きみを嫌いな奴はクズだよ の商品レビュー
伊舎堂仁さんの歌集『トントングラム』を読んだら、解説で加藤治郎さんが「近・現代短歌史には見当たらない作品世界だ。敢えていうと、穂村弘、笹井宏之、木下龍也の世界につながる」とお名前を挙げていらしたので、読んでみました。 第一歌集『つむじ風、ここにあります』より難解でした。 その...
伊舎堂仁さんの歌集『トントングラム』を読んだら、解説で加藤治郎さんが「近・現代短歌史には見当たらない作品世界だ。敢えていうと、穂村弘、笹井宏之、木下龍也の世界につながる」とお名前を挙げていらしたので、読んでみました。 第一歌集『つむじ風、ここにあります』より難解でした。 その中で多少は意味がわかった歌と好きな歌を挙げます。 <YAH YAH YAH 殴りに行けばYAH YAH YAH殴り返しに来る傘地蔵> <Googleの昼寝によって新着のニュースの欄に寝言が並ぶ> <夢の中では近視です はなびらのひとつひとつがてのひらでした> <視聴者にこれは夢だと気付かれた夢の製作者は殺される> <天界のリストラにより大量に焼却処分される羽と輪> <もうずっと泣いてる空を癒そうとあなたが選ぶ花柄の傘> <近すぎてぼくらはきっと出会えないまゆげとなみだみたいなものだ> <好きだって言うより先に抱きしめた 言葉はいつも少し遅れる>
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初の歌集です。 元々短歌が気になっていたところに、先日たまたま巡り会えたので購入した作品です。 31字にぎゅっと作者さんの想いが詰まっているの、素敵ですね。 「夢のなかでは近視です はなびらのひとつひとつがてのひらでした」 「幽霊になりたてだからドアや壁すり抜けるときおめめ...
初の歌集です。 元々短歌が気になっていたところに、先日たまたま巡り会えたので購入した作品です。 31字にぎゅっと作者さんの想いが詰まっているの、素敵ですね。 「夢のなかでは近視です はなびらのひとつひとつがてのひらでした」 「幽霊になりたてだからドアや壁すり抜けるときおめめ閉じちゃう」 他にもたくさんの言の葉たちが癒やしてくれます。 ページをめくる度にすぅっと自分の中に入ってきて、居座ってくれる。心地良いです。 普段小説ばかりですが、歌集は読み返しやすいので、集めたくなっちゃいます!
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すきだったなー読んでよかったって浸りながら作者紹介読んでたら。 なんで元彼と名前が似てる方と深い交友があるのよ ともかく内容よね すきだな
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31文字でこんなにも深く伝えられる日本語のおもしろさと難しさを感じた。 オールアラウンドユーに続き、お守りにしたい言葉たちと出会う素敵な時間でした。
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バイトの後輩さんが「現代短歌にハマってて…」って話をしてたのが気になって、借りてみた ら!!!すっごい面白い!!!!これはハマる。 “現代歌人シリーズ”ってのがあるらしいので順番に読んでみたいな。 日常的なもの、ファンタジーっぽいもの、戦争を連想させるもの、死がテーマのもの、い...
バイトの後輩さんが「現代短歌にハマってて…」って話をしてたのが気になって、借りてみた ら!!!すっごい面白い!!!!これはハマる。 “現代歌人シリーズ”ってのがあるらしいので順番に読んでみたいな。 日常的なもの、ファンタジーっぽいもの、戦争を連想させるもの、死がテーマのもの、いろいろあって自由なんだなぁ。 個人的にはファンタジー要素強めが好き。 下記、特に好きだったものをいくつか… 『すみませんピンクイエロー産休のため三人でお相手します』 『天界のリストラにより大量に焼却処分された羽と輪』 『幽霊になりたてだからドアや壁すり抜けるとき おめめ閉じちゃう』
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久しぶりの歌集です。 貧乏性な私には、 紙を贅沢につかう余白がもったいなくて。苦笑 これは完全にタイトル買いです。 このタイトルで気にならない訳ないです。苦笑 結果、余白や奥行き、 歌を楽しめるほど私は足りていないため、 大喜利みたい…と思ってしまいました。苦笑 でも、どき...
久しぶりの歌集です。 貧乏性な私には、 紙を贅沢につかう余白がもったいなくて。苦笑 これは完全にタイトル買いです。 このタイトルで気にならない訳ないです。苦笑 結果、余白や奥行き、 歌を楽しめるほど私は足りていないため、 大喜利みたい…と思ってしまいました。苦笑 でも、どきっとする言葉や、 シニカルで刺さる言葉が。
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どうして、こんな場面、感情を切り取れるのだろう。 自分の感情の一部が言語化されたみたいな。わたしを守ってくれる短歌たち。 必要以上に破られないためのバンドエイドの箱の点線
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
鋭角の刺激強めな歌が並んでいた。 こんなに攻めちゃっていいのかなって。 言葉遊びの実験のような楽しい歌や、 ハッとさせられるような目線の歌も数多くて、それらに沢山付箋紙を立てた。 私は木下さんの歌集もまだ3冊目で、お人柄も背景もよく存じ上げないけれど、 壊れてしまいそうな繊細な心とトゲトゲの鎧を共に持ち得ているような、ヒリヒリした読み心地を味わった。 こういうところがお若い方の心に刺さるんだろうか。 「車椅子の女の靴の純白をエレベーターが開くまで見る」 「悪人も悪人なりのめでたしで終わる話でありますように」 「覗き穴越しの夕暮れ穴底にいるのは僕か配達員か」 「(ユ/カ)レテイル(セ/シャ)カイ(サ/ボ)クラガ(フリ/シニ)オエテかみさまのてはじゃぐちをひねる」 「「たすけて」は認識されずGoogleは「まつたけ」のWikipediaを映す」 「砂浜にH・E・Lまで書いてLを付け足し力尽きよう」 「ではOの到着次第速やかにHELLをHELLOにして浮上せよ」 「もうずっと泣いてる空を癒そうとあなたが選ぶ花柄の傘」 「だけだものあなたにはぼくだけだものだけだものぼくだけけだものだ」 「風の午後『完全自殺マニュアル』の遅滞者ふと返却にくる」
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休日に立ち寄るいつもの本屋さんで短歌に出会った。少し立ち読みしただけでこんなにもビビッときた本は人生で初めてだった。どのように生きればこのような一文が生まれるのか。羨ましいし少し悔しい。そしてふと帯を見ると尾崎さんの言葉が並んでいて、同じ本を読んだことを知って嬉しくなった。宝物...
休日に立ち寄るいつもの本屋さんで短歌に出会った。少し立ち読みしただけでこんなにもビビッときた本は人生で初めてだった。どのように生きればこのような一文が生まれるのか。羨ましいし少し悔しい。そしてふと帯を見ると尾崎さんの言葉が並んでいて、同じ本を読んだことを知って嬉しくなった。宝物の一冊となった。何度も読み返したい。
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歌詞みたいな短歌で、読みやすいものが多かった。「六角形の回廊」章はひとつひとつが写真みたいで、場面を順に追っていく感じが好きだと思った。 一頁一短歌なのも、目がちらつかなくて、短歌の情景を思い浮かべる余裕ができて良かった。
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