砕け散るところを見せてあげる の商品レビュー
本屋の店頭にずらぁっと並んでいたので買って読んでみました。 どうも今まで読んだ本の内容と所々かぶる?ところがあって、むむむっ……となりました。話の構成や文体、全体の雰囲気……読み終わったあと「はぁんこんな小説に出会えたなんて私って本当に幸せ」というような満足感はなかったので少し残...
本屋の店頭にずらぁっと並んでいたので買って読んでみました。 どうも今まで読んだ本の内容と所々かぶる?ところがあって、むむむっ……となりました。話の構成や文体、全体の雰囲気……読み終わったあと「はぁんこんな小説に出会えたなんて私って本当に幸せ」というような満足感はなかったので少し残念ですが、主人公と女の子の会話はとってもテンポがよくて読んでいて面白かったです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
大学受験を控えた濱田清澄は、朝礼でいじめられている蔵本玻璃と出会う。 玻璃に災難をもたらすUFOを打ち落とすため、清澄はヒーローになる。 叙述トリックあり。一人称が変わるのは割と早くわかったのだが、UFOで死んだ2人がイマイチ理解できずじまいでした。 内容は面白く途中からは読む手が止まりませんでした。登場事物が最小限しかいなくて理解しやすい。でも、尾崎妹がすさまじく可愛かった。 再読予定です。
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三回くらい読んでようやく内容がつかめた。 「私はあの人と出会ってから今もずっと、毎日が最高に幸せでたまらない」
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一人称の視点を変えた小説。 一読すると語り手が変わったことに気がつかないため、混乱するが、時系列が変節した箇所を読み返すとすぐに気がつ く。 冒頭から親子のコントまでが主人公の清 澄が死んだ後の玻璃と、2人の息子(真っ 赤な嵐)の話。 その後の回想が、高校時代の清澄と玻璃の話。...
一人称の視点を変えた小説。 一読すると語り手が変わったことに気がつかないため、混乱するが、時系列が変節した箇所を読み返すとすぐに気がつ く。 冒頭から親子のコントまでが主人公の清 澄が死んだ後の玻璃と、2人の息子(真っ 赤な嵐)の話。 その後の回想が、高校時代の清澄と玻璃の話。 玻璃は、父親から受ける虐待と学校での いじめなど、辛いことは全てUFOのせい だと現実逃避している女の子。なので、 成り行き上父親を殺してしまったこと を「UFOを撃ち落とした」と表現されま す。 そして、そのUFOを撃ち落としたことで 「死んだのは二人」と大人の玻璃は言います。その二人とは… 玻璃のお婆ちゃん⇒人差し指 玻璃のお母さん⇒中指 玻璃の父親⇒親指(玻璃が殺す=玻璃の UFOを撃ち落とした) 清澄⇒薬指(玻璃を助けられなかった後悔から?水難者を助けて溺死=自分のUFOを撃ち落とした) ということで「UFOを撃ち落としたこと で死んだのは二人」、玻璃の父親と清 澄。 ここまではただの事実を紐解いただけ で、ここから先は「何故清澄の心に新し いUFOが浮かんだか」という疑問を、私 なりの解釈で書いていきます。 清澄は、父親殺しというもっとも深い業 を玻璃に背負わせたこと、また結果的に 助かったとはいえ、自分自身の手で玻璃 を助けられなかった不甲斐なさからか、 後悔の念を背負ってしまう。それを⇒新たなUFOの出現と表現。 名前を変えた玻璃と「俺たちは再び出 会ってしまった」ため、二人は共に清澄 の母も含めて三人で暮らす。 しかしそれは名前を変えた「新しい」玻璃であって、あの日のことをなかったことにした仮初めの玻璃。 玻璃も清澄のUFOは見えていたことから、彼の思いは痛いほどわかっている。 清澄はずっと玻璃と名前を呼んでいな かったことから、あの話は新しい玻璃の 心の中に封印していたのだろう。 でもそれでは清澄の気持ちは報わず、助けられる命を助けたいというhero願望は消えなかった。 そして、偶然水難者を目の当たりにし、 助けに入ったとき、自分のUFOを打ち落 とすことができた…。 もしかしたら、UFOは清澄の恐怖心の具 現化されたものかもしれない。 玻璃の父親に半殺しにあったあの日、本当は死力を尽くせば動けたのに、彼はどこかで諦めてしまった。殺される恐怖におののいた彼は、玻璃の父親の影に(存在しないにも関わらず)怯えて生きていたのかもしれない(一種のPTSD?)、ともとれる。 ただこの解釈もストンと腑に落ちない。 ただの後悔なら一生玻璃の側にいてやれ ばいいわけだし、heroになりたいことへ の妄執なのだとしたら、…それにとらわれて、結局新しい玻璃も置き去りにしたことになる。 