ワンダフル・ワールド の商品レビュー
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かけがえのない存在との出会いと別れを特別な香りとともに描く短編集。 全体的に大人の色気があった。 一気によみおわった。 ①アンビバレンス 顔が良くてセックスが上手くて色気があっても、飼ってるインコを初対面で雑に扱った事で一気に全てが終わる…私も犬を飼ってるので、自分のペットを大事にしてくれない人は絶対に無理だって気持ちはよくわかる。 比嘉さんとの関係性が好きで、もっと2人を見ていたいと思った。 ②オー・ヴェルト 正論で相手を追い詰めすぎる。言いたい事を言ってしまう。 私も友達に言われた事があるし自覚もあるので耳が痛かった…。 ただそういう人が合うと思ってくれる人、裏表がない、言葉の裏に隠された本音や建前を考えなくていいから楽って思ってくれる人も、いるんだろうなと思えた。 ③バタフライ 男性目線で物語が進み、志織さんの事は大人の余裕があるかっこいい女性に見えていたけど、最後に真相を知って切なくなった。 不倫関係だけど、この2人はすごくお互いを想いあってる感じがして、燃えるような恋ではないかもしれないけどすごく素敵な関係性に見えた。 ④サンサーラ これが1番好きかも? いわゆる毒親ってやつですね。 子犬を勝手に取り替えたくだりは、ありえなすぎて引いた。 主人公が守るものができて強くなっていくのが良かった。 何度死んでもいい。その度に生まれ変わってこの人を探し、可愛い豆太郎を見つけようと躍起になるだろう。もしかしたら既に何度か生まれ変わってるんだろうか。その度に香りを頼りにこの人を探していたのでは… いや、素敵でした。好きです。 ⑤TSUNAMI 震災の余震の最中、17年間一緒だった猫を看取る話。 隣にいる愛犬を何度も撫でながら読みました。 間違いなくタビは幸せだったと思う。
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【あらすじ】 アロマオイルを纏った肌をぶつけ合い、のぼり立つ匂い。調香師との情事は、私に長い愛人生活を終わらせる予感を抱かせた。あの光景を目にするまでは──(「アンビバレンス」)。年上の人妻経営者に持ちかけられた三か月間の恋人契約。俺に抱かれ、女の喜びを感じると話していた彼女は、なぜ突然いなくなったのだろう(「バタフライ」)。記憶と熱を一瞬で呼び覚ます特別な香り。五編の恋愛小説集。 《オー・ヴェルト》 ・田代くんが、思ったことは何も我慢せずぽんぽん言ってしまう性格の万実に言った「表裏がないってことだから。万実ちゃんといると、言葉に隠された意味とか本音とか建前とか、色々考えなくて良いから楽だよ」が私も田代くんと同じですごくしっくりきた。 《TSUNAMI》 ・なんの前触れもなく、突然の波に呑まれて奪われていく命があることを思うと、こうして死の訪れまでの間に心の準備のための猶予が用意されているのは、残酷なのか、それとも幸福なのだろうか。 ・生と死とを分かつ境界線は、人が思うほど太くはない。死は、つねに生のすぐそばにある。それは同時にこうも言い換えられはしないだろうか。死せる者は、生ける者のすぐそばに在り続けるのだ、と。 ・この子もまた、きっと見守ってくれるだろう。最愛のものをなくした私が、それでも懸命に日々を生きてゆこうとするのを。自分のいないこの世界が、それでもなお、愛しく眩しく輝き続けるのを。 【個人的な感想】 五編の短編すべてに途中に性的な表現もあるが、最後の短編の『TSUNAMI』が2週間前に愛犬を失った私に響きすぎて号泣したので★5にした。 『TSUNAMI』では17年間共に生きた猫と飼い主の女性の最後のお別れを描いた話。 大切な家族である猫や犬を亡くした方に読んでみてほしい。
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香りを巡る恋愛。プールの塩素臭,原生林の匂いなど,匂いで記憶が蘇る。気になる3編。 バタフライ:恋人契約,期間限定の理由 サンサーラ:骨董白蛇洞の店主の秘密 tsunami:震災と猫の看取り
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*世界はこんなにも美しく、かぐわしい――運命の出会いを彩る香りの物語。かつての恋人との再会で芽生えた新たな感情、「愛人」という言葉では割り切れない関係、久しぶりの恋を捨てても守りたいもの――普通の恋愛とは呼べない。でも混じり気ない愛情と絶対的な安心感を与えてくれる存在を、特別な香りとともに描く全五篇。もうときめきだけでは満たされない大人に贈る、究極の恋愛小説* まさしく、濃厚な女の香りが匂い立つような短編集。激情と冷静さ、柔らかな寛容と決して譲れない自分の中の何か、そんな相反する感情が背中合わせになっている大人の女の恋愛模様。退廃的なのにほろ苦い甘さを含んだこんな恋慕が味わえるのは、大人の特権なのでしょう。意外な結末も併せて、独特の余韻を残す短編集。
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2018/12/11読了 最近は作者投影が多かったので・・ 正直短編のほうが面白いかもなのです。 「アンビバレンス」は何かのオムニバスで読んだ 昔の恋が今も鮮やかに大切に存在している「オー・ヴェルト」の、ほっとした感じはかつてのおいコーみたい。 女としての生き方と魂の燃...
