ねこのおうち の商品レビュー
柳さんの作品を読むのは、 かなり、お久しぶりです。 生れてすぐに捨てられた子猫と、 それを拾って共に暮らす老女…。 老女は、痴呆のため引き取られ、 子猫は、再び、ノラ猫となる…。 再び、ノラ猫となった子猫は、 6匹の子猫を産み、母猫となる…。 しかし、子猫を残し、悲劇的な死を...
柳さんの作品を読むのは、 かなり、お久しぶりです。 生れてすぐに捨てられた子猫と、 それを拾って共に暮らす老女…。 老女は、痴呆のため引き取られ、 子猫は、再び、ノラ猫となる…。 再び、ノラ猫となった子猫は、 6匹の子猫を産み、母猫となる…。 しかし、子猫を残し、悲劇的な死を。 1本目の短編は、哀しぃお話です…。 そして、残された5匹の子猫たちは、 4人の飼い主と、運命的に出会い…、 様々な事情を抱えた、各々の家庭で、 家族の一員として、幸せに暮らす…。 そして、残りの1匹は…。 人の優しぃ一面と醜ぃ一面が交差し、 単にハートフルなだけに収まらない、 厳しぃ側面も、しっかりと描きつつ、 要所々々で、ホロリとしました。 若干、最後の方がくどかったけど…、 ぐるっと一周しての、ほっこりした、 いぃ感じのエンディングに至るまで、 とてもステキな家族小説?でした…。
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公園に捨てられた6匹のネコ。その猫を拾って育て、ひとり寂しく死んだ老女、猫の飼い主探しをする獣医、猫の飼い主となった少年や青年の話を含む4編の短編集。しっとりとしさ優しい物語。
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公園で暮らす野良猫たち。 その猫と近所の人々との触れ合いがいいですね。 最近野良猫に関しては、いろいろ取り上げられることがあります。 誰もが皆猫好きではないので、それぞれの言い分は分かります。 私は、猫派ですが公園で遊ぶ子供が砂場で猫の糞をつかんだら嫌です。 猫にとっては、格好の...
公園で暮らす野良猫たち。 その猫と近所の人々との触れ合いがいいですね。 最近野良猫に関しては、いろいろ取り上げられることがあります。 誰もが皆猫好きではないので、それぞれの言い分は分かります。 私は、猫派ですが公園で遊ぶ子供が砂場で猫の糞をつかんだら嫌です。 猫にとっては、格好のトイレですから無理ないのですが。 そういう問題一つ一つが解決できれば、みんなで見守る猫たちも住みやすくなるんでしょうけど、難しいですね。 この本に出てきた介護施設の様に、犬や猫を施設内で飼うことが出来る施設が増えれば、老人にとっても犬や猫にとっても素敵な我が家になると思います。 施設のお世話になるようになったら、この本に出てくるような施設に入りたいです。
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雑種だという理由で公園に捨てられたキジ虎の子猫。 やさしいおばあさんに拾われニーコと名付けられる。 おばあさんが病気になったため野良猫になったニーコは、6匹の子猫を産んだあと、野良猫嫌いの近所の女性が仕掛けた毒団子を食べて死んだ。 この作品は、子猫たちが拾われていったそれぞれの家...
雑種だという理由で公園に捨てられたキジ虎の子猫。 やさしいおばあさんに拾われニーコと名付けられる。 おばあさんが病気になったため野良猫になったニーコは、6匹の子猫を産んだあと、野良猫嫌いの近所の女性が仕掛けた毒団子を食べて死んだ。 この作品は、子猫たちが拾われていったそれぞれの家の人間たちの物語。 猫たちの受難の話の中で少しの救いがあるとすれば、子猫を拾って育てるそれぞれの家で、猫がいることで救われる人間たちがいること。だけど正直、猫に対する仕打ちに心が痛んで、人の側の話なんかどうでもいいや~って、心に入って来なかった。
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捨てられた子猫 母親になって6匹を産む それぞれの物語 人間との交叉 やりきれない問題も描きながらやさしさがあふれる 自分の体験も想いながら すてきな登場人物にエールを 泣きました うちの元ノラ三匹とガレージのノラに幸あれ あーこんな老人ホーム探しているのです、ワタシ! ≪ 信...
