虫たちの家 の商品レビュー
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「私たちには皆、名前がある。けれど、私たちは名前を捨てた。捨てなければ、生きていかれなかったからだ。」 デジタルタトゥーに苦しみ、名前を捨てた女性たちの再起の物語。 『ある男』を読んだ時も思い浮かんだ改名という手段、日本で非常に難しいのは、きちんと確立された戸籍制度(同一の戸籍に記載される夫婦と子供の三者間の”氏”は同じものとする)のためなのだそう。実際、日本で生きていく上での様々なことがすべてこの制度に紐づけされている。現在、戸籍制度があるのは、驚いたことに、日本と中国と台湾のみらしく、逆に、個人登録制の欧米などでは、簡単に改名ができるらしい。それぞれの制度には一長一短があるのだろうけど、今の時代、一度でも、顔と名前がインターネット上に晒されると、その後の人生にずっと暗い影を落とすこととなる点においては、この制度は負に働く。
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九州の島に作った、虫たちの家。そこに来る人は現代の中で傷つけられたりして、避難してきた人である。本名を隠して、虫の名前が付けられているのもそのせいだ。ちょっと暗い話であるがなかなか良かった。
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自分の本当の名前を名乗るのが嫌になるほどの体験を我々はしているか。 虫の名前を名乗って共同生活する「家」。そこでの関係にヒビが入る。 プロットなどの点から見るとそこまでの衝撃はないが、人を人と思わない、正義や悪も娯楽のように消費していく現代の暗部が描かれている。
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ミステリー小説?かもしれません。 途中で挟んでくる昔の話しが、謎解きになっているのですが…最初、さっぱりわかりません。 ネットで傷つけられた人が集う「虫たちの家」。それは、九州の小さな島にありました。マリアさんとテントウムシさんが、始めた避難所です。 マリアさんは、当事者ではなく、テントウムシさんはネットの被害者でした。 そこに、ミツバチさんと高校生のアゲハちゃん親子がやって来ました。 「虫たちの家」は、島の人からは、奇異に見られていましたが、テントウムシさんは、島から追い出され無いように、最新の注意を払っていました。一応、アレルギーの治療に自然豊かな島に移住ということにしていました。畑で野菜を作ったり、近所のお手伝いをしてバイトしたりで、共同生活をしていました。 アゲハちゃんの行動がおかしいとテントウムシさんは思い、操作を始めました。しかし、それは、代表のマリアさんも怒らせてしまい、テントウムシさんは、島を出ることになります。 それは、テントウムシさんがどうする事も出来なかったことへの、ミツバチとアゲハ親子の復讐でした。 怖いのですが、可哀想でもあります。
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綺麗な装丁に惹かれて読みました。 想像とは全く違う話でしたが読み始めたら止まりませんでした。 ネットで辛い思いをし、九州の離島で虫の名前を使い共同生活している女性たちのお話。そこに新しい母娘が加わって、いろいろな意味で怖くなりました。 リベンジポルノも怖いけど、自分以外の誰かから...
綺麗な装丁に惹かれて読みました。 想像とは全く違う話でしたが読み始めたら止まりませんでした。 ネットで辛い思いをし、九州の離島で虫の名前を使い共同生活している女性たちのお話。そこに新しい母娘が加わって、いろいろな意味で怖くなりました。 リベンジポルノも怖いけど、自分以外の誰かから悪意がなくても漏れる事もあるネット。使い方はより気をつけなければとも思いました。
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一気読みした。 暗い話ではあったけど続きが気になって仕方なかった 最後らへんは?マークが沢山出てきて整理するのに大変だったけど理解してなるほどなと思った。 でも謎が残る部分も多いのでその辺はもうちょい掘り下げてくれた方がスッキリ終われた気がしてなんとも言えない気持ちで終わって...
一気読みした。 暗い話ではあったけど続きが気になって仕方なかった 最後らへんは?マークが沢山出てきて整理するのに大変だったけど理解してなるほどなと思った。 でも謎が残る部分も多いのでその辺はもうちょい掘り下げてくれた方がスッキリ終われた気がしてなんとも言えない気持ちで終わってしまった、、、
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怖い。 これは、タイトルからは思いつかなかった内容。 気軽な感じで虫の名前で呼び合う女性たちの楽しげな共同生活、ではなかった。 立ち直れないほど打ちのめされ、当時の居場所を失い、流れ着いた女性たちによる再生のストーリーが展開する。
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インターネットで傷ついた女性たちがひっそり暮らす、九州の孤島にあるグループホーム「虫たちの家」。 名前を捨てて生きていく場所ってこんな感じなのかな。 ネット上で傷つく、と言うのはイマドキな話だが、媒体は違っても、同様に事件に巻き込まれたりして居場所をなくした人(特に女性)は、どうやって生き延びたのだろうか。 パソコンは使っていても、実際そのような画像などを目にしたことがないのでピンとこないが、当事者にとっては世の中全てから隔絶されたような気分になってしまうんだろう。 ミツバチとアゲハ母娘は脇役だと思っていたが、語られる異国での話の主役がミツバチだったとは・・・ ラスト近くは理解に少々時間がかかった。 結果として、マリアさんのような人がいなくても、それなりにその後を生きていけている、ってことかしらね。
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九州から船を走らせてつく島 「虫たちの家」 マリア テントウムシ ミミズ オオムラサキ わけありの女性4人が住んでいる お互いの素性や過去は詮索しない ネットを使うことを禁止 ある日、女子高校生のアゲハと母のミツバチが 本土からやってくる 島の男達と親しげに話すアゲハ よくない...
九州から船を走らせてつく島 「虫たちの家」 マリア テントウムシ ミミズ オオムラサキ わけありの女性4人が住んでいる お互いの素性や過去は詮索しない ネットを使うことを禁止 ある日、女子高校生のアゲハと母のミツバチが 本土からやってくる 島の男達と親しげに話すアゲハ よくない噂をテントウムシは聞き アゲハの過去を調べる 明るい原田ひ香さんのイメージとは異なる作品 ミステリー要素がある小説 アゲハのキャラクターが強烈 テントウムシが言うように 嫌いになれないのは 彼女の過去を武器にする強さ
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2022.07.29 ミツバチとアゲハとテントウムシの関係にびっくり。 途中で入る回想はミツバチのもの。 なんでテントウムシがミツバチのお父さんの膝に乗っていたかは謎。わりと最後はあっさり終わってしまった。 最後ミミズの自己紹介はよかった。 田中さんとテントウムシの出会いとかも...
2022.07.29 ミツバチとアゲハとテントウムシの関係にびっくり。 途中で入る回想はミツバチのもの。 なんでテントウムシがミツバチのお父さんの膝に乗っていたかは謎。わりと最後はあっさり終わってしまった。 最後ミミズの自己紹介はよかった。 田中さんとテントウムシの出会いとかもう少し深く掘り下げて欲しかったかも。
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