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がん 4000年の歴史(上) の商品レビュー

4.3

17件のお客様レビュー

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2019/09/01

紀元前から現代まで、4000年にわたって人々を苦しめてきた「がん」。古代エジプトの医師イムホテプが「治療法はない」と述べたその腫瘍を、医聖ヒポクラテスは「カルキノス(「カニ」)」と名づけ、19世紀の外科医は「あらゆる病の皇帝」と怖れた。患者、医師たちの苦闘のドラマを通して、謎めい...

紀元前から現代まで、4000年にわたって人々を苦しめてきた「がん」。古代エジプトの医師イムホテプが「治療法はない」と述べたその腫瘍を、医聖ヒポクラテスは「カルキノス(「カニ」)」と名づけ、19世紀の外科医は「あらゆる病の皇帝」と怖れた。患者、医師たちの苦闘のドラマを通して、謎めいた病魔の真の姿を浮かびあがらせ、ピュリッツァー賞ほか各賞を総なめにした傑作ノンフィクション

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2018/07/23

1850年代半ば、インドやエジプトから大量の綿 綿工業産業はイギリスで爆発的に増加 綿布の製造と違い、染色という仕事は産業化以前のままであり、布の染料は腐りやすい野菜から抽出しなければならなかった。 1865年イギリス、ウィリアム・パーキンスが染色産業の聖杯となる物質の合成に成功...

1850年代半ば、インドやエジプトから大量の綿 綿工業産業はイギリスで爆発的に増加 綿布の製造と違い、染色という仕事は産業化以前のままであり、布の染料は腐りやすい野菜から抽出しなければならなかった。 1865年イギリス、ウィリアム・パーキンスが染色産業の聖杯となる物質の合成に成功した。アニリン・モーヴと名づけられた。繊維産業にっとてまさに天からの授かりもの。 ドイツでは、合成化学はさらに爆発的なブームとなった。 1828年ドイツ、ヴェーラ、尿素合成。生体の科学現象はには神秘的な動物生気がかかわるという説を粉砕。 1867年ドイツ、パウル・エールリヒ、染料と細胞の反応

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2017/05/07

本の帯より引用…(鳥越俊太郎氏) 「現役のがん患者も 将来のがん患者も がんの正体・治療法は知りたい。それがここにある。救いと絶望。興奮の書だ」 海外のノンフィクション部門で数々の賞を受賞しただけの内容です。 翻訳者の田中文氏は、医師でもあり、医療専門用語もありますが、きっと正...

本の帯より引用…(鳥越俊太郎氏) 「現役のがん患者も 将来のがん患者も がんの正体・治療法は知りたい。それがここにある。救いと絶望。興奮の書だ」 海外のノンフィクション部門で数々の賞を受賞しただけの内容です。 翻訳者の田中文氏は、医師でもあり、医療専門用語もありますが、きっと正確な翻訳をしているのだろうと想像します。

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2017/03/21

がんの歴史。今では間違いだと判明している医療法、医者の間での確執、思い込みで何十年も遅れる研究など、読んでいて辛くなることも多いが、それを調べて文章にまとめあげた作者がとにかく凄い。 がん患者の一年は健常人の一生にも劣らないほど意味を持つとの表現が本書中に出て来るあたり、がん治療...

がんの歴史。今では間違いだと判明している医療法、医者の間での確執、思い込みで何十年も遅れる研究など、読んでいて辛くなることも多いが、それを調べて文章にまとめあげた作者がとにかく凄い。 がん患者の一年は健常人の一生にも劣らないほど意味を持つとの表現が本書中に出て来るあたり、がん治療の過酷さともどかしさを感じます。 あと、緩和ケア(本書中では緩和医療)が1970年代に広がった記載があるが、それまではどのよあな壮絶な最期を迎えていたんだろうと想像するだけで脳が考えることを拒否してしまいます。 がんという、誰にでもなり得るのによく分かっていない(人と話をすることもない)分野が今どこまで来ているのか俯瞰するに最適な本でした。

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2016/11/21

おびただしい数の文献を読み漁ってある分野の歴史叙述を編み上げる人がたまにいますが、本書の著者もその一人です。文庫の上下巻として発刊されていますが、巻末には数十ページにおよぶ原註と参考文献のリストがついています。その記述はアメリカを中心として、とくにこの2世紀の間に徐々に加速してき...

おびただしい数の文献を読み漁ってある分野の歴史叙述を編み上げる人がたまにいますが、本書の著者もその一人です。文庫の上下巻として発刊されていますが、巻末には数十ページにおよぶ原註と参考文献のリストがついています。その記述はアメリカを中心として、とくにこの2世紀の間に徐々に加速してきたがん治療と研究における成功と挫折を、鳥瞰しては急降下しまたそこから急上昇して・・・というふうに往復運動をしつつ描き出していきます。 医者であり学者であり、かつまたおそらく大変な読書家でもある著者のもとで、「がんの歴史」は個々の患者たちが体験した圧倒的な病の経験とゆっくりと統合されていきます。予想だにしなかった寛解後の日常のなかから病を振り返る元白血病患者や、薬剤耐性となったがんの再発に遭遇し自身の人間としての生の尊厳を守ろうとした今は亡き消化器系のがん患者の描写は印象的です。。。 それにしても。上巻の後半の記述を読んでいて、20世紀末も後半にいたってなお、外科的にも化学療法的にも、がん治療というものはかくまで狂気じみたもの、根絶のためには身体の「がん以外」の部分までをも跡形をなくさせ死の淵に追い詰めていこうとするものだったのか、とだいぶ引いてしまいました。

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2016/11/07

大切な人が脳腫瘍になった。 彼の病気の根本を知りたい。 知らないことには戦う武器がわからない。 何がなんでも彼の腫瘍が暴れだす前に武器を探してみせる!

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2016/10/08

パピルスに記録された時代からのがんと人の4000年の歴史。 上巻を終わったあたりで既に20世紀後半にあり、がんの研究は急速に進展していることの表れかと思う。 その時代時代で、リードする医師の考えから治療の方針が大きく振れている様子が著わされていて、まだまだこれからの時代に於いても...

パピルスに記録された時代からのがんと人の4000年の歴史。 上巻を終わったあたりで既に20世紀後半にあり、がんの研究は急速に進展していることの表れかと思う。 その時代時代で、リードする医師の考えから治療の方針が大きく振れている様子が著わされていて、まだまだこれからの時代に於いても新たな発見から変遷していくのだろうと感じた。

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