都合よく回遊させる資産計上による循環取引。これに似たような企業内タームとして、東芝では、チャレンジという言葉を用いていた。到底無理な目標に対し、パワハラさながらに達成を迫り、いつしか不正を黙認を孕むワードと化した。粉飾せよ、とか不正しなさい、なんていう直截な物言いはあり得ないのだから、言葉は糊塗され、用いられるようになる。戦時中の全滅を玉砕に言い換えていたムードにも近い。しかし、不正を行うか否かに関わらず、仲間内には独特の言い回しがあるのであり、企業にも独特の言い回しというのがあるのは常である。この点に関しては寧ろ、メディア側が事件のインパクトを強め、読者の感情を高ぶらせるために用いられる技法の一つと考えて良い。神戸製鋼が品質不正をした際も、トクサイという言葉にフォーカスした。しかし、これは失敗。トクサイは、製造業全般に使われる言葉であり記者の勉強不足ゆえ、その後は言い訳がましく、正しい用法に修正されていった。何が言いたいかというと、メディアが煽る部分と真実は分けて理解しなければならないという事。東芝経営陣が極悪人のように語られているが、それはどうなのか。 本著では、不正が起こった背景を内部告発のメールや証言から冷静に解き明かす。その中では本件で行政処分を受けた新日本監査法人と東芝との関係性にもメスを入れる。度監査機能の不完全さがこのような事件を起こす一因になるのだと思うのだが、監査する側とされる側が利害関係にあるというのはそもそも致命的な構造上の問題ではないのだろうか。 考えさせられる、勉強になる会計不正最大規模のケーススタディである。フォレンジックなんて言葉も本事例から学んだ。企業人は正確に理解しておくべき事件だろう。
Posted by