捨てられた子猫 母親になって6匹を産む それぞれの物語 人間との交叉 やりきれない問題も描きながらやさしさがあふれる 自分の体験も想いながら すてきな登場人物にエールを 泣きました うちの元ノラ三匹とガレージのノラに幸あれ あーこんな老人ホーム探しているのです、ワタシ! ≪ 信じてる その目に弱いの おばあちゃん ≫
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久々に感動を与えてくれる本に出会った。読み終わるのが勿体無くて何回も読み直しながら読み終わった。最初の章から涙が止まらなかった。物語口調で書かれているのも良かった。柳美里さんの小説は何冊か読んだ事があるけれど、こんなに優しい文章を書く人だと思ってなかった。優しい中に現実の残酷さを...
久々に感動を与えてくれる本に出会った。読み終わるのが勿体無くて何回も読み直しながら読み終わった。最初の章から涙が止まらなかった。物語口調で書かれているのも良かった。柳美里さんの小説は何冊か読んだ事があるけれど、こんなに優しい文章を書く人だと思ってなかった。優しい中に現実の残酷さを淡々と綴っていて、途中辛くなったりしたけれど、最後の締めくくりで物語が繋がった。人と人との縁や優しさや温もりに気持ちがほっこりする場面もあり。何より猫の持っている癒しを知っているだけに読んでいて、うんうんと何回もうなづいたりした。この小説は多分私の宝物になるだろうな!装丁もとても綺麗。読んで良かった。
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猫と人間の、優しくも厳しい、現実の姿が容赦なく書かれた本。 猫好きとしては、1話目で「このまま読み続けられるだろうか」と不安を感じたものの、心を強く持って読了。 捨て猫、保健所、猫取り業者、毒入りの餌、不登校、いじめ、老後、離婚、母子家庭・・・ 猫のしぐさが可愛らしく書かれている...
猫と人間の、優しくも厳しい、現実の姿が容赦なく書かれた本。 猫好きとしては、1話目で「このまま読み続けられるだろうか」と不安を感じたものの、心を強く持って読了。 捨て猫、保健所、猫取り業者、毒入りの餌、不登校、いじめ、老後、離婚、母子家庭・・・ 猫のしぐさが可愛らしく書かれていると同時に、ダークストーリーが容赦なく綴られる、でもこれが現実。 ですます調の地の文と、登場人物の思考の文が、ころころと切替わって少し読み辛い。 嫌いじゃないけれど、救われない話でモヤモヤした。
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カモメ動物病院の港先生、光町こども会会長の田中さんは4つの話にすべて登場する街のねこを大事にする町民。光町の元ノラ猫とその飼い主4話のお話。おばあさんの痴呆が進んだり、不登校の中学生がいたり、母子家庭だったり、妻が末期癌だったり、猫がいる4つの家族にはそれぞれ事情があるのですが、...
カモメ動物病院の港先生、光町こども会会長の田中さんは4つの話にすべて登場する街のねこを大事にする町民。光町の元ノラ猫とその飼い主4話のお話。おばあさんの痴呆が進んだり、不登校の中学生がいたり、母子家庭だったり、妻が末期癌だったり、猫がいる4つの家族にはそれぞれ事情があるのですが、最後の最後に、登場人物がひとまわりして、老人ホームと老犬/老猫ホームでおばあさんと猫のニーコが再会。おばあさんは記憶が遠くなっているのだけれど、地域の住民と猫を見守ってきた田中さんは、飼い主と飼い猫が再会できたことにただひとり気がついており、そこに感動しました。
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人間のエゴと愛を猫を通じて感じた。いとも簡単に捨てられた小さな命。ある人は猫に死を与えるし、ある人は生を与える事が可能だ。小さな命が奇跡的に育つ姿、そしてそれを育てる人たちの抱えている事情が温かくもあり、残酷でもある。果たして公園にいる野良猫にエサを与えることは優しさなんだろうか...
人間のエゴと愛を猫を通じて感じた。いとも簡単に捨てられた小さな命。ある人は猫に死を与えるし、ある人は生を与える事が可能だ。小さな命が奇跡的に育つ姿、そしてそれを育てる人たちの抱えている事情が温かくもあり、残酷でもある。果たして公園にいる野良猫にエサを与えることは優しさなんだろうか、それとも自己満足なのだろうか。猫には自分で生を選べる選択肢は少ない。「おうち」が無い猫の実情を目の当たりのして心がヒリヒリする。久しぶりの柳美里さんの本だが、構成が見事。猫だけでは無い。人は生きている物に対して責任を持つべきだ。
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子猫が捨てられた公園から物語が広がっていく。 拾い育てたおばあちゃん、この公園に毎日訪れる田中さん、 近所の小学生たち、その家族。 大人になった猫が産んだ子猫たちから又広がる物語。
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