いずれにしても愛する者を置き去りにして1人逝った清澄に、あまり私は共感できない。 他のレビューで「スマホが光った」のはどう いう意味か、と書いている方がいましたが、あれは玻璃の息子からだと思いま す。 この描写以前に彼から「台風の天気レポーターとしてテレビに出る」と着電があったことから、再び無事を知らせる着電があったことを示唆しているものだと思う。 「真っ赤な嵐」という表現は産み落とし たときの状態や、新しい生命の比喩だと 思いました。 砕け散るところを~というタイトルは、もうそれこそ直接的に父親の頭蓋骨というか、UFOを打ち砕くことでしょうね。 評判の悪い帯の文言の意味は、ただ単に 死んでもその細胞は息子に受け継がれて いるということなのでは。 駆け抜けるように読めるいいお話ですが、ちょっと比喩が陳腐なきもしますし、全体的に台詞が青臭くてラノベ感が あります。 筆者はラノベ界で人気だった方のようですね。 そのため、帯が大言壮語だと思われま す。ハードルは上げなくていいと思いま す。 私は清澄が、殺されかけた時に必死で指を上げる場面で胸が締め付けられました。
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前作が非常に面白かったのでかなりの期待と共に読み始めた。痛く、イタイ物語。 いじめという題材が痛い。無邪気にいじめが行われ、上履きやゴミを投げつけられたり、上履きを隠されたり、こどもっぽさ全開で犯罪が行われる。それが痛い。 ヒロインの玻璃や主人公もイタイ。ヒーローを夢見て変身ポーズをとりいじめを見て助けたもののいじめられっこに嫌われこっそり影から助けるという自己満足のような小助けを行う主人公も、助けられて「ああああぁ」と叫ぶヒロインもイタイ。 ダブルの痛みにこれは読むのに力がいりそうだと思ったが、玻璃が先輩に素顔を見せるようになってから物語はまた違った趣を見せる。ヒロインを助けたい、好きになってしまったから、と行動する主人公はそれはそれでよいし、ヒーローみたいに助けてくれた先輩に惚れてわんこみたいになるヒロインも悪くない。玻璃がキラキラ輝いてみえた。いや、玻璃の見ている世界の中で先輩が輝いてみえた。いじめをなくそうとする方向性はストレスがないし、本当に戦わなくちゃいけないのは玻璃の父だとする展開は分かりやすく、高校生2人で池に証拠を拾いにいこうとする高校生らしい浅はかさや交番に飛び込まずに家から電話をしようとする動揺などは若さを感じて良かった。他人のために戦うことを決めた玻璃が父親を殴り殺すのも必然だろう。 だがそこからラストまでがチンプンカンプン。漫画「火の鳥」のようにあっちこっち場面がとんで抽象的な言葉が多くなり、よく分からないまま終了。もっと地に足をつけて、清澄と玻璃がどうなったのかを描いて欲しかった。かけあいの面白さと友情の描くうまさは竹宮ゆゆこらしいが、あとは飛び出るものはなかった。残念。
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読み終わった直後は意味がわからず、他の人のレビューを読んでちょっとは理解できたかも。これ読んだ人の解釈を聞きたい。
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本屋に平積みされてたので手に取ってみた 読み終わった後に巻頭→巻末と読み直すと話が分かりやすい 叙述トリックなのである程度は仕方がないが、 それにしたって最後の方が駆け足過ぎて置いてけぼり感がすごい また、会話の内容が個人的には馴染めなかった。 面白い会話として描かれている箇所が...
本屋に平積みされてたので手に取ってみた 読み終わった後に巻頭→巻末と読み直すと話が分かりやすい 叙述トリックなのである程度は仕方がないが、 それにしたって最後の方が駆け足過ぎて置いてけぼり感がすごい また、会話の内容が個人的には馴染めなかった。 面白い会話として描かれている箇所が1つも面白くなく、読んでいて乗ってこなかった。 後半の主人公の行動にも納得が出来ない。緊急事態なんだからその辺で電話借りろよと。 ヒロインの主人公に対する想いは良かっただけに、全体的に勿体無いなと感じた。
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砕け散るところを見せてあげる。あげる、という言い振りと、表紙イラストの女の子のなんとも言えず切なげ?な微笑みから、この物語はハッピーな結末ではないんじゃないか、と思って読み進めた。予想通り、楽しく朗らかな恋愛コメディではなく、扱っているテーマは重い。人物像の掘り下げには、自分の想...
