赤へ の商品レビュー
短編なので、さらっと読めますが 残念なことに深くは掘り下げられていない感じがしました 荒野さんの作品は個人的に長編のが好きです
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「死」がテーマの短編集。どれも、読むのが怖かった。「ホラー」の怖さなのではなく、もしかしたら自分にいつふりかかって来てもおかしくないような恐怖だから。
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短編集。全体的に後味悪い。不快なわけではなく、なんだか不安にさせられる後味の悪さ。 「赤へ」これは私だ。自殺こそしてないけど。その代わり結婚生活は破綻したけど。 「雨」全般にわたってじっとりと絡まる不安と不信。年頃の子どもを持つ親なら多かれ少なかれ感じるんじゃないかな。
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虫の息、時計、逃げる、ドア、ボトルシップ、赤へ、どこかの庭で、十三人目の行方不明者、母のこと、雨 どこか死の気配を孕んだ短編集。 情報がしっかりしてるのでもう少し読みたいなと思ったけど連作ではなかった。残念。
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井上荒野の凄みを今更ながらも感じた圧巻の本だった。 文句なしの☆5つ評価。 死にまつわる短編集。この中にはなんと10もの短編が収められているのだが、全く短編とは思えないほど中身が濃い。 一編一編の完成度が非常に高く、それぞれについてじっくりとレビューしたいほど甲乙がつけがたい。 ...
井上荒野の凄みを今更ながらも感じた圧巻の本だった。 文句なしの☆5つ評価。 死にまつわる短編集。この中にはなんと10もの短編が収められているのだが、全く短編とは思えないほど中身が濃い。 一編一編の完成度が非常に高く、それぞれについてじっくりとレビューしたいほど甲乙がつけがたい。 お盆にちょうど読んでいたこともあり、新盆を迎える私の心情とシンクロしてしまったのか思った以上に感傷的になったかもしれない。 でもそれを抜きにしても、この作家の全てを書かずに心の動きをこれほどまでに鮮やかに描き出す手腕はさすがとしか言いようがない。 ちょっと前に読んだ他の作家の理屈っぽい長編小説よりもよほど心打たれるものがある。 印象に残ったのはバーの常連客にまつわる話「ドア」、見ず知らずの人のブログに共感していく主人公の話「どこかの庭で」、そして作者には珍しく社会性のあるメッセージの込められた「雨」。 どの物語も心にと言うか、胃に訴えてくる感じ(笑) ぎゅーんと掴まれるように切ない、やるせない、遣り切れない。 そしてなんといっても「母のこと」。 これはもう井上さんの完全なる私小説でしょうね。 こんなに身近にまっすぐと感じた事はないくらいひねりもなんにもない。ストレートで端正な文章。 いつもとは違った作家の横顔を見たようでうれしいような悲しいような・・・。 書く事で母の死を乗り越えることができたんでしょうね。 とても良かった。心に響いた。 井上さんの短編の巧さはピカイチだなと改めて感じた作品。 次作も期待しています。
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死がテーマの短編集ってことであんまり読みたくなくて後回しにしてたけど、読んでみたら一つ目はいけると思った。嫌な感じだけど読める。あとは嫌な感じなだけだった。
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荒野さんらしい静かで、美しい言葉で紡がれた10編の物語。 どの話にも共通しているのが「死」の存在感。 それは事故だったり、自死(作者が恣意的にこの言葉を使っている)だったり、事件だったり、病気だったりしながら、突然、あるいは緩やかに訪れる。 危うく保たれていた関係が、死によってバ...
荒野さんらしい静かで、美しい言葉で紡がれた10編の物語。 どの話にも共通しているのが「死」の存在感。 それは事故だったり、自死(作者が恣意的にこの言葉を使っている)だったり、事件だったり、病気だったりしながら、突然、あるいは緩やかに訪れる。 危うく保たれていた関係が、死によってバランスを失い、壊れる。その変化のありようが、丁寧に描かれていき、ときにゾッとし、ときに哀しく、ときに切ない。 荒野さんの作品は、読み終わった後やっぱり、そっとため息を吐きたくなるのだ。
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★2016年7月23日読了『赤へ』井上荒野著 評価B 短編10作品。相互の関連性はない。 現代を生きる我々が、ふとした瞬間に感じてしまう何気ない悪意や思いをそれぞれの物語の中で上手に述べてくれている。 今回、井上荒野(あれの)さんの本を借りるにあたって、ブクログでの各作品の評...
★2016年7月23日読了『赤へ』井上荒野著 評価B 短編10作品。相互の関連性はない。 現代を生きる我々が、ふとした瞬間に感じてしまう何気ない悪意や思いをそれぞれの物語の中で上手に述べてくれている。 今回、井上荒野(あれの)さんの本を借りるにあたって、ブクログでの各作品の評価を参考にしたのだが、井上さんの評価はかなり低く出ていて驚かされた。この作品は良い評価を得ていたので、読むこととしたのだが、もしかしたら、物語がリアル過ぎて読むに耐えない部分があるのかもしれないかもと思った。誰しも、本の中に自分の世界と違う何かを求めて読書している訳で、その部分が辛いとなると評価は低くなるかもしれないと感じた。
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タイトルの赤へは血と死を連想させます。色々な形の関係性の死をどう受け止めるのか。母と娘と娘婿、学生時代の友人の友人、女友達、ネットで知りなんとなくブログを日々チェックしていた方、などなど。深い付き合いではなくとも、死に係わってしまう時どう思うのか。付き合い方によってさまざまですが...
タイトルの赤へは血と死を連想させます。色々な形の関係性の死をどう受け止めるのか。母と娘と娘婿、学生時代の友人の友人、女友達、ネットで知りなんとなくブログを日々チェックしていた方、などなど。深い付き合いではなくとも、死に係わってしまう時どう思うのか。付き合い方によってさまざまですが、今回の短編はとても淡々として死を受け止めている印象を持ちました。この短編のそれぞれの主人公の考え方はとても興味深かったです。
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すごい良かった。良かった、本当にどの短編も全て面白かった、びっくりするほどに。 テーマは「死」。死についてこれでもかというくらいの話が盛り込まれているのだが、 最後井上荒野さん自身のエッセイがあった。母のこと。お母様を亡くされたことについてのエッセイが泣ける。仕事の休憩時に読んだ...
すごい良かった。良かった、本当にどの短編も全て面白かった、びっくりするほどに。 テーマは「死」。死についてこれでもかというくらいの話が盛り込まれているのだが、 最後井上荒野さん自身のエッセイがあった。母のこと。お母様を亡くされたことについてのエッセイが泣ける。仕事の休憩時に読んだのだがホロリとしてしまった。ドラマみたいなお別れ現実にはなかなかできないものなんですよね。分かってるけど。分かってないなと思った。 とくに好きなのはいたずらおばあちゃんの二人組が出てくる最初の短編、虫の息。 自死した娘とその夫との1日を切り取った表題作、赤へ そして母のこと、かな。どれも好きだけども。
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