外道クライマー の商品レビュー
長らく積読本なっていたが、ようやく手に取った。 1990年代から始まった国内の大滝登攀も、剣沢大滝、称名滝が登られ、次は大渓谷のゴルジュ突破の時代になった。 著者は国内を代表する沢屋である。称名廊下や台湾のゴルジェ、タイのジャングルでの46日間の溯行は、その迫真の文章に魂が揺さぶ...
長らく積読本なっていたが、ようやく手に取った。 1990年代から始まった国内の大滝登攀も、剣沢大滝、称名滝が登られ、次は大渓谷のゴルジュ突破の時代になった。 著者は国内を代表する沢屋である。称名廊下や台湾のゴルジェ、タイのジャングルでの46日間の溯行は、その迫真の文章に魂が揺さぶられた。 かつて私も沢登りに狂い、台湾の未踏の渓谷にチャレンジしたこともあったが、この本は見事に沢屋の本心を表現してくれたと思う。 写真や溯行図をもっと見たかったが、それを置いても、山の本では数少ない沢登りの記録として貴重である。
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人間なかなか死なないもんだなと思った。 でも、自分だったらすぐ死ぬと思う。 集英社がこの反社会的(?)な本を出版したことは英断。最後の解説も良かった。
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最初から吸い込まれるように一気に読んだ。 沢をやったことが無いがやりたいと思った。 相棒の方とのやりとりは面白いしやってる事は決死の事だがそのやり取りが少し和む。 凄い人だなあ。かっこいい。
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その辺にいる人ではできないようなことをしていることはわかる。 生死を賭してやる価値がある、と感じている、ということもわかる。共感できもする(実際に同じような行動はできないにしても)。 しかし。 多くのページを割いているタイのジャングル遡行については、読んでいて気分のいいものでは...
その辺にいる人ではできないようなことをしていることはわかる。 生死を賭してやる価値がある、と感じている、ということもわかる。共感できもする(実際に同じような行動はできないにしても)。 しかし。 多くのページを割いているタイのジャングル遡行については、読んでいて気分のいいものではなかった。 せめて、ジャングルに入る前に出会った人たちへ、戻ってきた報告をするというような場面は欲しかった。 解説を読んで、本の内容について、再度残念に思った。 払ってもいい金額:300円
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図書館で借りた宮城公博さんの著書。小気味いい文章でぐいぐい引き込まれる。かなり極限の世界に違いないが、ほんと面白かった。自分にはもちろん真似はできないけど、沢ヤの世界に足を踏み出した身としては、こういう世界もあるんだ、と知ることができたことが収穫。しかし、宮城さんだけでなく、登場...
図書館で借りた宮城公博さんの著書。小気味いい文章でぐいぐい引き込まれる。かなり極限の世界に違いないが、ほんと面白かった。自分にはもちろん真似はできないけど、沢ヤの世界に足を踏み出した身としては、こういう世界もあるんだ、と知ることができたことが収穫。しかし、宮城さんだけでなく、登場人物みんながかなりの変態だった。
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何といってもタイのジャングルの沢登りの記事が面白かった!! ザックを浮袋に川下りなんて滝や激流を想像するとありえないくらい怖すぎるし、塩コショウの量で喧嘩とか明らかに理性をコントロールできないような極限状態にあった状況もリアルだった。 作者の初遡行・初登攀に対する気持ちとこだわり...
何といってもタイのジャングルの沢登りの記事が面白かった!! ザックを浮袋に川下りなんて滝や激流を想像するとありえないくらい怖すぎるし、塩コショウの量で喧嘩とか明らかに理性をコントロールできないような極限状態にあった状況もリアルだった。 作者の初遡行・初登攀に対する気持ちとこだわりに熱いものを感じました! あと最終章を読んで、表面的な情報だけで喜怒哀楽してはいけない、「よく考える」ことがすごく重要だと思った。
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う~ん、クライマーに外道や正当がいるのか・・・ 自分がやりたいことを優先して、世間を騒がせたり、誰かに迷惑をかけたりすればやはりそれは正当な行為とは言えず、やっぱり外道かな。 そんな外道な数々のクライムというよりは、冒険のお話し。
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セクシー登山部の、舐め太郎。「山ヤ」として相当の力量(日本で15番目くらい?)を持ちながら、あえて格下とされる「沢ヤ」を標榜する数奇者。しかし、それは「山ヤ」が「沢ヤ」より偉いのかという反骨精神の表れでもある。かつて、登攀とは、その頂きの天辺を踏むことにあった。しかし、より高く、...
セクシー登山部の、舐め太郎。「山ヤ」として相当の力量(日本で15番目くらい?)を持ちながら、あえて格下とされる「沢ヤ」を標榜する数奇者。しかし、それは「山ヤ」が「沢ヤ」より偉いのかという反骨精神の表れでもある。かつて、登攀とは、その頂きの天辺を踏むことにあった。しかし、より高く、より困難な(単独、無酸素等)それは、今日日もう無いのではないか。舐め太郎に言わせれば『企業のロゴ入りの服を着て登るなんてダサいことはやれない。重役風の男と握手をする写真をブログに載せ「登山家」「冒険家」なる職業を名乗っている男など100パーセント、パチモン』なのである。より高く、より困難な登攀など、もはや「山ヤ」の郷愁でしかない。舐め太郎が外道であることは、いっそ道を外れることで、世界にまだまだ、より面白く、より刺激的な登攀が残されていること、それを示すことにあるのだ。 巻末の角幡唯介の解説がとてもよい。 http://honz.jp/articles/-/42617 「どんなに行儀の良さを装ったところで、登山をはじめとする冒険行為一般は、反社会的であることから免れることはできない。」
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沢登りの話。 そう言えば覚えています。那智の滝を登ろうとして逮捕された人。ニュースになりました。 まさか、その人の本とは知らず…。 ちょっとこういう人とは友達になれないなぁという感じの人柄。 冒険としては面白いけど、イマイチ沢に興味がわきませんでした。 おわり。
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椎名誠の無頼漢の群像と、新田次郎の孤高の冒険家、双方の要素を併せ持つ人たち。読む限り、本当に命がけの行為を行っており、ここまでやるからには貫き通して燃え尽きていただくのも人生かなと思う。
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