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水の眠り 灰の夢 の商品レビュー

3.9

29件のお客様レビュー

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2025/10/25

なんてハードボイルド!  なんて激しい・・・ 村野ミロシリーズ3作目 本作は若き頃の村野善三が主人公 高度成長期真っただ中、翌年に東京オリンピックを控えた昭和38年の東京が舞台。 週刊誌の記者をしていた村野は、連続爆弾魔・草加次郎事件を調べるうち女子高生殺人事件に巻き込まれる。 ...

なんてハードボイルド!  なんて激しい・・・ 村野ミロシリーズ3作目 本作は若き頃の村野善三が主人公 高度成長期真っただ中、翌年に東京オリンピックを控えた昭和38年の東京が舞台。 週刊誌の記者をしていた村野は、連続爆弾魔・草加次郎事件を調べるうち女子高生殺人事件に巻き込まれる。 いわゆるトップ屋として走り回るうちに、真相に近づくにつれ自身の身辺も危うく、緊迫していく。 当時のファッションや車に懐かしさを感じる隙もなく、殺人、危ない薬、ヤクザ、妖しいパーティーなど繰り出される展開に圧倒される。 そんな中でも村善の、女性に揺れ動く心情なども折り込まれ大変興味深い。 子ども時代のミロも登場して、楽しみは続くのだ。 本当にこれ、女性作家の作品なんよな? って何度思ったか、 あっこれって、なんとかハラスメント? だったら失礼しました。

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2025/08/02

ローズガーデンを先に読んでしまった。 何か嫌な先入観を持ったまま読み進めたが、これはこれで面白かった。 ローズガーデンって必要だったのか? とりあえず、あとは積読になってるダーク上下。新しいダークネスも読みたいな。高いな。

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2025/04/30

昭和38年ごろの若者のファッションや東京がが鮮やかに描写されているのもいい。よろしくない人たちのやっていることも、現代の少女たちの搾取と根本は変わらない。ダークと繋がった作品と知らずに読み、後ろの方でようやく気づいた。村善、かっこいい。ダークのミロさんの出生の秘密、鄭さんとの出合...

昭和38年ごろの若者のファッションや東京がが鮮やかに描写されているのもいい。よろしくない人たちのやっていることも、現代の少女たちの搾取と根本は変わらない。ダークと繋がった作品と知らずに読み、後ろの方でようやく気づいた。村善、かっこいい。ダークのミロさんの出生の秘密、鄭さんとの出合いなど、壮大な作品群だわ。

Posted byブクログ

2024/08/07

どこが事件の本題なのか、すべての線がつながった時、さすがは桐野先生だなぁと感心。 当時の世相、時代背景なんかも手に取るようにわかった。 時代は変われども変わらないのは人間の欲望ってことかな。

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2024/04/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

30年前の作品ではあるけど、無駄な読書をしたくなくて、桐野夏生を選んだ。 作品の舞台はオリンピックの前年。切ないほどの昭和の描写に、何度も本を置き、アイビールックや古いフランス映画、バイタリスの匂いを脳裡に蘇らせる作業は甘やかな悦びがあった。 最後になって、ああ、これは村野ミロの義父の話なんだ、とわかった。いろんなレビューに書かれているようだったけど、そこはチェックしてなかったので、わかった時は嬉しかった。 「顔に降りかかる雨」と「天使に見捨てられた夜」の再読をしようと思うと少し嬉しい。また、未読の「ダーク」も楽しみになった。

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2023/09/15

トップ屋が主人公の作品は初めてだったのと、舞台が1960年代だったので、自分が全く知らない世界に入ったみたいでした。四十円のラーメンには驚きました。また、深夜喫茶というものを初めて知りました。物語の最初から最後まで、遠い昔の日本へタイムスリップしているような気分で楽しかったです。

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2023/01/12

連続爆弾魔だけじゃなく色んな事件が絡み合ってる 結構ハードボイルド系で、面白かったようなそうでもないような、、 高度成長期時代特有の固有名詞とか時代背景にあまりピンとこなかったのもあるかも

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2022/11/27

さすがの桐野作品だと思えた。 執筆は1990年代、彼女が乱歩賞をゲットし、気鋭の作家として脚光を浴びて行き始めた時間。 そんなオーラが行間に漂う。その後の「グロテスク辺りから彼女が気になり、作品は大半読んでいる。 ミロシリーズは余り好みじゃないけど、この作品、ミロの義父の物語とい...

さすがの桐野作品だと思えた。 執筆は1990年代、彼女が乱歩賞をゲットし、気鋭の作家として脚光を浴びて行き始めた時間。 そんなオーラが行間に漂う。その後の「グロテスク辺りから彼女が気になり、作品は大半読んでいる。 ミロシリーズは余り好みじゃないけど、この作品、ミロの義父の物語という事で意外性がある。 62歳になった時間、転送されて届いた葉書。かつて彼の若き時間に刻印を残した男、そして忘れ形見。 彼を初めとしての人物造形がいい・・しっかりしており、筋の骨組みもぶれない。 よくある「着地が曖昧」ガックリ感が無く読了。 作品の舞台の時間は物心ついて間なしであり、頭の中では霞が掛っている。 東京五輪、高度経済成長、東京が実際以上の化け物と化し行っていた時間。 人も金も、国までもが虚構に憧れ、踊らされて行った時間という気が強い。 そしてマスコミ、ジャーナリズム・・その頃の小説は余り好みじゃなく、今思うと薄っぺらくってやたらぶっている文字づらがイライラする。 この作品も若干その香りはするが、さすがの桐野さんだった。

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2022/05/20

読みやすかった。トップ屋と呼ばれる週刊紙のライターが事件に巻き込まれる話。昭和30年代の時代背景もよく描かれている。

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2022/01/02

実際にあった昭和の未解決事件、草加次郎事件を幹にして構築したミステリー。昭和という土から生え出た虚構の蔓が実在の事件の幹に幾重にも絡まり、見事な物語へと姿を変えている。奥付によると阪神大震災の年に単行本が刊行されたようだが、二度目の東京オリンピックを終えて、一度目の東京オリンピッ...

実際にあった昭和の未解決事件、草加次郎事件を幹にして構築したミステリー。昭和という土から生え出た虚構の蔓が実在の事件の幹に幾重にも絡まり、見事な物語へと姿を変えている。奥付によると阪神大震災の年に単行本が刊行されたようだが、二度目の東京オリンピックを終えて、一度目の東京オリンピックの頃の物語を読むことができたというのも、なんか良かった気がします。

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