帰ってきたヒトラー(上) の商品レビュー
ヒトラーが現代に現れる! なんとも荒唐無稽な設定ですが、読んでみると、中身はトンデモ本とばかりは言えません。 興味深いのは、ヒトラーが中々柔軟で、意外にも若干コミカルなこと。現代の環境において、70年前に主張していた事をそのまま再び主張しているからだけではなく、冗談のセンスも...
ヒトラーが現代に現れる! なんとも荒唐無稽な設定ですが、読んでみると、中身はトンデモ本とばかりは言えません。 興味深いのは、ヒトラーが中々柔軟で、意外にも若干コミカルなこと。現代の環境において、70年前に主張していた事をそのまま再び主張しているからだけではなく、冗談のセンスもあるのかもしれません。 上巻は、まだヒトラーが現代の環境に戸惑うことが多く、本領発揮とは言っていませんが、環境に慣れてくるとどうなるんでしょうね?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
映画化作品の原作。 ある日、なぜかわからないが現代によみがえったヒトラー(本人)を主人公にした話。 上巻は、現代によみがえり、すっかり変わってしまった社会やテクノロジーに翻弄されつつ、ひょんなことからテレビデビューするあたりまでのお話。 ストーリーとしてはおもしろいような気がするが、もともと翻訳物が苦手なせいか、やはりあんまり物語に没頭できずにおわった感じ。
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「本人」が復活した。ただのモノマネじゃなく、「本人」であるから成り立つ。 みんながケッサクだと笑いものにしていながら、彼の野望に少しずつ近づいている感覚がするのが、笑っていられない。 作者の知識が非常に深いので、読みながら、そうだったのかと納得させられることが多いのもまた楽しい。...
「本人」が復活した。ただのモノマネじゃなく、「本人」であるから成り立つ。 みんながケッサクだと笑いものにしていながら、彼の野望に少しずつ近づいている感覚がするのが、笑っていられない。 作者の知識が非常に深いので、読みながら、そうだったのかと納得させられることが多いのもまた楽しい。この先の展開も楽しみ。
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前々から気にはなっていたが、文庫化、映画化の流れに加えて、今年の夏の戦争関係ということで読み始めた。歴史を多少わかる人であれば、くすくすっと笑えるというか、ヒトラーの言っていることがわかるというか。反対にわからない人には何がどうおもしろいのかが分からない小説かもしれない。上巻では...
前々から気にはなっていたが、文庫化、映画化の流れに加えて、今年の夏の戦争関係ということで読み始めた。歴史を多少わかる人であれば、くすくすっと笑えるというか、ヒトラーの言っていることがわかるというか。反対にわからない人には何がどうおもしろいのかが分からない小説かもしれない。上巻ではだいたい副題から推測できる程度の内容だったので、下巻の盛り上がりというか、深く突っ込んだ話に期待。
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映画を観るために原作を読んだ。 ナチ関係のフィクションは これまでもあったが アドルフ・ヒトラーがこれほど唐突に蘇り これほど普通にベルリンの街で暮らし これほど受け入れられてしまうとは。。。 映画の日本公開時のキャッチコピーは 「笑うな危険」だが 確かにブラックな笑いが満載...
映画を観るために原作を読んだ。 ナチ関係のフィクションは これまでもあったが アドルフ・ヒトラーがこれほど唐突に蘇り これほど普通にベルリンの街で暮らし これほど受け入れられてしまうとは。。。 映画の日本公開時のキャッチコピーは 「笑うな危険」だが 確かにブラックな笑いが満載だ。 しかし読み進むほどに笑おうにも笑えなくなってくる。 原作はヒトラーの一人語りで進行するが その口調よりも、彼の目の前の現象すべてが 彼流に再解釈され、堂々と再定義される有様が 「我が闘争」そのままで戦慄する。 現代の人々との会話がどんなに噛み合わなくても 彼はすべて自分流に解釈し 相手もそれを受け入れてしまうから恐ろしい。 そしておなじみのヒトラーの言い分 「私を選んだのは普通の国民だ。 彼らは選挙で優秀な人物を選び 国家の命運を託したのだ」 は、今の時代にあって一層黒い輝きを帯びる。 民主主義を利用して独裁を成し遂げるこの方法が ある種の政治家を魅了してやまないのは 我が国を見ていてもわかる。 原作が出版されたのは2012年。 国民の戦争責任を認め、自省に努めてきたドイツも 戦後70年を経て、テロの危険や難民の流入で 民主主義や人道主義に対する疑問は 膨らむばかりだ。 だからこそこうしたフィクションが必要なのだ というのが作者の考えで 果たして、大メディアの批判をよそに この作品はベストセラーとなり 映画も大ヒットした。 「帰ってきたヒトラー」は原作と映画を併せて ご自分の頭と目で確認してほしい作品だ。 映画にはドキュメントが随所に挟み込まれているが それを見ると、いま、ドイツの人々の多くが 強く魅力的な人物を望んでいる(らしい)ことがわかる。 それがたとえヒトラーであっても。 そしてそれはドイツに限ったことではない。
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うーむ。 面白さのツボがイマイチよく解らぬ。 だいたいそもそも元々、翻訳モノは苦手なのだなぁ。
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微妙。 ヒトラーのことを詳しい人なら面白いのかも。。 私はあまり面白さを感じなかった。 この手のものは映像で見たほうが良いのかも。
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面白かった。現代に甦ったヒットラーと彼を取りまく芸能界の人々の、ちぐはぐなやりとりが傑作。今のところ上巻では総統は自分の使命を理解しつつもまだ政治風刺のコメディアンの扱い。 下巻が楽しみ。
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なぜかヒトラーが60年ほど冷凍保存され、2011年の現代ドイツに1945年4月末の意識を保ったままよみがえる。 ヒトラーが手がけたきた行為を反芻しながら、本書をよむことが、いかに面白いか。 映画化されたものは未聴だが、これは活字でなくては伝わらない面白さと著者の工夫が随所にあ...
なぜかヒトラーが60年ほど冷凍保存され、2011年の現代ドイツに1945年4月末の意識を保ったままよみがえる。 ヒトラーが手がけたきた行為を反芻しながら、本書をよむことが、いかに面白いか。 映画化されたものは未聴だが、これは活字でなくては伝わらない面白さと著者の工夫が随所にある。 本書は、現代ドイツ版の『パパラギ』だろう。 70年前の筋金入りの国家社会主義者からみた現代は驚愕と落胆の連続であり、現代人からすれば懐古的な思想と発言しかできない男をどこまでも訝しく思う。 そして、それは徹底的な風刺であり皮肉であるが、そしてその皮肉を発する主体である「ヒトラー」その人物も、周囲からすれば「ヒトラーになりきった人」という見え方しかされていない。いかにこれが皮肉なことか。 現代におけるヒトラーの滑稽さと、ヒトラーから見た現代の滑稽さを、相当意識的に混同し、読者を困惑させる。賛同はしないが、応援は心から行う。 そういう小説ではないだろうか。
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まず着想が面白い!笑えつつも説得力のあるというか納得させられるところが多い。「国民の真の代表者」ヒトラー。コメディとも、風刺ともまた異なる深い作品でした。
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