その島のひとたちは、ひとの話をきかない の商品レビュー
読んで良かったし、多くの方に読んでほしい。 人との繋がりが希薄ゆえに、望みを見出だせなくなりがち…というものだと思っていたので、そもそもそうではないという気付きがあった。 主に大人へフォーカスされた本であったが、子どもに着目しても、逃げ場になり得る繋がりが役に立つ という点はそ...
読んで良かったし、多くの方に読んでほしい。 人との繋がりが希薄ゆえに、望みを見出だせなくなりがち…というものだと思っていたので、そもそもそうではないという気付きがあった。 主に大人へフォーカスされた本であったが、子どもに着目しても、逃げ場になり得る繋がりが役に立つ という点はそのまま応用できる。 また、予防と防止を分けて考えるなどの例も、一般的なのかもしれないが自分は知らなかったので、興味深かった。 他の作品でも同じことを書いたが、自分も含め、関心のないテーマの本に手を伸ばすことは中々ない。この本に興味を持つ時点である程度このテーマに関心があるわけで、関心がない方にこそ触れてみてほしい、が、それが難しい。
Posted by
たくさん付箋をたてたけれど、その中で 「ベンチにはいろいろな意味がある」という話が印象的だった。 「この町にもたくさんのベンチがあった。ベンチというか、ひとと座ってしゃべるための場所が家の外の壁に備え付けてあるーーただのベンチなのだが、ベンチがあると老人は家の中で閉じこもらなくて...
たくさん付箋をたてたけれど、その中で 「ベンチにはいろいろな意味がある」という話が印象的だった。 「この町にもたくさんのベンチがあった。ベンチというか、ひとと座ってしゃべるための場所が家の外の壁に備え付けてあるーーただのベンチなのだが、ベンチがあると老人は家の中で閉じこもらなくていいのかもしれない」 「新宿駅周辺を歩いていたとき、私は足腰が疲れていたからふと座りたいと思った。その視点で町を歩くとベンチがないことに気付く。金を払って座る場所以外の場所に座る場所がない」 「ベンチがあるということは、家から買い物に行くまでの間に休む場所があるということである。ゆっくりと歩く老人にとってはベンチは必要なものである」 車で送迎すれば用事は済むけれど、ゆっくりとなら自分で歩ける高齢者が、家の外に出て、自分で買い物をし、すれちがう人と挨拶を交わす、そういう機会と空間を残しておける町づくりってどんなんかなぁ、と考える。
Posted by
岡檀『生き心地の良い町』(講談社, 2013)への返歌。 たずねた現地の紀行はひょうひょうとしているが、インサイトに満ちている。 受け手に、つまり本書の著者に、構えができていないと、町の人々の振る舞いの意味をこういう風には受け取れないかもしれない。 インサイトはぐっと圧縮されて...
岡檀『生き心地の良い町』(講談社, 2013)への返歌。 たずねた現地の紀行はひょうひょうとしているが、インサイトに満ちている。 受け手に、つまり本書の著者に、構えができていないと、町の人々の振る舞いの意味をこういう風には受け取れないかもしれない。 インサイトはぐっと圧縮されて、終章で、オープンダイアローグの原則の変奏として整理される。急ぐ人は終章だけ読めと著者は言うが、旅につきあったあとでなければ、読んでも当たり前だと思うだけかもしれない。
Posted by
静かに語りかけられているようで、素敵な本だった。自分が人に対して出来ていない行動や心がけなど、多くの人とどのように関われば良いのか、ずっと納得できていなかったことを知ることが出来た。
Posted by
ずいぶん前から読みたいと思っていた本書をようやく読むことができた。 結局、誰かを助けるといってもそれはその誰かのためではなく、自分のため、自分がどうしたいか、なのですよ。誰かを助けるのは、自分も誰かに助けられているからで、助けられて自分が「よかった」と感じたから。困っている誰かが...
ずいぶん前から読みたいと思っていた本書をようやく読むことができた。 結局、誰かを助けるといってもそれはその誰かのためではなく、自分のため、自分がどうしたいか、なのですよ。誰かを助けるのは、自分も誰かに助けられているからで、助けられて自分が「よかった」と感じたから。困っている誰かが「よかった」と思ってくれたらそれは自分が「よかった」と思えるから。結局、最後は自分に返ってくるから助ける。 私の座右の銘である『情けは人のためならず』が、本書ではずっと謳われていて、とてもしっくりくる内容だった。 対人援助とは、究極自分のため。 そして、あるがままであることの意味。それは思い通りにならないことへの寛容さ。寛容でいられれば、折り合いがつけられる。折り合いがつけられれば深刻にはならない。寛容であるとは、それぞれがそれぞれであることを認めること。当たり前にそれぞれであることを受け入れること。 それぞれがそれぞれであることを知るには、対話が不可欠。対話を通して、相手を知り、自分を知る。そして受け止める。そうすれば孤立することもない。だって全員がみんな違うんだからね。 今の社会に徹底的に足りてないよね。だからみんな苦しいのでしょう。 やっぱりオープンダイアローグ、研修受けたいなあ。
Posted by
軽い気持ちで読みはじめたが、すごく学びの多い本だった。「ひとの話を聞かない」というのは確かな自分を持っている、ということ。一本芯を持って生きていこう、相手の都合に構わず人助けしよう、と思わせてくれました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自殺者の少ないといわれる地域を実際に訪問して、そこで得た印象がかかれた本。 深い付き合いではなく、浅く広く。そして困っている人を助ける、自分にできなければできる人につなぐ、最後まで見捨てない、の気質のある場所が、結局は助け合える地域になる、という内容。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おせっかいは、選択肢を提示するのではなくて押し付けちゃった方がいいこともある、らしい。問題が起こるものだと思って、起こった問題を一緒に考えて解決する組織。問題解決する時間は稼ぎがなくなる。の解決としてのNPO。私じゃどうにもならないときに付き合い続ける。相談する。できないときにたらいまわしにしない。弱っているときには入っていいか聞かずに助けに来たよと入っていく。それでも断られたら退散して、出直す!こういうのがいいと思うんだけど、どう? 自分をしっかり持っていて、周りもその人を受け止めている社会。地域で一つのコンセプトを持つ。
Posted by
人間関係の上手くいく人は、人が多様だということを知っている。違いを受け入れ、人とよく対話をする。相手を攻撃せず、孤立させず、ありのままを受け入れる。
Posted by
生きやすさとは何か? 身近な人と助け合って暮らすことを素晴らしいと思う一方で、人付き合いを面倒なことと感じる自分もいて、なかなかに難しい問題です。
Posted by