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その島のひとたちは、ひとの話をきかない の商品レビュー

4.2

60件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2017/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【179冊目】自殺希少地域と呼ばれる自殺で亡くなる人が少ない地域数カ所を精神科医である著者がめぐった際に感じたことを記録にしたもの。そのエッセンスは、本書の最後の章に記載されているから、ここには何度も出てきて印象に残った言葉を記載したい。 ・今、即、助ける ・できることは助ける。できないことは相談する ・コミュニケーションに慣れる、上手下手ではない ・助かるまで助ける ・なるようになる、なるようにしかならない ・相手は変えられない、変えられるのは自分だけ ただ、不満なのは、きちんとした手法に基いて行われた研究ではないので、著者の旅行記とかエッセイという側面が強いこと。「自殺希少地域」の定義が曖昧すぎるし、フィールドワークと呼ぶにしてもその手法が説明されていない。自殺希少地域の母数がいくつあって、その中から著者はどうしてそのうちの数カ所を選択したのか説明されていない。題材が良いだけに、そこが残念。まぁ、だからこそ気楽に読めるのかもしれないけど、ここに書いていることが「著者が見たいものだけを見、感じたいものだけを感じた記録」になっている可能性は否めない。

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2022/06/01

すごいタイトルだと思ったら、サブタイトルもずっしり。自殺が少ない地域での聞き書きだった。 タイトルにもなっている「ひとの話をきかない」というのは、自分をしっかり持っていて、相手に何かを勧められても、興味がなければ絶対にその行動をしない、ということだ。 なんてこった、僕はそうな...

すごいタイトルだと思ったら、サブタイトルもずっしり。自殺が少ない地域での聞き書きだった。 タイトルにもなっている「ひとの話をきかない」というのは、自分をしっかり持っていて、相手に何かを勧められても、興味がなければ絶対にその行動をしない、ということだ。 なんてこった、僕はそうなんだけど(妻に言ったら、妻もだった)。 さて、自殺が少ない地域というのは、それぞれの地域にハッキリ色があるようだ。血縁が非常に強い地域もあれば、そういうのがまったく薄い地域もある。特徴を探すとすれば、地域が何かの目標を持っている場合に、そして人数がある程度少ない場合に「そうなる」、のかもしれない。 とはいえ、登場する地域が、みな助け合い幸せな地域、というわけでもない。外から親密に見える関係も、実際はそうでもないこともあるようだし、母子家庭が多い地域もある。悪口や陰口だってあるし、いわゆる寒村もある。 事例が出てくると思ったら、それは自殺希少地域の特徴ではない、なんていう表記が続いたりして、全体像はなかなかつかめてこない、と思っていたが、いつのまにやら、自殺希少地域が持つ雰囲気が伝わってくる。自分を強く持ちながら、他は否定しないし、まあまあ関わっていく。そんな感じかなあ。タイトルから想像した本とは全然違ったけど、なんかいい感じ。

Posted byブクログ

2016/11/23

精神科医の著者が「自殺希少地域」(自殺で亡くなるひとが少ない地域)に行ってそこで気づいたことを書いている図書。 「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」というのは相手の話を聞いて深く同情したり、相手に合わすというのではなく、自分がどうしたいのかというのを自分で把握して発言・行動...

精神科医の著者が「自殺希少地域」(自殺で亡くなるひとが少ない地域)に行ってそこで気づいたことを書いている図書。 「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」というのは相手の話を聞いて深く同情したり、相手に合わすというのではなく、自分がどうしたいのかというのを自分で把握して発言・行動することが大事ということらしい。こんな解釈でいいのだろうか… ひとはわかりあえない、という考えで対話していくことって案外重要かもしれない。

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2016/11/20

自殺者が少ない地域、徳島海部町、青森風間浦村、青森平舘村、広島下蒲刈島、伊豆神津島を旅し、人びとの特徴を記述されてます。どういう状態が生きやすいのか。なかなか説得力があります。 たくさんの人とのコミュニケーションに慣れていて、深いつながりは多くない。困った人がいると即助け、問題が...

自殺者が少ない地域、徳島海部町、青森風間浦村、青森平舘村、広島下蒲刈島、伊豆神津島を旅し、人びとの特徴を記述されてます。どういう状態が生きやすいのか。なかなか説得力があります。 たくさんの人とのコミュニケーションに慣れていて、深いつながりは多くない。困った人がいると即助け、問題が解決するよう工夫する。 ベンチがいたる所にあるというのは、良い雰囲気だなぁと思いました。

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2016/10/13

201610/ 人間関係は、緊密ではありません。 人間関係は、疎で多。緊密だと人間関係は少なくなる。 人間関係は、ゆるやかな紐帯。/ 困っている人がいたら、今、即、助けなさい/ 意思決定は現場で行う(柔軟かつ機動的に)/ この地域のひとたちは、見て見ぬふりができないひとた...

