小説王 の商品レビュー
一冊の単行本でなかなか世の中は変えられない。1㎜も動かないかも。それでも一冊の単行本は人の心を震わす。その単行本がもたらした何かは、どこか胸の奥の方でメラメラと燃えつつ、下手すると一生居座る。そんな人達が世の中を動かす。わずか1㎜されど1㎜。少しずつ、身の丈にあった速度で。だから...
一冊の単行本でなかなか世の中は変えられない。1㎜も動かないかも。それでも一冊の単行本は人の心を震わす。その単行本がもたらした何かは、どこか胸の奥の方でメラメラと燃えつつ、下手すると一生居座る。そんな人達が世の中を動かす。わずか1㎜されど1㎜。少しずつ、身の丈にあった速度で。だから、小説の役割は終わらない。世の中を変えようなどと大それた事は考えちゃいないが、これからも、心を震わせていたいのだ。
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少年マンガのようなストーリーとテンポで、読みやすく楽しめた。幼なじみが小説家と編集者となって再会、斜陽の出版業界で力を合わせて栄冠を勝ち取る! といった内容。 ブレストでネタ出しをして小説を編み上げていく過程での本気のやりとり、作中作ともリンクする登場人物たちの親子関係。最後まで一気に読み終わった。 だが(作中でも褒めた後で批判をするのが常套といっていたけれど)、いくつかの疑問は残る。 作中で「女性が書けていない」と指摘される場面があったが、これは作者自身が言われていたことではないか、と邪推してしまう。少年マンガにありがちな、男性の夢を黙って応援する聞き分けのよい女、に見えるから。おそらく、その指摘があったからこそ、女性キャラに「自我」を持たせたのだろうけれども、なんだか板についていない。話の展開上都合のいいように動いている感が否めない。 『編集王』という先行作があったからこそのこのタイトル、インパクトではピカイチ。
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○読者が試される小説を、読んだことがない。俺らは文芸を本気で育てようじゃないか この作者は本気だ。この小説はヤバい。 まず勢いが違う。序盤から畳みかけるように訴えかけてくる。 「本当にこの時代に小説が必要なのか?」という問いを。 次に覚悟が違う。これは出版業界、とりわけこの本で斜...
○読者が試される小説を、読んだことがない。俺らは文芸を本気で育てようじゃないか この作者は本気だ。この小説はヤバい。 まず勢いが違う。序盤から畳みかけるように訴えかけてくる。 「本当にこの時代に小説が必要なのか?」という問いを。 次に覚悟が違う。これは出版業界、とりわけこの本で斜陽とされている文芸業界への挑戦だ。まるで「お前ら目を覚ませ、転がっているもの、目指したいものに本気で向き合っているのか」と語りかけてくるようだ。 神保町に城を構える神楽社に勤める小柳は、小学校の同級生・吉田の小説に惚れて文芸雑誌連載に奔走する。しかし上司の榊田や作家の内山からは叱咤の嵐。小柳自身が自らに課した大儀も揺らぐが、小柳と吉田それぞれが覚悟を決めた瞬間、何かがはじけたように歯車が回りだし、出版業界に大きな風を吹かせる・・・! 作家にとっての覚悟、編集者にとっての覚悟。 本を出すためにはきっと重要な要素であり、その煮えたぎる想いは十分すぎるほど、否、もしかしたら理解できないほどに狂ったように、この本で語られる。 しかし実は小説は、"読んでくれる人のもの(p222)"だ。 我々、読み手側がどう判断するか、どう感じるかが重要だ。 だからこそ、作り手である作家や編集者は読み手側がどう考えるか、どう考えてほしいかを真剣に考え抜いて、一つの"作品"に仕立て上げていくのだ。本当に真剣に、死にそうになりながら、死に物狂いで、寝食を忘れて、向き合う。向き合い、直し、議論をぶつけ合い、作品へ昇華させていく。 その意味では、我々は常に試されているし、声をあげる権利を持っている。 その気持ちを受け取った我々読者は、新たな読者へ届けるべく、こうして書評を披露するのだ。 小柳と吉田それぞれの奥さん/彼女や、小柳の子供・悠とのやり取りも小気味いい。むしろ小柳と吉田が決める覚悟に対して、重要な後押しをしてくれているのは見ものだ。これもある種の覚悟。 本気で広めたい本があるなら、我々にも覚悟がいると思った。 いい文芸は、本気で育てようじゃないか。 広めたいなら高尚に語って何が悪い? 我々は、常に文芸に生かされてきたんだから。 作者に、そこにいる主人公たちに活力を与えられてきたんだから。 いいものなら、読もう、と本気で伝えたい。 真剣に向き合って自分なりの人生の答えを見つけようぜ。 これもそういう一冊だ。
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小柳俊太郎。 「小説ゴッド」の編集者。 学生結婚のために大学を中途退学。 社会人となって家計を支えていたが、「空白のメソッド」を読み一念発起。 大学に復学し編集者を目指す。 吉田豊隆。 16歳のときに書いた「空白のメソッド」が「小説ブルー新人賞」を受賞して作家デビュー。 伸び悩...