2018/12/11読了 最近は作者投影が多かったので・・ 正直短編のほうが面白いかもなのです。 「アンビバレンス」は何かのオムニバスで読んだ 昔の恋が今も鮮やかに大切に存在している「オー・ヴェルト」の、ほっとした感じはかつてのおいコーみたい。 女としての生き方と魂の燃やし方が素晴らしく 終わりの始まりを美しく飾る「バタフライ」 母親の恐怖と、束縛・独立を始めて意識する「サンサーラ」 を読むと、ほんとうに村山さんの母親はどんな人なのか、どんな影響を受けたのかを考えてしまわざるを得ない。 そしてやはり あの日 がテーマとなる 言葉でもあり、影でもある「TSUNAMI」 このすべてはなにかとの別れ、もしくは決別のオムニバス
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短編が5つ.表題名の作品はないが,それぞれの作品のオチが最終的にはワンダフル・ワールドになるのかなと感じた.どの作品も前半で恋の導入部があり,最後に意外な展開が待っているという構成だが,インコのしんのすけにまつわる「アンビバレンス」が面白かった.みちると比嘉雅弘の微妙な関係と,そ...
短編が5つ.表題名の作品はないが,それぞれの作品のオチが最終的にはワンダフル・ワールドになるのかなと感じた.どの作品も前半で恋の導入部があり,最後に意外な展開が待っているという構成だが,インコのしんのすけにまつわる「アンビバレンス」が面白かった.みちると比嘉雅弘の微妙な関係と,そこに割り込んできた安藤優司・破綻は突然なんだ.
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たまには、大人の恋愛ものでも、、、。 ****** 「サンサーラ」がよかった。 生々しい性愛描写は、 ちょっと、もう、いいかな、、、。 想像を膨らませる余地が、より官能的かと。 「TSUNAMI」の祖母のくだりは、、、 切なくて、泣けた。
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短編だけど、つながっていて 特に バタフライの志織さんには強く共感した わたしでも同じことを考えただろうか 読むまでは思いつかなかったとしても 読み終えた今となっては 志織さんの真似をしてしまう自分が想像できる もし当事者となってしまったなら 何かの役割としての自分ではなく ...
短編だけど、つながっていて 特に バタフライの志織さんには強く共感した わたしでも同じことを考えただろうか 読むまでは思いつかなかったとしても 読み終えた今となっては 志織さんの真似をしてしまう自分が想像できる もし当事者となってしまったなら 何かの役割としての自分ではなく ただひとりの女性としての選択ができる潔さを そのことを喜べる覚悟を持ち合わせていたい
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愛と性にまつわる短編集。 嗅覚に訴えてくるものが多い。 唯一男性視点で描いている「バタフライ」が シンパシー大きめで読むことが出来た。 直接的な表現は全くと言っていいほど無いのに 文体が、とても官能的。
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読み途中の本が、余りにつまらなく、口直しで間に挟むつもりが、一気読み。 読みやすいのと、ゆるゆる繋がる連作なのと、で、思いの外高スピードで読み終わっちゃった。 借りる時に、白村山かな?黒村山かな?と、ちょっと気になったけど(私は白村山ファンなので)、読んでみたら、どっちとも言えな...
読み途中の本が、余りにつまらなく、口直しで間に挟むつもりが、一気読み。 読みやすいのと、ゆるゆる繋がる連作なのと、で、思いの外高スピードで読み終わっちゃった。 借りる時に、白村山かな?黒村山かな?と、ちょっと気になったけど(私は白村山ファンなので)、読んでみたら、どっちとも言えない感じで…。もしや、私が見逃してただけで過渡期の作品?と思ったら結構最近のなんだね。 黒村山出現で、遠のいた村山ワールドだけど、白×黒また段々融合してるのかな?喪失感を心地良い静けさで描くのはさすがだな~!こんな風なら、また読みたいなと思った。
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