いのちの苦しみは消える の商品レビュー
本書は、医師で真言宗の僧侶であり、末期がん患者である筆者が、東京の安楽院での講演をもとにまとめたもの。▼死を目の前にした患者の苦しみを救うスピリチャル・ケアワーカーは世界では多いが、日本には全く欠けている。死んでゆく患者の心を医師は救えない。宗教者が、患者の思いを聞いて、患者の物...
本書は、医師で真言宗の僧侶であり、末期がん患者である筆者が、東京の安楽院での講演をもとにまとめたもの。▼死を目の前にした患者の苦しみを救うスピリチャル・ケアワーカーは世界では多いが、日本には全く欠けている。死んでゆく患者の心を医師は救えない。宗教者が、患者の思いを聞いて、患者の物語を完成させることで安らかな死を迎えさせてあげられる専門性の高い仕事。そのことが本書でよく分かる。昔の日本では仏師がそれを担った。筆者の願いは、仏師によるスピリチャル・ケアを確立して、患者の命の苦しみを解放することにある。▼がんによる死を目の前にしながら、穏やかな顔で思いを説く筆者の姿に共感する。スピリチャル・ケアはこれからの日本で必要だと感じた。一方でその財源をどうするかは難しい問題だと感じた。
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