1,800円以上の注文で送料無料

ビリジアン の商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2016/07/30

雲のなかを走っているようだった。ふわふわしているけど、疾走感が溢れる。善く生きたいですに動揺したら、また出てきた

Posted byブクログ

2016/07/23

想像だが、何かの節目に主人公は我が身を振り返ろうと思い、何気なく思い出した記憶をその都度書き留めていったのだろう。その主人公の「記憶日記」とでもいうようなものがそのまま小説になっている。 現在の時点から過去を回想する物語はたくさんある。さらに、そのような小説では冒頭かどこかで回...

想像だが、何かの節目に主人公は我が身を振り返ろうと思い、何気なく思い出した記憶をその都度書き留めていったのだろう。その主人公の「記憶日記」とでもいうようなものがそのまま小説になっている。 現在の時点から過去を回想する物語はたくさんある。さらに、そのような小説では冒頭かどこかで回想行為の動機なり理由が語られることが多い。しかし、本書はそういう形式を取らない。回想される過去は断片的で順不同だし、過去を語る理由が述べられることもない。その意図は、本書の狙いが「自分を確認する行為そのもの」にあるからではないかと思う。すでに確立した自己や自分の哲学を語るために過去を持ち出しているのではない。考えてみれば、過去の回想はふとしたときに自然と起こることが多いし、思い出される記憶も時系列に並んでいるなんてことはない。そのような自然に起こる回想と同じ形式に本書はなっている。そうすることで読者は、主人公の「整理のついた過去」ではなく「整理している真っ只中の記憶の断片」を見ることになる。つまり、主人公が過去の中に自己を見出す作業をしているのを、現在進行形で共有しているような感覚になるのだ。小説を読んでこんな感覚になったのは初めてである。その効果はじわりと効いてきて、所々で主人公と自分の記憶が重なってなんだか懐かしい気持ちになり、封じていたいような記憶も含めて自分を肯定してやってもいいのではないかという前向きな気持ちが湧いてくる。読者である私たちの記憶とリンクして、気づかぬ間に内面に深く染み込んでくるのだ。これは言いようのない感激だった。他の作品ではなかなかないような味わいだと思う。 この小説は、どんな記憶でもそれは自分を唯一無二たらしめるかけがえのないものであると教えてくれる。そして、自分を肯定してよいのだという温かい気持ちを起こしてくれる。自分を見失いそうなときに何度でも読みたい本である。

Posted byブクログ

2016/07/11

なんとも言えない。淡々と語られる10代の記憶。何が見えていて、何が見えていないのか。思えば友達や先生、何故かロックスターは登場するものの、両親は一度も登場してない気がする。

Posted byブクログ