砕け散るところを見せてあげる。あげる、という言い振りと、表紙イラストの女の子のなんとも言えず切なげ?な微笑みから、この物語はハッピーな結末ではないんじゃないか、と思って読み進めた。予想通り、楽しく朗らかな恋愛コメディではなく、扱っているテーマは重い。人物像の掘り下げには、自分の想像力をかなり駆使する必要があるけれど、物語の構成としては、うん、たしかに良い感じ。書店でここまで推されるほどかと言われるとやや疑問だけれど、全編通して、作者は愛を信じてるし世界を信じてるっていう、シンプルな想いを感じるのは良かったと思う。
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いじめとか虐待とか扱ったそこそこ重たい話で、ベタでもそういうのは大好きなので中盤あたりは面白く読んだが、全体としては正直期待はずれ感はある。 トリッキーな叙述が一種の小説の構造的野心を感じさせるけど、別にそれ必要ないよね?と思わなくもない。別にそんなところで複雑にしないでもいいだろう。この物語をやるのなら。 物語としてはとてもシンプルなのだ。愛の話。愛の為に砕け散るところを見せてあげる話(だと、僕は思った。《見せてあげる》の主語はきっと玻璃に見せかけて清澄で、でもやっぱり玻璃のことでもあるのだろう)。 それだけで苦しくなってしまうほど愛を受けずに育ってしまった少女がやがて育ち、愛を信じることができるようになるというところはむちゃくちゃ好きで、しかもそれが親から子へときちんと手渡しされていくところはもっといい。 愛情って複雑で、誰かを愛することでまず自分を愛せるようになって、そこで初めて誰かを愛せるようになるものだと思う。でも、それじゃあ最初に誰かを愛すためには自分を愛せなくちゃダメじゃない?ということになり、つまりは堂々巡り。しかし実際にはこのループは「無条件の愛」によって断ち切られるのだ。それを与えるのはきっと親であったり。恋人であったり。宗教で言えば神ということもあるだろう。アガペー的な。 玻璃の場合、与えられるべき無条件の愛が親にはなかった。だけど代わりにそれを清澄が与え、清澄が変えた人々がまた与えたのだ。そしてまた玻璃は愛を受け渡していく。 愛は永遠だ。 シンプルだが、大好きだ。 そのシンプルさに比してこの小説の構造はやや技術に寄りすぎているというか。ちぐはぐな印象を受けてしまう。 そのちぐはぐさは物語の深刻さと語り口の軽さにもあるような気がする。語り口っていうか、キャラクターの軽さかもしれない。キャラクターが『人物』であるよりも『キャラクター』に留まっているような。 作品全体の良さとは独立して、清澄も玻璃も、清澄の母も(『僕だけがいない街』に出てくるお母さんみたいでよかった。頭がよくてかっこいい母)みんな魅力的なのだが。それだけに惜しい。 最後の最後で愛がつながるというか受け渡されている、と気づく快感は確かにあるが、こんなに凝ったことをしなくとも普通に子の話と親の話と子の話とをきっちり分けて描いても良かったのではないかと思う。 p.21の「で、ここからが本当に俺の話。」のくだりはかなりアンフェアじゃないですか? 読者を騙そう騙そうという意識が全面に出すぎていてちょっとなー。うーん。 「最後の一文であなたは!」みたいな宣伝もどうかと思いますが。 好きなんだけど、全体的に惜しさが残る小説だったかも。
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清澄は朝礼でごみを投げつけられ、いじめられている玻璃を見つける。ヒーローにあこがれ、曲がったことが嫌いな清澄はその後もいじめから玻璃を守り続ける。それが恋に発展し、萌えな感じがあるが、いじめでは決して体に傷は負わされていなかった玻璃の体が傷だらけなのに気づき、実は家で父親に虐待されていることに気付く。最後父親と対決する展開となる。最後語りの人称を変えることで、何かミステリ色を出しているが、文化的なことが理解できない僕にはよくわからない。何か哲学的なことでも言おうとしているのか?不完全燃焼で、星2つとしました。
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