ラストナイト の商品レビュー
ある男の最後の夜を、一瞬でも共に過ごした5人の目線で描かれた物語です。32年前に起こした傷害事件を契機に、約20年ほど刑務所を入退所を繰り返す意味は・・・顔に豹柄刺青をした理由は・・・疑問は深まるばかり。我が家のように思う下町の飲み屋がすべての始まり、で終わりだった。5人の心には...
ある男の最後の夜を、一瞬でも共に過ごした5人の目線で描かれた物語です。32年前に起こした傷害事件を契機に、約20年ほど刑務所を入退所を繰り返す意味は・・・顔に豹柄刺青をした理由は・・・疑問は深まるばかり。我が家のように思う下町の飲み屋がすべての始まり、で終わりだった。5人の心には彼の最後はどう映っているのか。。。
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復讐というには余りにも悲しい結末。荒木がひかりに本当の事を話す日がくれば少しは報われるのかと思ったけど、片桐にはそれも必要ないんだろうな。 菊屋での事件がなければ梶原に会わなければと思ってやるせない。
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悲しすぎる。 語り手を変えて同じ時間の話が違う目線で書かれていて面白い。 梶原がもっと痛い目にあって終わって欲しかった。
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ストーリーとしてはとても悲しい、皆がこれで報われたのかどうか悩ましいものでした。梶原というどうしようもない人間のために、このお話に出るすべての人が不幸を背負わされているのですが、彼はこれからも生きながらえる。個人的にはどうにも納得しがたいものがありました。また、顔に刺青をする必要...
ストーリーとしてはとても悲しい、皆がこれで報われたのかどうか悩ましいものでした。梶原というどうしようもない人間のために、このお話に出るすべての人が不幸を背負わされているのですが、彼はこれからも生きながらえる。個人的にはどうにも納得しがたいものがありました。また、顔に刺青をする必要性がそこまであったのか、なぜ片桐は400万以上ものお金を持つことができたのか、など疑問に思う点もいくつかあり、、この評価となりました。
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薬丸さんらしい重いテーマ。章ごとに別の視点から構成されているので、同じシーンを別の見方ができて面白かった。でも、当の片桐さんの視点はないんだな。そこがよくできているよね。
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ああ、薬丸岳さんだ~。お終いまで読んでそう思った。 第5章読むまで、片桐の行動に全く理解が出来なかったし、全く面白さが解らなかった。しかし、途中でやめなくて良かった~。第5章で納得。 陽子を本当に愛していたんだね。ひかりも。だから、絢子にも、荒木にも…。 梶原さえいなければ、幸せ...
ああ、薬丸岳さんだ~。お終いまで読んでそう思った。 第5章読むまで、片桐の行動に全く理解が出来なかったし、全く面白さが解らなかった。しかし、途中でやめなくて良かった~。第5章で納得。 陽子を本当に愛していたんだね。ひかりも。だから、絢子にも、荒木にも…。 梶原さえいなければ、幸せになれたはずなのに。虚しさが残る。
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そういうことかー と最後に納得。切ないおわり。 ページをめくる手が止まらない連作短編。 面白いというには語弊があるかもしれないが、復讐とは何かを考えさせられる。
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平凡な男・片桐達夫がある男・梶原史郎と関わったがために 人生を狂わされ、復讐鬼となる物語。 すでにまーちさんがレポでも書いているが、 主人公片桐の執念と意志の強さに驚かされる。 決意表明ともいうべき、片桐の顔の入れ墨。 復讐を忘れないためか、人相を替えるためか、 突然、顔中にヒ...
平凡な男・片桐達夫がある男・梶原史郎と関わったがために 人生を狂わされ、復讐鬼となる物語。 すでにまーちさんがレポでも書いているが、 主人公片桐の執念と意志の強さに驚かされる。 決意表明ともいうべき、片桐の顔の入れ墨。 復讐を忘れないためか、人相を替えるためか、 突然、顔中にヒョウ柄の入れ墨を入れるという 行為そのものに度肝を抜かれた。 ・菊池正弘 片桐の恩人でもある菊屋のマスター目線 ・中村尚 主人公を救いたい一心の若手弁護士の目線 ・松田ひかり 主人公の愛する一人娘の目線 ・森口絢子 主人公の仇のヤクザの情婦の目線 ・荒木誠二 片桐が身代わりとなって罪をかぶってやった男の目線 菊屋で事件を起こして服役し、以来、 刑務所を出たり入ったりしている片桐。 目立つ顔の入れ墨のため不気味な雰囲気を漂わせ、 彼の住んでいた町でも、要注意人物というレッテルを貼られている。 何回目かの出所をしてから 彼のラストナイトまでの一連の事件の流れが 上記の5人の目線から書かれていた。 それぞれの立場から 悩みや苦しみもわかるように工夫された構成だった。 自分の気持ちを最後まで表さなかった片桐だから、 周りの人々の彼の気持ちを推測する優しさも光る。 故意に犯してしまう犯罪があれば、 偶然に犯罪に巻き込まれる場合もある。 家族を愛しながらも、それがもとでの家族の崩壊。 下層社会でもがく人々の苦しみが ストレートで力強い文体で描かれていた。 サラリと読める作品だが、 片桐の切なすぎる人生についての印象がとても強く残る。 社会のブラックな闇に苦しむ人々を描けば 薬丸さんはピカイチではないだろうか。
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居酒屋「菊屋」を営む菊池のもとに、古くからの友人片桐が突然あらわれた。 片桐は32年間、妻子と別れ、繰り返し罪を犯し、刑務所を出たり入ったり。 その風貌は異様。 顔中に入れ墨、左手は義手。 片桐が店を訪ねてくるとを常連客は嫌っているが、菊池には拒まない。 片桐と菊池の関係は… 片...
居酒屋「菊屋」を営む菊池のもとに、古くからの友人片桐が突然あらわれた。 片桐は32年間、妻子と別れ、繰り返し罪を犯し、刑務所を出たり入ったり。 その風貌は異様。 顔中に入れ墨、左手は義手。 片桐が店を訪ねてくるとを常連客は嫌っているが、菊池には拒まない。 片桐と菊池の関係は… 片桐はなぜ顔中に入れ墨をいれたのか… 刑務所を出入りするわけとは… 切ないラスト。 薬丸さんのミステリーは面白い。
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非常に切ないストーリー。 著者の作品は少年法に関わるストーリーを書かれますが、今回は初老の男性。 彼の深層心理が読みきれないままに、関係者の視点を章ごとに切り替えて物語が進む。 そのせいだけではないだろうが、どんどんと惹き込まれていき一気読み。 犯罪者、前科者というとそれだけ...
非常に切ないストーリー。 著者の作品は少年法に関わるストーリーを書かれますが、今回は初老の男性。 彼の深層心理が読みきれないままに、関係者の視点を章ごとに切り替えて物語が進む。 そのせいだけではないだろうが、どんどんと惹き込まれていき一気読み。 犯罪者、前科者というとそれだけで人は避けて通る。 そんな彼らにも人生があり、様々な選択肢がある中で判断をしながら人生を歩んでいく。 その判断をどうこういうのは難しい。それが良かったのか?ということは判断してからでないとどうかはわからない。 社会通念上とか世間体とかをベースに判断するとこちらのほうが良かったのでは?ということをアドバイスや指導する人のほうが多い。 が、本当にそれでいいのか?自己責任という言葉で片付けられない事がたくさんあるはず。 でも他に方法があったのでは?という思いを感じ、非常に切なくなってしまうストーリーでした。
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