201610/ 人間関係は、緊密ではありません。 人間関係は、疎で多。緊密だと人間関係は少なくなる。 人間関係は、ゆるやかな紐帯。/ 困っている人がいたら、今、即、助けなさい/ 意思決定は現場で行う(柔軟かつ機動的に)/ この地域のひとたちは、見て見ぬふりができないひとたちなんですよ できることは助ける、できないことは相談する/ 解決するまでかかわり続ける(心理的つながりの連続性)/ なるようになる。なるようにしかならない(不確かさに耐える・寛容)/ 相手は変えられない。変えられるのは自分(対話主義)/ 「人生は何かあるもんだ」で生まれた組織=朋輩組 組織の発祥は約400年前だとういう。もともと次男三男たちが働く場所や生きる場所を探して集まって生まれた地であり、みな基盤がないゆえにお互い助け合わなければならなかった。 「問題が起こらないように監視するのではなく、問題が起こるもんだと思って起こった問題をいっしょに考えて解決するために組織がある」 組織の構成人数は8人から18人とさまざま。同世代で構成される。町内会ごとではない形。 主に冠婚葬祭のときにその力は発揮されてきた。誰かの親がなくなるとする。朋輩組の仲間が集まる。仕事を休んで集まる。もちろんそれぞれ事情があるから、どうしても来られないときは来られないと言うだけでいい。 「家族や親戚、あとは、町内のひとには言えないこともある。そういうのを相談するときに集まることもある」 人生は何かあるもんだ。何かあるもんだから、集まって、そして知識を共有して、それを蓄積していく。何かあるから助けるために存在する組織。知識は伝承され続ける。そのうえ強制力がない。なんという見事な組織だろうと思う。

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2016/10/03

舌足らずな雰囲気の文体は余り好みではありませんでしたが、自殺希少地域に赴いてのフィールドワークという、取り上げた題材のユニークさで読み進める事が出来た感じでした。 自殺希少地域とは、決して人と人との距離が親密であるということではなく、 他人との距離が近すぎても遠すぎてもいけない...

舌足らずな雰囲気の文体は余り好みではありませんでしたが、自殺希少地域に赴いてのフィールドワークという、取り上げた題材のユニークさで読み進める事が出来た感じでした。 自殺希少地域とは、決して人と人との距離が親密であるということではなく、 他人との距離が近すぎても遠すぎてもいけない。挨拶する程度にそことなく存在を意識するぐらいの距離感が良いのだそうです。 放って置かない。面倒は最後までみるという共通点もあるとのことです。 また、名前を知らない知り合いが沢山いる状態で、しかも距離感が遠からず近からずなので、派閥が出来ない。という事も要因だということです。 日本にとって全く足りていない点である「男女平等」であると幸福度も高いそうでこれは、言い換えると機会が平等で、北欧諸国は機会を平等にするために多額の税金が投入されているということでした。 自殺希少地域は、男女の役割の違いを分かった上で、仕事の種類が違ったとしても、平等だと思っているという事などが述べられていました。 個人的に印象に残った箇所は下記の2点でした。 「ひとが多様であると知っていることは、生きやすさと関係する」 「多様性に慣れている地域は、ひとはそれぞれだと思うことに慣れている」というくだりにインパクトが有りました。

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2016/08/01

自殺希少地域、つまり生きやすい地域とはどんなところなのか、を考える本だが、著者も述べているように、そのためにドラッカーのマネジメントの考え方を援用しているため、いい組織づくりとは、とも読み替えられる。 NPOってよく分からないでいたが、いわゆる「市民の多様化するニーズ」ってヤ...

自殺希少地域、つまり生きやすい地域とはどんなところなのか、を考える本だが、著者も述べているように、そのためにドラッカーのマネジメントの考え方を援用しているため、いい組織づくりとは、とも読み替えられる。 NPOってよく分からないでいたが、いわゆる「市民の多様化するニーズ」ってヤツに行政の代わりにうまく応じることのできる仕組みなのか…。うまい役割分担が肝腎なのだな、とも。

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2016/07/24

池袋の路上生活者支援を始めとした活動で知られている著者の最新作である。 著者が岡壇氏の自殺希少地域の研究に触発されて全国の自殺希少地域を旅して回り、その地域の人達と対話をして感じたことをまとめたルポであるが、文体はエッセイ様で読みやすい。 いろいろな地域を回った後で出会った「オー...

池袋の路上生活者支援を始めとした活動で知られている著者の最新作である。 著者が岡壇氏の自殺希少地域の研究に触発されて全国の自殺希少地域を旅して回り、その地域の人達と対話をして感じたことをまとめたルポであるが、文体はエッセイ様で読みやすい。 いろいろな地域を回った後で出会った「オープンダイアローグ(OD)」で、どの地域もODの7原則で説明できるとまとめられている。 著者の人に対する優しさが溢れた本である。対人援助職に関わる人には一読をお薦めする。

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2016/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

20160712リクエスト 生きやすい地域での人間関係は、緊密ではない。 全く反対のことを考えていたので、驚いた。 みんなが知り合いだから、陰口は力加減がある。 著者はこう考える、というところに、緩やかな感じを受ける。こうすべき!ではなく。 理想論ではあるけれど、こんなのもいいな。薬づけの自分が住めるとは、思えない。でも、こういうところに身を置けば、薬が必要なくなるのかな?

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2016/06/28

生きる勇気が湧くとか、癒されるとか、そういう本じゃない。直面した現実の、多様で複雑な生きづらさを見つめて、どうしたらより生きやすくなるのかを淡々と、一緒に考えさせてくれる本だ。 読むと自分を振り返ってつらくなる。けど、つらさがあることに素直になれる。 共感できなくてもいいから、多...

生きる勇気が湧くとか、癒されるとか、そういう本じゃない。直面した現実の、多様で複雑な生きづらさを見つめて、どうしたらより生きやすくなるのかを淡々と、一緒に考えさせてくれる本だ。 読むと自分を振り返ってつらくなる。けど、つらさがあることに素直になれる。 共感できなくてもいいから、多くの人に共有してほしいことがたくさん書いてある。押し付けがましい善意の本ではない。

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