小柳俊太郎。 「小説ゴッド」の編集者。 学生結婚のために大学を中途退学。 社会人となって家計を支えていたが、「空白のメソッド」を読み一念発起。 大学に復学し編集者を目指す。 吉田豊隆。 16歳のときに書いた「空白のメソッド」が「小説ブルー新人賞」を受賞して作家デビュー。 伸び悩み、本当に書きたいものを書いているのか、鬱々としたものを抱えている。 アルバイトをしながら小説を書き続けている。 小柳と吉田が新しい小説を生み出していく。 編集者として本当に良いと思える小説を。 作家として本当に書きたい小説を。 その過程がとても面白かった。 編集者と作家は、ときに真剣勝負のように対峙する。 出来上がった原稿に赤ペンをいれていく覚悟と責任。 すべてをさらけ出し、小説の中に生命を注ぎこむ覚悟と重圧。 そして、吉田が背水の陣で生み出した小説のタイトル「エピローグ」に込められた思い。 出版界の厳しさは年々加速しているという。 人々が本を読まなくなっていく社会。 どうしたら本を読んでくれるのか。 読者として、どうしたら呼び戻すことができるのか。 「小説ゴッド」の廃刊が決定したことで、小柳は新たな小説の道を模索していく。 小説を読んでもらうためにインターネットの利用を思いつく小柳。 良い小説だからといって売れるわけではない。 話題性や作家自身の認知度、映像化などとのタイアップ。 利用できるものはすべて利用して小説を売る。 そう宣言したのは、映像権を手にした吉田の元恋人の女優・大賀綾乃だった。 才能とは何だろう? 持って生まれた感性はどうにもならないかもしれない。 でも、何よりも大切なのは「書きたい」という強い思い。 書かずにはいられない衝動。 そして、ひとつひとつの小説に「完」 と記すまで書き続けること。 それこそが才能なのかもしれない、と思う。 世の中には本をまったく読まない人もたくさんいるだろう。 小説なんて面倒だという人もいるかもしれない。 それでも、絶対に小説を待っている人たちはいる。 そして、私もそのひとりだ。 この物語に登場する「編集王」という作品。 同名タイトルでドラマ化までされたというのに、まったく知らない漫画だった。 舞台は週刊コミック誌の編集部で、主人公はプロボクサーの道を断たれた青年が編集者として再出発する内容らしい。 「重版出来!」の男性版といったところなのだろうか。 「編集王」、読んでみたいと思ってしまった。
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初読みの作家さん。 面白かったぁ、 熱かったぁ。 男臭くて男子の部室の臭いがするよ。 もしくは息子が剣道の防具を持って帰って来たとき。 いやいや、臭いとかそういうことじゃなくてね。 ま、臭いんだけど。 女人禁制って感じがしてさ。 いいのよ。 売れない本、売れない小説、 ...
初読みの作家さん。 面白かったぁ、 熱かったぁ。 男臭くて男子の部室の臭いがするよ。 もしくは息子が剣道の防具を持って帰って来たとき。 いやいや、臭いとかそういうことじゃなくてね。 ま、臭いんだけど。 女人禁制って感じがしてさ。 いいのよ。 売れない本、売れない小説、 斜陽産業を嘆く小説家に編集者。 いやいや、面白かったら買うんだよ、 面白かったら売れるんだよ。 これはいいと、これは面白いと 熱く伝えてほしい。 今を嘆く前に、熱い作品を!!!待ってます、 って気分になった。
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出版不況と言われる中での文芸誌の編集者が主人公。小説家と編集者があらゆる困難に立ち向かう職業小説。とにかく熱い。とくに若者が熱い。 個人的には主人公のまわりの上司が好き。出版不況、読書離れ、ひっくり返したいなぁ…
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表紙が怖いけど、作家と編集者の熱いドラマで一気に読めます。 この2人が小学校の同級生というのもいい流れですし、家族との関係も織り交ぜながら、変な落とし穴もなく、小説という1つの作品が出来上がっていくのを、ドキドキしながら読めます。
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暑苦しい表紙デザインだと思ったが、中身も熱かった。 小学校で同級だった二人が作家と編集者として再びまみえ、一つの作品を作り上げる物語。 編集者の立ち位置と作家の立ち位置が(わたしはそのどちらでもないが)よく書かれている。 編集者と作家の関係って、編集者の数と作家の数とその組み合わ...
暑苦しい表紙デザインだと思ったが、中身も熱かった。 小学校で同級だった二人が作家と編集者として再びまみえ、一つの作品を作り上げる物語。 編集者の立ち位置と作家の立ち位置が(わたしはそのどちらでもないが)よく書かれている。 編集者と作家の関係って、編集者の数と作家の数とその組み合わせの数だけケースバーケースで「これがその姿!」ってことは無いんだと思うけれど、ある理想の二人の出会いが描かれている。 作中、主人公が「女性が描けていない」云々とあるが、俊太郎の奥さんの美咲ちゃんはもう少し描き込んでもよかったかな?
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幼なじみの三流編集者と売れない作家の「友情」、「努力」、「勝利」の物語。まるで少年ジャンプの三大スローガンなのですけど、内容的にも漫画的で底が浅いです。
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ちょっと大人の青春物語。 出版社の編集担当者と売れない小説家と、文芸界が舞台だけどスポコンマンガのような雰囲気。 ものがたりはなぜ必要なのか。 歌を歌ってる身でも、同じように、歌はなぜ必要なのかとよく考える。 結局は同じなんではないかと思う。 無形の知的創作物は、もっと保護さ...
ちょっと大人の青春物語。 出版社の編集担当者と売れない小説家と、文芸界が舞台だけどスポコンマンガのような雰囲気。 ものがたりはなぜ必要なのか。 歌を歌ってる身でも、同じように、歌はなぜ必要なのかとよく考える。 結局は同じなんではないかと思う。 無形の知的創作物は、もっと保護され尊重されるべきだと思う。
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